030 集い
ガニエレブ海に浮かぶ島国、ロスクルド帝国。5年前、これまで帝国主義で世界を支配してきたこの国は、ある戦争で敗れてしまう。
勝利した国の貢献者は六槍師と呼ばれ、世界の英雄と讃えられる。
方や敗れたロスクルド帝国は多くの被害者を出すだけでなく、争いで奪った領土全てを返還。ターサ国の支配権を放棄。さらに200兆ルードの賠償金。これらをこの戦争によって生まれた国際機関、「AFF」に提示されることとなる。
終いには当時のロスクルド帝国の王、ジャック・フォン・ヴォルケが戦死。国内は混乱を極め、国の活動範囲を狭める他なかった。
〜ロスクルド帝国〜
ここロスクルド帝国の首都、ドルーアにあるヴォルケ邸に1人の男の指令の元、ロスクルド帝国の兵士長が集合していた。
「聞いたぞ、アラン。どうやら負けて戻ってきたらしいな? 」
「うるせえ!負けてねえよ!!ただ相手を泳がせてぶちのめすタイミングを計ってるだけだ!そういうお前はどうなんだ? 」
「俺は敵の司令塔と8人の兵士を殺したぞ。」
長いテーブルに並べれた椅子に座り、喧嘩をしているのはアランとフローリッヒだった。
アランと一緒に戦っていたレイが向かいの席から口を挟む。
「うるせえよアラン。勝てなかったのは事実だろ。」
「レイ!てめえも勝てなかっただろうが!」
「お、俺は相手が複数だったから…… 」
3人がこんなやりとりをしていると
「これで全員か? 」
兵士長達とは明らかに違う不気味なオーラを放つ男が呆れた様な顔をして部屋に入ってきた。
男の名はフィリップ・フォン・ヴォルケ。現在のロスクルド帝国の王だ。
「揃いました。フィリップ様。」
兵士長をまとめているのはメロルだ。彼女は主に王の護衛や、必要があれば右腕として活躍する。
「随分と死んだんじゃないか? 」
ヒトミやメグミ、バーグラーの姿はここには無かった。
王の一言で緊張感が走るが、すぐさまメロルが一言
「申し訳ありません。フィリップ様。もっと利用できる者を集めてまいります。」
ふん、という態度で男はテーブルの一番奥の席に座り、目を閉じる。
バーグラー達の身体を改造した科学者はアランの隣に座っている。
「てか誰だよこいつ!」
ハーロン博士を見たことがないアランが溜めていたセリフを爆発させる。
隣で科学者はビクビクと怯えていた。
「あぁ、結構使えるよ。そいつ。まぁ戦闘で使う予定はないけど。」
メロルはニヤリとする。
「他に戦闘で使えるやつはいないのか? 」
メロルの正面に座っていたフローリッヒがため息混じりに質問する。
「それを頼んでるのよ♪」
メロルは待ってましたと言わんばかりに説明する。
「なるほど。全く、恐ろしいことを考える。」
フローリッヒがハーロンを見ながら頷いた。




