40/48
第35章 塩谷夫妻の最期
塩谷夫妻は互いの手を強く握り合い、静かに庭を眺めた。春の花が咲き乱れる庭の中で、二人の時間はゆっくりと流れる。
「一緒にここまで来られて、本当に幸せだったね」
「ええ、あなたとなら怖くなかった」
二人は互いの目を見つめ、これまでの人生を振り返る。戦争の記憶、子供たちとの別れ、喜びと悲しみ。すべてを共有してきた人生を思い返すたび、涙が静かに頬を伝った。
最期の瞬間、二人は同時に目を閉じ、手を握ったまま、静かに息を引き取った。彼らの最期は、愛と連帯の象徴のようだった。




