四十八話
正直言ってYouには打つ手がなかった
別にYouは一人突出して強いわけではなく、このゲームの中での上の上
そして相手も上位の強さを持っているのだ
つけ入る隙があるとすれば二人で組んでいる慢心や、余裕などだがそれもない
しかも職業スキルまで使ってくるとなるとまともに戦っては絶対に勝てない
そうなると手は一つしか残ってなかった
「三十六計逃げるに如かず!」
そう言ってファイアーボールを放つと後ろに向かって走り出す
「待ちなさい」
「逃げるなぁ~!」
二人がそう喚くも構わない
潔く戦って負けるよりも汚く勝った方が良いと考える
しかし、相手二人は素早さを中心に上げている二人
そのうち追いつかれてしまうだろう
ならばどうするか?
Youはあるものを探して走っていた
『プレイヤーの数が残り10人となりました』
そのような放送が聞こえ田その直後に目的のものが見えた
そこでは3人のプレイヤーが戦っていた
杖を持つもの一人と弓を持つものが一人、斧を持つものが一人いた
3人とも誰かを攻撃すればもう一人に狙われるので動けない状態だった
その中の弓を使っているのがYouも知っている人物だった
「フィーネ、俺の後ろにいる奴に攻撃頼む。お前への攻撃は俺が何とかする」
一対二で負けるのならもっと人数を増やし、うかつに攻撃できないようにする
それがYouの狙いだった
「えっ? へ、はい」
突然声をかけられたFeeneは、間抜けな声を出しながら反射的に弓を引いた
それは突然のことで対応できなかったYUIの肩に当たり
別の所に攻撃したFeeneの隙を狙い、魔法使いのファイアーボールをYouは防御するためにマジックシールドを張るが、同じ初級呪文でもオールマイティ型のYouのマジックシールドは純粋な魔法型のファイアーボールより弱いため、貫かれる
だが、すぐにYouはウォーターボールを発動させ、威力の減衰したファイアーボールと相殺させる
そして右から斧を持ったプレイヤーの薙ぎ払いの攻撃を剣を使い、下に方向をずらし、斧の上を飛ぶようにジャンプし、そこからファイアーボールを顔面にぶつける
その攻撃で怯んだところにHannaの分身2体と一緒にYouと斧使いのプレイヤーに攻撃を放つ
Youは飛びのいて躱したが、顔面に食らったファイアーボールの爆発で対応が遅れた斧使いのプレイヤーはHPが0になる
その二人の所に今度は魔法使いの中級範囲攻撃のウォータートルネードが来るがHannaとYouは飛びのいて躱すが、Hannaの分身の一体が攻撃をくらい消滅した
そしてそのまま距離を保ち互いを牽制する
「”隠れ身”」
Youには聞いたことがないスキルだった
そのスキルが発動し、Hannaは姿を消す
そのことに驚いてるうちに魔法使いのHPが0になりその裏から全身金属鎧のプレイヤーが姿を現す
『残りプレイヤーは5人です』
つまりはここにいるYou、Feene、Hanna、YUIそして金属鎧のプレイヤーだけになったのだ
「えっ? 戦艦? なんか自分が場違いな気がしてきた」
「知ってるのか?」
「知ってるも何も戦艦って攻略組の中でもトップクラスの人物ですよ? それにあっちも攻略組トップクラスのアカツキPTのユイと暗黒騎士団のハンナさんですよね? なんで攻略組の底辺の私が残ってるのでしょうか……」
そうやって会話していると金属鎧が何かを投げてきた
それを躱すと人の赤子ほどもある鉄球だった
「あれがあの人の異名のもとになった多数武器の鉄球ですよ」
「厄介だな……止めてくる、ユイの方を頼む」
「あっ、待って下さ……」
Feeneの言葉を待たずにYouは駆け出した
鉄球がさらに続けて2球飛んでくるが直線的なうえに、スピードもほかの遠距離攻撃に比べて遅い
なので、躱すのが楽だった
当たらないのを学習したのか、手に持つ二つの鉄球を上空に投げ、背中からランスを取り出す
ランスは片手武器の中でも特に重い
その代わりに攻撃力が高いのだった
突き、突き、薙ぎ払い、振り下ろしからの突き
Youは戦艦のリーチを生かした攻撃にさらされ近づけなかった
ならば近づかなければいい、そう思い、魔法の詠唱を始めようとすると右肩に衝撃が走る
先ほど上に投げた鉄球が落ちてきたのだ
ランスで近づかせずに同じ距離を保ち、そこにあらかじめ投げていた鉄球を落とす
さすが攻略組トップクラスの実力と言ったところだろう
怯んでる所に、戦艦が追撃のランスを放つ
何とか体をそらし、前に出る
戦艦も怯んだところを狙った攻撃が交わされるとは思っていなかったのだろう
大振りの攻撃だったためにすぐに引き戻せず、接近戦に持ち込む
ランスは中距離には強いが懐に入られると弱い
何とか引きはがそうとする戦艦のHPをすべて削り取る
「さすがだな……」
そう言って戦艦は転送されていった
そして、振り返るとYUIがこちらに走ってくるのが見えた
おそらくはFeeneはやられたのだろう
お互い手数を武器にする者同士、激しい攻防となる
両手、両足を使うYUIの攻撃を魔法、それに剣を交え迎撃、または躱し、時には反撃する
お互いのHPが少しづつ削れていき、残り一撃受けたら負けるというところでYUIのHPが0になる
「あ~あ負けちゃった。アカツキ様にいいところ見せられなかったな」
そう言い残すと元の場所に転送されていった
「”暗殺”」
「【救世主】」
暗殺という言葉が聞こえると同時にY後ろからYouにHannaの攻撃が突き刺さる
次の瞬間にはYouが剣を何度か振るい、防御力が低いHannaのHPと残った分身を消し去る
確実に仕留めたと思ったYouのHPはほんの1ドット残っており、YouによってHPがなくなっていた
「何が……」
Hannaがそういうと元の場所に転送され、放送が響く
『第八グループ、勝者You』
これにてトーナメント予選終了
そしてなろうコンに短めの物語を出そうと現在執筆中
今週中に一話を出せそうです
この小説は今まで通り5の付く日に更新
新しい小説を不定期に更新しようと思ってます
良かったら見ていってください




