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休憩

授業が終わり、周りを見渡すと殆どのクラスメイトが、驚いた顔をしていた。

隣のエミリオもしかり…

ゴホッゴホッ言って集中出来ないし、最後の最後で先生ではなくて校長です。だからな…

「エミリオ?大丈夫か?」

取り敢えず固まったままのエミリオを何とかしないと

「ふぇ?…あぁ大丈夫。…まさか校長先生だったなんて…」

「そうだな」

「だよね…だってあの賢者コンファースト様だよ…」

「……はい?」

「信じられないよ…あんなに近くにいるだなんて…夢みたいだ…ウィズ・アルバーノに大賢者コンファースト様…あり得ない」

…ちょっと待って

「エミリオ。校長先生ってあのコンファースト?聖魔法確立したあの?」

「…もしかして、イル…知らなかったの?」


………マジか!!!!


「…知らなかった。」

「かなり有名な話なんだけど…」

「…そうなのか」

エミリオからひきつった笑顔を貰った。

「…にしても、珍しいなーコンファースト様って滅多に人前に出ないのに」

誤魔化す為に話を反らされたけど…

「昨日話したんだけど 」

「ハァ?!」

ガタンッと椅子を倒しながらエミリオは立ち上がる。

「ちょ、どういうこと!」

胸ぐらを掴む勢いでエミリオはズズイッと僕に近づく。

(勿論僕は反射的に背を反らす。)

「いや、昨日…ウィズ先生に呼ばれたろ?あの時、校長先生と会ったんだよ。」

「…そうだったんだ。」

昨日の魔力判断を思い出してくれたのかエミリオは申し訳ない顔をして頬を掻く。

「…でも、あぁ…羨ましい…」

エミリオの目が恐ろしく羨ましそうで、ドン引きしたのは内緒である。


***


午前授業を全て終え、昼休みになる。

「イル。食堂行こう」

「ちょっと待って。片付ける」

教科書をロッカーにしまい、食堂に向かうため足を一歩踏み出した時

「おい。」

呼ばれたの見ると、昨日に入学式の後に話し掛けてきた制服を改造しまくってるやつだった。

「何ですか?」

食堂は混雑するから、早めに行きたいんだけど

「…誰に向かってその口きいてるんだ?」

…は?

「そっちから声を掛けたじゃないか」

「…お前魔力なしの癖に偉そうに」

「偉そう?」

「代表になったからって…どうせ泣け無しの金で賄賂を贈ったんだろ?」

…なに言ってるんだこいつ

「話が無いのなら人を待たせているので、失礼します。」

エミリオを待たせてしまっている。

それに、これ以上話しているとイライラしそうだ

この場を去ろうと後ろを振り返った瞬間

ガシッと強く腕を握られる。

「…僕はお前を許さない…絶対に潰してやるから覚悟しとけ」

ボソリと呟やき、貴族は手を離し何処かに行った。

「なんだ、あいつ…」

捕まれた腕には、食い込んだ爪の跡がくっきりついていた。


エミリオと合流し、席を探す。

「おーい!イル、エミリオ!」

ぶんぶんと手を振りエンバートさんはヘラヘラと笑っている。

「マルゴー居ないから寂しかったんだー。一緒に食べようよー!」

エンバートさんは前の席をバンバンと叩いて僕達をせかす。

「マルゴーさんどうしたんですか?」

「あぁ先生に呼ばれてねー。すぐ来ると、あぁ来たわ。

マルゴー!こっちこっち!!」

マルゴーさんは猛スピードでこっちに来て


バシンッ


エンバートさんの頭を叩いた。

「痛いじゃないか!マルゴー!」

「うるさい、馬鹿。」


ゴスッ


今度はマルゴーさんは横腹を蹴った

それも爪先の方で…この人…ヤバイ

「ごめんなさい。ロット君、エミリオ君。

ちょっとこいつ黙らせてくるわね。」

にっこり笑ったマルゴーさんの周りは吹雪いてるかのよう

「…お待ちしてます。」

「先に食べてて。すぐに終わらせるから」

マルゴーさんは悶えて死人のエンバートさんをズルズルと引きずって食堂を出で行った。


「ロット君の腕凄いことになってるわね…」

あれから帰ってきた二人と一緒にご飯を食べる。

…エンバートさんの状態は…ご想像にお任せします。

マルゴーさんは、僕の腕の跡を見つけたようだ。

「あぁ…これは、腕を捕まれて」

明日までに治れば良いな

「随分強く握られたのね…誰に?」

「えっ…名前は知りません」

「「え?」」

…マルゴーさんに驚かれるのは分かるけど、エミリオ。君は何故だ。

「知らないって…自己紹介していないの?」

「してません。」

「…エミリオ君は分かってるの?」

「まぁ…一応。」

…また僕、やらかしてる?

「誰?」

エミリオはマルゴーさんに目を向けて答える

「ライド・ジェラルドです」

「あのジェラルド侯爵の…」

「二番目の息子になります」


ルクシュルージュが、ある大国において貴族は多数いる。

上から大公、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順番である。

大公は三人、侯爵は十人のみで構成されている。(伯爵以下は名誉を立てる等行えば爵位を貰えたりするので数は決まっていない。)

ジェラルド侯爵は、十人中四番目にあたる。

ここ最近、良い噂を聞かないとかで少し危ないらしい


…だから怒っていたのか。

僕は伯爵、彼は侯爵だから

「どうして腕を捕まれたの?」

「…いえ、特に何も」

「そう…いつでも相談にのるからね。」


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