第152話 朝便は戻るまで
朝。入口は暗いまま。箱壁も返却棚も灯りも触らない。外変化0。
返却棚に三箱。
一番。本人。異常0。
二番。本人。異常0。
三番。本人。異常0。
物理箱3。
朝値変更0。
前日予約0。
今日の使用要求は六件。
補修班内1。
東通りの金具工房1。
馬具工房1。
木工房1。
染料工房1。
車輪工房1。
フィン 綺麗に二便分。
ミナ 午前3、返却3、再数して二便目3。
ゼフ 全部準備済み。
ブラント 昨日のように、途中で使用0へ変わりそうな場所もありません。
フィン なら近い三つを朝に出せばいい。
レイナ 違う。
フィン 補修班、金具、染料。入口から近い順。
レイナ 染料は長い。
ミナ 箱が戻るまで?
レイナ うん。
ゼフ 朝便は届けるまでじゃない。
レイナ 戻るまで。
ミナが紙を一枚だけ置く。外から見えない位置。理由は書かない。
午前便は本人返却まで終わる作業 距離だけの順番0 使用待ち0 説明無し
フィン 今日の進捗は、それか。
レイナ うん。
ミナ 近くても、作業に時間が掛かれば箱が昼まで寝る。
ゼフ 少し遠くても、使ってすぐ戻るなら午前便に向く。
レイナ 往復で一便。配達だけで数えない。
フィン 前に決めた話を、朝の行き先にも使う。
レイナ そう。
六件の準備は、すべて終わっている。
だが箱が着いた後の時間は違う。
補修班内。
作業は扉の留め具一つ。
中身を使えば短い。
返却も内側。
往復が最も短い。
東通りの金具工房。
作業は細い軸を三本。
箱の中身を使った後、締まりを見るために少し置く。
距離は近い。
だが箱を戻せるのは昼過ぎ。
染料工房。
桶の蓋は外してある。
中身も空。
ただし補修した留め具を一度濡らし、膨らみを確かめてから箱を戻す。
近いが長い。
馬具工房。
荷馬車用の革帯一組。
金具を替え、革を締めれば終わる。
距離は中ほど。
作業は短い。
車輪工房。
市場の反対側。六件で最も遠い。
だが軸受けは外してあり、新しい部品も作業台にある。
中身を使ってはめ直すだけ。
帰りは女商人の巡回路へ載せられる。
木工房。
距離は少し遠い。
戸棚の留め具一つ。
木は乾いている。
金具を付ければ終わる。
フィン 補修班、馬具、車輪。
レイナ うん。
ミナ 距離だけなら車輪は最後。
ゼフ 本人返却までなら車輪が三番目。
ブラント 木工も短いですが、帰りの市場荷物が昼過ぎです。
レイナ 二便目候補。
フィン 届ける速さじゃなく、戻る速さで朝便を作る。
レイナ うん。
入口の外で、地面を擦る音がした。
左肩が擦れた男が、白い粉で市場の道を描いている。
入口を中心に円が三つ。
一番近い円に補修班。
次の円に金具工房と染料工房。
外側に馬具、木工、車輪。
左肩の男 誰でも分かる順番を作った。近い場所から出せ。
レイナ 距離順0。
男 運搬時間が短いほど効率がいい!
フィン 配達までならな。
男 箱は工房へ届けば役目を果たす!
レイナ 戻るまで。
男 使用後の返却は別の便だ!
ミナ 箱は戻らなければ次へ使えない。
男 なら返却だけ別に数えろ!
レイナ 一箱の往復で一便。
男 近い三工房なら、返却も近い!
ゼフ 作業時間が長い。
男 工房へ着いた時点で中身を出し、箱だけ先に返せばいい!
レイナ 同便早戻りは再発行0。
フィン そこはもう終わった話だ。
男 中身を移しても使用は始まっている!
レイナ 箱だけ走らせる先取り0。
男 何をしても0と言うな!
ミナ 同じ席へ座ろうとするから。
左肩の男が円の内側へ三枚の札を置く。
近一。
近二。
近三。
補修班。
金具工房。
染料工房。
男 この三件なら、運搬の総距離が最小だ!
