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第23話 奇談散歩【79】そうめんばばあ( 香川県直島町 そうめん川 )

 直島に伝わる妖怪奇譚 ――

 山道に出現する妖婆で、そうめんを食べた人が付近を通りかかると、その腹を包丁で裂いて、腹中からそうめんを取り出して、川で漱いで食うという。

 江戸時代に法事の饗応でそうめんをごちそうになった僧侶を襲って以来、五・六十年毎に島民が襲われた。茶で口を漱いだ僧侶は難を免れたので、この島ではそうめんを食べたら必ず、茶を飲まなければならぬという言い伝えがある。

 また、≪ 妖婆がそうめんを川で漱いだので「そうめん川」と呼ばれるようになった ≫ と伝わる他、≪ そうめんばばあが裂いた腹から流れ出たそうめんが川になり「そうめん川」と呼ばれるようになった ≫ という伝承もある。

 他には、美女に化けた鬼や高入道(大入道)などが出現する話も伝わっているが、「そうめんを食べた人を襲って腹をさいてそうめんを食らう」のは同じ。



 瀬戸内海の離島で、今ではアートの島として有名な「直島」、

 「そうめんばばあ」所縁(ゆかり)の川「そうめん川」は、現在ほとんど埋め立てられているが、一部は ※ 崇徳天皇神社と御籠の間に現存して伝承を今に伝えている。


※ 保元の乱で、讃岐国に配流される途中に直島に立ち寄ったとされる崇徳上皇が御祀りされている神社。

 所在地:〒761-3110 香川県香川郡直島町積浦

 交通アクセス:宮浦港 バス 10分 「天皇下」バス停から徒歩5分


 少し前に「Twitter(X)」で話題になった「そうめんばばあ」お素麵を茹でて振る舞ってくれるばっちゃんとか、大阪の飴ちゃん配りおばちゃんの亜種かと思ったら、思いのほか怖い ……

 「Twitter(X)」では、

≪ 広島の民話で、飢饉のときに蕎麦を食べた坊主を襲って、腹から取り出した蕎麦を食べた侍の話を、思い出した。≫

≪ 郡上出身の教師に聞いた「その昔飢饉がありみんなが飢えていた際、有力者に呼ばれた客がそうめんをごちそうになった。人々は帰り道で彼らを襲って胃からそうめんを取り出し、よく洗って食べた」というのと似ていますね…。≫

≪ 大阪の陣の落武者とか飢饉の時の子守女みたいな、全国に分布する「腹が空いた奴が飯食った奴の腹裂いて飯にありつく話」と同系統なんだろう。≫

 ―― と、全国からいろいろな情報が寄せられていました。


 飢饉のときに人をとって喰う、ではなくて腹中の食物を奪う… というのは?

 食人譚にならないのが日本らしいと言えば、らしいような …

 とはいえ、鬼婆はストレートに人をとって食べているし?





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