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遺産相続   作者: たか
殺戮編
9/24

終結

辺りを確認し、西本は居酒屋を離れ中腰の姿勢で小走りで先を急いだ。しかし––––。

「おっと、もう逃さんぞ」

長男が西本の前に立ちふさがり、後ろには次男が現れ挟み撃ちになった。ライトをこっちに光らせ、視界を鈍らせる。今まで暗闇にいて急に光を当てられ、反射的に目をつぶった。その隙に掴みにかかるが、西本は無駄な動きなく素早く躱し、手を握り手の甲を曲げ長男の鼻に当てた。一瞬顔をしかめ、顔を手で覆う。その時、背後に回り長男の腰に手を回し、クラッチした状態でブリッジをして後ろに放り投げた。三回ほど前転し、長男の身体は壁に激突した。

「なっ––––」

長男を倒し、西本は次の狙いを次男に向ける。建設途中で鉄の棒が落ちてあり、その棒を握りそのまま次男の持っている拳銃を振り払う。

「小手!」

棒を次男の右手に力強く打ち込み、怯んだ次男は拳銃を落とした。それを素早く前方に蹴り、西本は反撃を許さない。頭に棒を打ち付けると思わせ、次男が反射的に頭を手でカバーする。その瞬間腹の部分がポッカリ開き、頭を狙っていた腕を回転し胴を打った。頭に来ると思い注意を頭に向けていた次男はその反動で反応が遅れた。腹に打ち込み思いっきり前に出て次男を後方に倒した。先ほど蹴り上げた拳銃が落ちていて、西本はそれを取り次男にまたがって顔に銃口を向けた。

「終わりだ!」

「ぐっ……」

次男をホールドアップさせ、両手を上に上げさせる。

ほっと一息ついた。その瞬間

「がぁっ!」

気絶から覚醒した長男が鉄棒を握り西本に襲いかかる。左足を蹴り、右に避けた西本は前転して瞬時に立ち上がる。長男が振り下ろした鉄棒は床に当たり鈍い嫌な音を反響させる。鉄棒を捨てた長男は拳銃に持ち替え、西本に向けた。だが、西本も奪った拳銃を使いそれを長男に向ける。お互いがお互いを牽制し、一歩も動かない。その時だった。突然光が西本の目に集まり、瞳孔が開いた西本は目を瞑る。出遅れた西本を長男の反撃がくる。西本に近づくと膝を曲げ、腹を思いっきり蹴った。痛みで身体が中腰になり、その時硬い何かで顔面を殴られ、西本は床に吹っ飛ばされた。いきなり頭に衝撃が走り視界が揺れていた。ぼやけた視界をなんとか凝視すると、頭から血を流していた三男が立っていて、次男が日本刀の鞘を持っていた。次男に鞘で殴られたのだと瞬時に理解する。立ち上がろうとするが、頭に打撃を食らわされた影響で力がうまく入らなかった。

「三対一だ」

と、次男は得意げに言う。

「えやっ!」

恵梨香は日本刀を握りしめ、峰の部位で次男の頭を殴った。痛みで次男は頭を抑える。回復した西本はその隙に次男を抱きかかえ、そのまま二人で後ろに走る。そのまま後頭部を壁に打ち付け、顎を少しかすめる程度に払い脳しんとうを起こさせ気絶させた。落とした鞘を掴み足を踏み込んで三男の喉元に鞘の先で突いた。「グェッ」と小声で悲鳴をあげると、よだれを出して三男は床に倒れる。右手に鞘を持ち替え百八十度回して長男の身体に当てる。長男は鞘を掴むが、しっかり握ったのを確認して後ろにジャンプした。鞘を捨て、右ストレートを決めた。倒れた長男の上に乗り五回ほど殴る。頬を噛んだのか、長男の口からは血が飛び散った。拳銃を奪い、長男に当たる。西本は荒い息をあげていた。

「お……終わりだ……」

長男が諦めた顔をしたのを見て、今回の戦いの決着がついた。

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