強欲3
ボグゥッ!!
吹っ飛び、その先のワゴンに激突する紀藤。
「よう、空斗。面白れぇことしてるじゃねぇか。」
振り向くと、掌を突き出した土門がそこにいた。
その足は震脚で地面を踏み抜いている。
「土門…。」
土門は、視線を紀藤に向け、構え直す。
「で、あれは、何だ? 紀藤みたいだがよ。」
振り向けば、紀藤が起き上がろうとしていた。
「そうだ。…大分、おかしくなってるがな。」
立ち上がる紀藤。
こちらを睨め付ける眼は、オレたち二人を敵と認識したようで、
先ほどまでと違う危なさを感じさせた。
突如動く。
高速で左右にステップし、距離を詰める。
(さっきまでと動きが―――!)
真正面から、横に飛ぶ。
ガツッ!!
紀藤の体重を乗せたフックが土門を捉えていた。
かろうじてガードの上。
だが、土門の体が揺らぐ。
「土門!」
紀藤が返しの左を繰り出す。
さっきまでとは違う。
多様なパンチが土門を襲う。
その横から、レバーの辺りに蹴りを突き込んだ。
呻いて連打を止める紀藤。
その怒りに満ちた眼が、こちらを睨む。
体ごと旋回しフックが飛んでくる。
それは躱すものの、続けて放たれる連打を捌ききれない。
圧倒的なスピードとパワー。
暴力的な拳の圧力。
「グァッ…!!」
ボディブロー。
鉛を撃ち込まれたような衝撃。
腹の内容物を全部吐瀉しかねないほどに突き刺さった。
深刻なダメージに
蹲らず両腕を上げ続けるだけしかできない。
直後、横殴りの拳にガードごと吹っ飛ばされる。
倒れた視界には、追い打ちに動く紀藤。
紀藤が、一歩、こちらに迫る時
その顔面を、土門の縦拳が打ち抜いた。




