十五話
新章です
生産職の露店販売が集まっている一角にYouはいた
「ふーん、良かったやないか。妹さんと仲良くできて」
itukiの出店に来ているのだった
もうすでにitukiは3次職の鍛冶師になり、PSも【多重人格者】が現れている
効果は行動によってステータスが上がるというもので戦闘ならSTRとVIT、生産ならLUKとDEX、移動ならAGIなどだ
「まぁ、便利やけどあくまでサポート的やから元々のステータス上げへんとあかんけどな。どのPSでも上昇幅は大したことあらへんし」
とitukiは言っていた
Youや他のプレイヤーもこのPSの上昇量が補助的なもので大したことがないと言う意見には賛成だ
「それよりなんでもっと早く持ってこんへんかったんや? 耐久度17%って、ふつう50%切ったら回復させるやろ。さらにボスの素材を使って強化してくれってなんや、一気に仕事もってきてお姉さんを過労死させる気かいな?」
Youは先ほどitukiが述べたように武器の修理と強化に来ていた
「《狩蜘蛛の足》に《狩蜘蛛の牙》、《狩蜘蛛の糸》って毛がすごいわ、それに《魔石》ってなんや?掲示板に載ってなかったで。『強者の体内のみで生成される石、魔力が宿り武器につけると大きな力をもたらす』」
itukiが魔石の効果を読み上げ、Youはその効果について考える
「ボスのラストアタックボーナスか、レアドロップか……、ただ武器強化専用アイテムとしか書いてないからな」
しばらくして生産作業が終わり、剣をYouに渡す
「できたで、どうやら魔力ゲージを消費している間INTの値だけ魔法ダメージを与えるみたいやで、戦士でもLv分のINTとWISが上昇するからこのゲームではかなり有効やで」
「そうだな、蜘蛛狩りでも始まるんじゃないか?っと、代金だ」
そう言ってYouはトレード画面でお金を送った
「まいどあり」
始まりの町の広場
そこには3人の少年、少女がいた
そこに一人の少年がやって来た
どうやら先に来ていた3人と待ち合わせをしていたらしい
「待たせたな」
「大丈夫ですよ、まだ集合時間にはなっていませんから」
Youの謝罪にRyuukiが答える
「今日は新ステージの蜥蜴の洞窟でしたっけ?」
「そうだね、でお兄ちゃん――ギルドの名前決まった?」
そう、Youはギルドを作ろうかと思ったが名前が決まらずに先延ばしにしていた
「さて、今日の蜥蜴狩りは……」
話を戻して話題を避けようとするが……
「お兄ちゃん、レッドさんもギルドを作って【聖騎士団】になったらしいよ。なんでもギルドに誘ったメンバーがレッドさんのことを聖騎士みたいって言ったからこの名前になったらしいよ」
「もちろん、名前は決まっている。【暗黒騎士団】だ」
Redの作ったギルドの名前を聞いた瞬間にYouはギルドの名前を即答した
会話の流れからして明らかに今さっき作った感じがするが……
「で、どういう意味なんだ?」
「アラシさん、聞いちゃダメですって、お兄ちゃんはレッドさんに対抗したいだけで『聖騎士には暗黒騎士だろ』とか言う単純な理由でしょうから。厨二的とか言っちゃダメですからね。レッドさんに対抗意識もってるのも公にしたくないみたいですし。まぁ、誰もが理解してますけど、厨二は何かの名前を付けるのに暗黒とか闇とかがカッコいいと思ってる年頃なんですよ」
「サキさん……ユーさんが傷ついて倒れました……」
「さて、そのうち動くようになると思いますからほっといていきましょう」
『絶対Sだ』
RyuukiとARASHIの心が一つになった瞬間だった
Youのギルド【暗黒騎士団】のメンバーは“ハンター・スパイダー”を倒して現れた新ステージ《蜥蜴の洞窟》に来ていた
Youはすでに復活していた
落ち込んでいたのは半分演技だった
もう半分は本気で落ち込んでいたのだが……
蜥蜴の洞窟にはリザードマン系を始めとしたモンスターがいる
“リザードウォーリアー”“リザードナイト”“リトルサラマンダー”などだ
前回のステージのゴブリンと違って今回のリザードマン系は連携を取ってくる
剣と盾を持つナイトが中心に敵の攻撃を引き受け、斧、剣、短剣と言うような武器を持つリザードマンがナイトを引き付けているうちに攻撃する
火を纏ったトカゲ、リトルサラマンダーが口から火を吐き、攻撃する
この攻撃は魔法攻撃扱いでいくら防御が高くともWISが低ければかなりのダメージをくらう
ゴブリンの時に比べてかなり難しくなっている
しかし、ここにいるメンバーは攻略組で全員が20Lvを超えていている
ここの適正レベルは25辺りで十分なマージンがあった
しかも、全員が高レベルに早くになった者で技術もある
ボス戦でもない只のモブごときに手こずるわけもなく中盤ぐらいまで進んでいった
そこに悲鳴が聞こえてくる
甲高い女の悲鳴だ
Youは前にも似たようなことがあったなと思いながらRyuukiを見た
Ryuukiは黙って目線をそらした
「で、どうする大将」
ARASHIが聞いてきた
笑っているのでYouの答えを分かってのことだろう
もちろんYouの答えは決まっている
Red達を助けに行くときにこういう時はもう迷わずにある行動をすることを決めていた
「助けに行くぞ!」
You達は悲鳴の聞こえた方向に向かって走って行った




