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10章 夜の独白

1. 悟の独白




 中沢悟は、暗い天井を見つめながらベッドに横たわっていた。


 大学を辞めてから、時間が止まったような日々を送っていた。親には言えず、友人にも会わず、ただアパートの布団にくるまって過ごすだけ。


 「俺は何のために生きているんだろう」


 問いを繰り返しても答えは出ず、ただ無為な時間だけが過ぎた。




 けれど、この施設で翔子や光輝、塩谷夫妻と話すとき、自分の存在が薄っぺらいながらも「受け入れられている」と感じた。


 ――死ぬ前に、少しだけ人間らしくなれるのかもしれない。


 そんな考えが、悟の胸にかすかな温もりを残した。

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