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Fantasy World Online  作者: 棘田 清棘
それぞれの日常
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四十一話

第六章は短編集です

Sakiの日常


「ねぇお兄ちゃん。最近妹キャラがお兄ちゃんに恋愛感情を持ってる小説多いよねぇ」


「急にどうした?」


Sakiの急な話にYouがこたえると、Sakiはゲーム内で娯楽を求める者たちが書いた小説をわきに置くと、話を続ける


「今読んでたのってチート主人公のハーレム物でさぁ、そのハーレムの中に妹がいるんだよ」


それに対してYouは最近の傾向的に普通じゃないか? と返した

「わかってないねぇ」とSakiが話を続ける


「まぁ、そりゃあメジャー化してそういうのは普通だよ。たださぁ、本当の妹で、さらに兄がデスゲームで活躍してるとなると周りがめんどくさくってさぁ。周りの友達にお兄ちゃんって主人公みたいな人よねって言ってきてお兄ちゃんのことをどう思ってるの? とか聞かれるわけよ。いや、確かにお兄ちゃんのことは嫌いじゃないけどただ恋愛感情はないのよねぇ」


「まぁ、リアルで実の兄を好きになるなんてないよな」


「いやいや、そうとも言い切れないから困るのよ。海外では生き別れの兄妹が恋人同士になったり、兄妹で結婚したりするケースもあるのよ。人間って自分に似た性格の人を好きになる性質があるみたいでねぇ、それなりに兄弟愛が恋愛に発達するケースがあるのが大変よねぇ~」


話が見えてこないのでYouは頭をかしげる


「でも、すべての兄妹がそうだって思わないでほしいわけよ。本当に兄が好きな子にどうすればいい? とか聞かれて困ったりしたし、お兄ちゃんとどこまで行ってるのって聞かれたこともあって正直困ってるのよ」


「まぁ、リアルとフィクションを混ぜるなって話だよな。それにしても今日はよくしゃべるな?」


「そう? いつもこんなもんだと思うけど?」


そうしてSakiは自分のメニューを操作して《お菓子の国》で手に入れたジュースとクッキーを取り出してギルド内に設置されているテーブルを指す

Youも断る必要もなかったのでそのまま席に着いた


「それで、何が言いたいかっていうと、お兄ちゃんってなんで主人公格の活躍してるのに色恋沙汰がないの?」


そしてSakiは語る


「ほら、お兄ちゃんって最前線で活躍してるじゃん、顔も悪くないし、頭も悪くない。なのに色恋沙汰の一つもない。これは私が好きになるっていう前に心配になってくるのよねぇ」


「うるせぇ! そういうお前はどうなんだよ!?」


痛いところを突かれたYouがそう怒鳴り返すと


「リアルでも、こっちでも告白を何回も受けてるわよ」


と平然と返してきた


「マジで?」


「まぁ、レッドさんを見てるとハードルが高くなっちゃってすべて断ってるけどね」


その言葉にいろんな意味で傷つけられたYouはせめてもの抵抗で睨みつける

そんなYouをSakiは微笑んで返す。それは勝者の余裕だった


その後、ギルドメンバーに落ち込んでるYouが発見されたのはどうでもいいことだろう




Ryuukiの日常


正直言ってRyuukiはかなりの臆病者だ

当然お化けなんかも苦手である

なぜ急にこの話をするかというと……


「お姉ちゃん帰ろうよ……」


「ここのレアドロップに宝石があるって話なのよ。レッド様に渡す指輪にしようと思ってね」


Ryuukiは姉であるRINに連れられて《死者の墓場》と呼ばれるアンデット系ダンジョンに来ていた

二度ほど個々のボスに挑んだことのあるRyuukiだが、その時は必要に迫られてたため、気合で恐怖を押し殺していた

だが、今は姉の恋路のためであり、Ryuukiは協力する理由はなかった


「ほかの人に頼めばいいじゃんか、お姉ちゃんのギルドの人とかさ……」


「女の子にこんなところ来させる気? しかもうちのギルドはレッド様のファンが集まってるから協力してもらうわけにはいかないのよ」


RINのギルドである《赤の護衛団》はレッドファンクラブに入ってるものだけであり、ほとんどが女性、一人ほどホモな男性がいるがそれは例外としていいだろう


「あんたも高レベルなんだからしっかりしなさいよ。こんなところでHPもまともに減りはしないんだから大丈夫よ」


「理屈とは関係なく薄暗い墓場ってのが無理なんだってば」


「それでもレッド様のライバルギルド《暗黒騎士団》のメンバー?」


「それは関係ないじゃないかぁ」


今にも泣きだしそうなRyuukiを無視してさらに進むRIN

今更一人で戻ることもできずRINについていくしかなかった……


その後探索は3時間にも及び、そのころにはRyuukiの精神はガタガタだった


「やっと見つけたわ、レアモンスター《リッチゾンビ》」


《リッチゾンビ》とは高位な魔法使いのなれの果てであるリッチではなく、お金持ちな方のリッチだった

そのレアモンスターが落とす宝石が今回の目的だった


「行くわよ、リュウキ」


「あぁ~」


すでにリュウキはまともに返事すらできなかった

それでもうまくマジシャンの位置に移動できてるのは今までの成果だろう


適正レベルを大幅に超えているこのダンジョンで、リッチゾンビは一発だった


結果《リッチゾンビ》が落としたのは”呪われた宝石”であり

RINの告白には使えなかったので無駄足になったのだった

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