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タイムリープするお嬢様――二度目の婚約破棄はもう遅い。あなたが破滅する始まりです  作者: 御咲花 すゆ花
7話 アンネ・マクブライン

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63 義賊という不快(4)

 数日後の午後。

 キャサリンは手帳を机の上に広げていた。

 エマが整理した情報が、そこには端的にまとめられている。

 グリーンフィールド夫人の動き。

 ヒューゴの置かれた立場。

 アンネの周辺に出入りする人物。


「エマ、一つ確認させてちょうだい」


 顔を上げずにキャサリンが言う。

 部屋の端に控えていたエマが、静かに前に出た。


「夫人が次に仕掛けようとしていること、何かつかめた?」

「はい。少し込み入った話になりますが……」


 エマが手元の書類に目を落とした。


「夫人はレイチェル・ソーントン嬢との縁談を、ヒューゴ様に納得させる算段を立てているようです。ただ、ヒューゴ様がなかなか首を縦に振らないために、業を煮やしているようで……」


「アンネ嬢への嫌がらせは、その一環ということね」

「恐らくは。拠り所から切り崩すつもりなのでしょう。アンネ様の評判を少しずつ落とし、ヒューゴ様を諦めさせる。それと並行して、縁談の条件を整えていく形なのだと思われます」


 キャサリンは手帳を閉じた。


「レイチェル嬢はどんな方?」

「表向きの評判は穏やかです。ただ――」


 エマが一拍置いた。


「家の財政が、かなり苦しいようです。ここ数年で動きが大きく、使い道の不明瞭な出費も確認されています」


「……。独自の蓄財をしているのかもしれないわね」

「そう疑っています。ただ、まだ確証は取れていません」

「引き続き調べておいて」


 エマが一礼して下がろうとすると、キャサリンが思い出したように声をかける。


「それともう一つ。アンネ嬢に会いに行くわ。自然な形で場を作れるかしら」

「すでに考えております」


 侍女が振り返る。

 その表情はいつもと変わらないが、用意が整っているということだけははっきりと伝わってきた。


「フィリップ様が懇意にしている音楽家の方がおります。その方を通じてならば可能でしょう。後援者として繋いでもらう形であれば、不自然ではございません」

「お願いするわ」


 キャサリンが窓の外に目をやった。

 雪曇りの空だ。

 今日あたりにまた降り出しそうだと思っていたら、案の定、白いものがちらつきはじめた。

 コメントまでは望みませんので、お手数ですが、評価をいただけますと幸いです。この後書きは各話で共通しておりますので、以降はお読みにならなくても大丈夫です(臨時の連絡は前書きで行います)。

 次回作へのモチベーションアップにもつながりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。(*・ω・)*_ _)ペコリ

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