五話
ノーマルゴブリン2体とアーチャーゴブリンのPT(行動を共にする最も小さいグループ)が襲い掛かってきた
Redが前に出て斬りつける事で2体のノーマルゴブリンの気を引く。そこで側面から回り込んだSakiがアーチャーゴブリンを両手の剣で舞う様に切り付ける。
Redは持ち前の器用さで、レベルの差の所為で一撃食らうだけでHPが半分近く削られる攻撃を全て受け、受け流し、弾く
Sakiは元々の単純な身体能力だけはRedさえも上回っている。そして、アーチャーゴブリンは遠距離攻撃の弓矢しか持たない
なので、近づけばアーチャーゴブリンの攻撃はただ単に殴ることしか出来ない為、Sakiには当たるはずもない。
ダメージは急所に攻撃を当てても大きなダメージは与えられないが、確実にHPを削っている
そして、Youは遊撃役だ。Redがどうしてもかわしきれない攻撃を後ろから攻撃したりすることで防ぎ、アーチャーゴブリンを魔術師の初期魔法“ファイアーボール”や、剣で攻撃したりだ
最初のうちは時間がかかったが、レベルが上がり、慣れも出てきたことで効率化され、倒すのにかかる時間が短くなっていく
レベルアップボーナス値をYouは全体的に上げ、RedはSTR・VITとDEXに少し、SakiはAGI・STRとVITに少し割り振る
そして、全員のレベルが9になったあたりで時刻は6時半ぐらいになり町に戻ることにする
ゴブリンの森は適正レベルが高いため、他のプレイヤーのPTが来ることも少ないし、多くても敵の数が5体以上一気に相手をすることがなかった為、かなり多くのの経験値を手に入れることが出来た
ドロップアイテム(倒した敵が落とすアイテム)も自動でアイテムボックスにしまわれるのも多くの経験値を手に入れれた原因だった
「これだけあれば中堅階層でかなり楽が出来るだろよ」
Youの発言にRedは少し悲しそうな顔をしながら口を開いた
「やっぱり君は中堅階層で狩をするつもりなのか……。君の実力なら十分に上級階層、攻略組みで……。いや、君を巻き込んだ挙句、死の危険にさらすわけには行かないな……。僕がゲームクリアに導くまで待っていてくれ」
「レッドさん私も付き合いますよ。私も攻略組みで頑張っていこうと思います」
「サキちゃん……」
「おい、美咲! 攻略組みなんて危ないまねさせるわけにはいかねぇよ」
YouはSakiの発言に思わず怒鳴った
「お兄ちゃんとの決め事その一『自分の考えを押し付けない』腑抜けたお兄ちゃんは中堅階層で頑張ってね」
「腑抜けたって……」
「いつものお兄ちゃんなら攻略組みに加わるはずだから、この状態を腑抜け以外のなんていうの!?」
そう言ってPT登録を解除してどこかにいくSaki
「サキちゃん!?」
それを追いかけていくRed
そして取り残されたYou
「サキちゃん急にどうしたの!?」
「すいませんレッドさんの見苦しいところを見せてしまって……」
「あんな風に言うなんてらしくないよ」
「仕方ないですよ、ああ言わないとお兄ちゃんは動いてくれませんから」
「僕が巻き込んでしまったんだ……。ユーは中堅階層にいてくれても……」
「それは関係ないですよ。今日PTを組んで改めて分かったんです。レッドさんとお兄ちゃん2人とも一緒の舞台にいないと駄目なんです」
「……」
「今日ゴブリンを狩ってた時、レッドさんもお兄ちゃんも生き生きとしてました。お兄ちゃんは負けず嫌いなんです。だから周りに何言われてもレッドさんと同じ土俵で勝負を挑み続ける。と、言ってもお兄ちゃんは無意識なんでしょうけどね」
「サキちゃん」
「さて、明日にはレベル10になるから2次職は何にしようかな?」
「ホントにユーが羨ましいよ……。サキちゃんみたいな妹がいるなんてね」
「あんな兄ですから私みたいな妹がいないと駄目なんですよ」
「フフ、そうだね」
「お兄ちゃん……。早く攻略組みにきてね……」




