↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
41/56

一回戦後

「強いな、上角君…。また、今度、相手してよ。」


蓬田は、痛みを堪えながら笑うと、セコンドに連れられてケージを後にした。


***


「お疲れ。」


ケージから出てきた空斗に声をかける。


「おぅ。」


返ってきた声には、まだ荒い呼吸が混じっている。

だが、足取りは軽い。

ダメージは深くなさそうだ。


相手の蓬田は、回し蹴りなど一撃は重いが、しのぎ切ったというところか。


空斗のスタイルは喧嘩で培った、オールレンジの打撃スタイルだ。

蹴り、突き、膝、肘、スタンドでの組み合い。

どの距離でも打撃を出せる。


小さい頃、親戚の道場で古武術を習っていたらしい。

それが、喧嘩の末、ムエタイのようなスタイルになっている。


「土門の出番は、ないんじゃねぇか。」


空斗は少し笑い、その視線がケージに戻った。


「次の試合次第だけどよ。」


次の試合の二人。


宇郷と藪木がケージに入っていった。


***


暴走族レイヴンの総長、宇郷。

その名前は聞いたことがあった。

暴力沙汰の噂が数知れない武闘派。


オールバックの厳つい男。

190近い巨漢。

リベットが目立つ黒いレザーの革ジャン、革パン。


首を左右に傾け、指を畳む。

節々を鳴らして解(ほぐ)すような、ルーティンじみた動きをしていた。


骨折させた相手を海に放り込んだ、とか。

バイクではねられた後、二台目にラリアートかまして一回転させた、とか。

ヤバい”伝説”をいくつか耳にしている。


対するはVIPSの藪木。


陰気な印象を受ける男だった。


薄手のシャツだけの上半身は

引き締まり、絞り切った筋肉に包まれている。


ここ数日。

こいつの情報だけは雁屋に頼んで集めてもらった。


戦型はボクシング。

例の――ドーピングの噂の男。

パッとしなかった戦績が、ここ数戦は連勝している。

パワーとスピードが、一瞬、目を見張るレベルで違っていた…らしい。


微動だにしないまま、睨むような視線を宇郷に送っている。

その眼が妙にギラついて見えた。


レフリーのコールが終わり、試合が始まる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。