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一回戦2

開始早々、蓬田は、奇妙なステップを始める。


左右に揺れる。

足が交互に床を撫でるように動く。

一歩ごとに、重心が抜ける。


一定のリズム。

だが、妙に的が絞りにくい。


それが突如動く。

身を沈めるような側転で回り、

そのまま後ろ回し蹴りを放つ。


その動きを連続して、接近して来る。


―ッ!


空気を切り裂く蹴り足が鼻先を掠める。

冷たいものが背筋を走る。だが、回転は終わらない。


その勢いのまま倒立。

頭上から降る足を咄嗟にガードする。


「グッ」


回転が止まらず、腹にソバットが突き刺さった。


ダメージを受けて後退するが、回転して近づいてくる。


(クソっ…なんだコイツ――ッ)


放った前蹴りは相打ちとなって、互いの体を蹴り飛ばす。


距離ができた。


蓬田は、またあの奇妙なステップを再開する。


(ヤツのペースに付き合うのはヤバい。)


構わず、走って跳び蹴りを放つ。


蓬田の反撃と交錯し、その足先が頭に当たる。


だが距離は詰まった。


胴タックルで腰にしがみつく。


もつれ合うようにして、倒れ込む。


ガードポジション。


絡みつく足が邪魔だが、ようやくヤツの上を取った。


拳を固める。


ここからは、「踊り」の時間は終わりだ。

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