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#2 月下の術師 2

 姿だけ人に似せた異形に眼球はないが、眼窩に相当する位置には骸骨のごとくうつろな空洞が開く。


 128の異形、256の虚無が凶ひとりへと一様に向けられる。


 存在しないはずの視線には、膨大な悪意、害意、殺意がこもる。


 その邪悪な意思を受ければ普通の小学生はもちろん、成人男女でも恐怖し錯乱し嗚咽号泣しておかしくない状況。


 だが、彼は普通の小学生ではない。


「――」


 凶は日本語で表記できない声をあげ、シャツの胸ポケットから右手で1本のチョークを取り出す。


 骨のように白く細いチョークを、さらに白く細い指が持つ。


 その指が目の前の空間に描くのは、子供でも一筆書きで簡単に描ける図形、五芒星ペンタグラム


 一筆書きを完成させると共に呪文を唱える。


「――」


 刹那、凶が描いたとおりの五芒星が空間に浮かび上がり、光を放つ。


 感情を持たないはずの異形たちが、動揺したかのようにびくりと震える。


 なおも光は激しさを増し、月光さえも打ち払わんばかり。


 閃光、呪文、振動。そして――。

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