お引越し
文章力皆無なのを理解しつつお読みください。
目の前には、築50年とは思えないほど綺麗なアパートが建っている。
不動産に勧められるがまま内覧もせずに契約したが正解だったかもしれない。
不動産に勧められるがままとは言うが、このアパートを契約した理由としては、通っている学校から徒歩五分の距離にあり、しかも近くにはスーパーやコンビニ、病院などとにかく立地がよく、家賃も月に二万と安いのも内覧もせずに契約した決め手でもある。
「それじゃあこれ鍵です。 お部屋のほうは、綺麗にしておりますので安心してお使いください」
「ありがとうございます! 本当にこんないい家を安く借りれるなんて夢のようです!」
鍵を受け取りにこやかに告げると、不動産の担当の方が何か言いたげな表情でこちらを見つめる。
「あの、これは独り言なんですが、もし夜中に視線を感じたり何か不可解なことが起きても、何も考えず、何にも触れずここは自分の家なのだと強く心の中で強く念じて下さいね」
一瞬何を言っているかわからなかったが、すぐに理解し担当の方に振り向くと、担当の方は逃げるように車に乗り込み去っていく所だった。
喉まで出かけた言葉を飲み込み、少し前の何も考えず契約した自分を殴りたい、そう思いつつも荷物も届いてしまっているため仕方なく渡された鍵を使い部屋に入ると、外観以上に綺麗な部屋が目の前に広がっている。
先に届いていた荷物で散らかっているように見えるが、それでも部屋の綺麗さのほうが目引く。
「いわくつき何だろうけど、こんな綺麗な部屋に住めると考えると少しは気がまぎれるな」
そんなことを呟きつつ、荷物を片付けようと、クローゼットを開く。
『あっ・・・・・・こんにちわ?』
クローゼットの中には、半透明の少女が正座しながら手に湯呑を持ち、目の前に立つ俺に困ったように笑いながら挨拶をしてくる、そんな不可解な光景が広がっていた。
読んで下さりありがとうございました