第8章
「あなたと付き合いだしてもうかれこれ2年になるけど、
私はエルゴ協会には詳しいけど、あなたはどちらかというと
影の政府に詳しいけど、どうして今まで暗殺されなかったのか
不思議なんだけど、なぜかしら?」
「それは、きっと名前が知られてないからだと思うよ。」
誰も私の本名なんて知らないし興味ないだろうしさ」
トーマス・ヨハンソンと名乗ったりケン・ソゴールだったり、
日本人なのに外人の名前で本を書いていたからバレないのかもしれませんね。
無名であることは時して有利に作用するのかもね」
UFOに興味がわいたのは小学校5年生ぐらいで、
作文を書く授業の時に、エイリアンによる
アブダクションを作文に書いて女の教師に叱られた。
「もっとまじめに現実的な事を書きなさいと怒られた。」
私自身が小学校に入る前に北海道に住んでて、
その頃はUFOなんて言葉も知らなくてね。
裏の畑が夜中にオレンジ色に光っているので、夜中に起きて
サンダル履いて身に行ったら同じぐらいの背丈の
眼の大きい灰色の生き物が目の前に現れて怖くて逃げたんだけど、
足が遅くてとうとう逃げきれずに捕まった。その体験は強烈に記憶してて
小学校低学年の同級生の名前は全部忘れてるのに、
その奇妙な生き物を見たことが忘れられなくて、今でも鮮明に覚えてるんだ。
それで小学校の5年生ぐらいの時にテレビでUFO特番を観てて
怖くて怖くて震え上がったんだよ。だってテレビで放映された外国での
アブダクション体験って、フィクションではなくて私の子供の頃の
体験とほとんど変わらないので、それ以来宇宙人もUFOも私にとっては
リアルな現実としか思えなかったんだよ。」
「私は、両親から聞かされたり、人間とそっくりな異星人は何人もみたけど、
グレイタイプ?ってのは嘘だと思ってたけど、
やっぱり本当にいたんだね。」
「信じたくない気持ちはわかりますけど
、これだけたくさん目撃されていれば隠せないでしょうね。」
「人類がこの地球を離れて宇宙へと進出したように。
太陽系の外の一千億以上の星々の中には、
地球が誕生する以前に文明を築いた星もあっただろう。
我々が近い将来に太陽系を自ら製造した宇宙船で離れることになっても今の人類の寿命はあまりにも短すぎる。太陽系を離れたとしても
おそらく片道キップの旅になるだろう。」
「君は女性だから、そんな無謀な掛けには挑戦してほしくないが、
私にはこの世界をは出ていく覚悟はある。」
「アルキメデス火口付近の地下で製造されていた
船のテクノロジーというのは
影の政府が欲しがっていた技術だろう。
おそらく3次元と四次元の狭間を
通る半物質素材や、光粒子エンジンによる
瞬間移動に3次元の地球生まれの進化した
毛のない猿だった人類は発狂してしまうのではないだろうか、
だから、太陽系の外から来た旅人は人類の進化はまだ時間がかかると思って
諦めたのだろう。」
「うん、わたしもだんだんあなたに影響されて、
創造主の神様のお考えが推測できるようになってきたのかしらね。」
近い将来には太陽系を離れた人類は想像も付かないくらいの数の
星を目撃することになるかもしれない。
星々の彼方へ人類が到達するころには現在の人類の寿命も10倍20倍に
長生きできることだろう。
星々の彼方へ飛び出した人類はもう宇宙の孤児ではない。
母なる地球の大地にしがみついている内は、宇宙の孤独に耐えきれなくなっても
帰る家である地球があった。
だが未来の人類はこの狭い地球で幼年期のゆりかごから
離れて宇宙知的生命体として旅立たねばならない。
何故なら地球とて、永遠に存在し続ける星ではないのだから、
地球の星としての寿命が尽きぬ内に未来の人類は
故郷の地球を捨て去るだろう。
そんな日が訪れる頃。我々は今とは似ても似つかない
宇宙生物に進化していることだろう。
だが、同じ人類同士でも、肌の色が違うとか
宗教が違うという理由でお互いを殺し合っている段階では
宇宙へ旅立っても他の星の住人達と仲良くやっていけるのだろうか・・・・
地球では影の組織やイルミナティに対して
立ち向かえる勢力は見当たらなかった。
月面における権力争いもどうやら
地球側が勝利しても異星人が一時的に逃亡したことで
決着がついたとは思えない。
浅はかな人類は宇宙に存在する見えないエネルギー見えない生命体の4次元からの影響を頭にいれてないではないか、彼らとは戦争にすらならない。形のない意思、形のない文明、形のない生命体が宇宙空間を取り巻いているのであれば、
勝ち負けではなく。
影の政府もイルミナティも彼らをもっとも恐れるであろう。
何故なら彼らは我々の正体を知っているが、
我々は彼らの本当の正体をまだ知らないのだから。
つづく・・・・