レイナ 札0。
男 数字で見ろ!
ブラント 片道距離だけなら最小です。
男 認めたな!
ブラント 本人返却までの時間は最長になります。
男 何?
ブラント 金具と染料が昼まで箱を使用します。三箱が揃うのは午後です。
ミナ 二便目が遅れる。
ゼフ 残り三件が終業へ寄る。
レイナ 総使用は減る。
男 工房へ早く届ける方が大事だ!
フィン 近所の二箱を昼まで寝かせて、遠い三件を待たせるのか。
男 寝かせるとは何だ!作業に使っている!
レイナ 使うことは悪くない。朝便には長い。
男 長い仕事を後回しにすれば、終わるのも遅くなる!
レイナ 二便目で終業までに戻る。
ブラント 金具も染料も、午後から始めても当日中に本人返却可能です。
男 保証は!
レイナ 保証0。無理なら翌朝。
男 またそれか!
レイナ 毎日同じ。
左肩の男は近一、近二、近三の札を入口へ運ぼうとする。
ユハが一歩動く。
札三枚を並べる幅が消える。
ユハ 置く場所0。
男 地面に置くだけだ!
ユハ 通行は向こう。
男 この入口は何も置けないのか!
レイナ 箱が通る。
フィン 一番大事な物は置けてるな。
ミナ 椅子以外。
午前便が決まる。
一番。補修班内。
二番。馬具工房。
三番。車輪工房。
左肩の男 車輪工房は一番遠い!
レイナ 帰り便あり。
男 女商人を待つ時間がある!
女商人 待ちません。
市場側から女商人が来た。
荷車には布袋が二つ。
車輪工房近くへ運ぶ商品。
女商人 行きは三番と市場荷物。車輪工房で荷を下ろし、別の荷物を受け取って戻ります。作業が終わっていれば三番も戻す。
フィン 終わってなかったら?
女商人 箱を待たず、別荷だけで帰ります。三番の返却は工房側が別に手配。
レイナ 箱待ち0。
女商人 運賃は行きと帰りを別にします。
ミナ 往復が別の運送人でも箱の便は一つ。
レイナ うん。
左肩の男 帰りが別なら、返却時間は確定しない!
女商人 あなたは確定料金を払いますか。
男 なぜ俺が!
女商人 では、私と工房で決めます。
フィン 最近、これだけで終わるな。
女商人 便利です。
子供便が二番を持つ。
子供 二! 馬具!
レイナ 速歩き。
子供 終わり!
一番は補修班内。
三番は女商人の荷車。
午前便3が出る。
左肩の男は白い円の中心に立ったまま。
近い金具工房と染料工房には箱が行かない。
遠い車輪工房へ三番が向かう。
男 遠くへ箱を送って、近い工房を待たせている!
金具工房主 うちは午後でもいい。
染料工房主 こっちも今日中なら問題ない。
男 お前たちは効率を理解していない!
金具工房主 軸を締めた後、少し置く。朝に始めても昼まで箱は返せん。
染料工房主 こっちは濡らして確認する。近いから早く終わるわけじゃない。
フィン 工房主が自分で説明してくれた。
レイナ こっちは説明0。
ミナ 外が勝手に燃えずに消した。
男 作業時間を短くしろ!
金具工房主 締まりを見ずに返すのか。
染料工房主 膨らみを見ずに蓋を付けるのか。
男 箱だけ先に返せば、
二人の工房主 それはもう駄目だろ。
声が揃う。
フィン 広がってるな。
レイナ 良い変化。
補修班内。
一番の中身を使い、扉の留め具を直す。
作業は短い。
ゼフが確認する。
留め具動作1。
異常0。
一番は本人返却。
ゼフ 一番。午前返却1。
レイナ 再発行0。
馬具工房。
二番が届く。
革帯は作業台。
古い金具は外してある。
馬具工房主 二番、受け取った。
子供 二! 終わり!
中身を使い、新しい留め具を通す。
革を締める。
余りを切る。
馬具工房主 終わった。
若い職人 もう返しますか。
工房主 使い終わった箱は返す。急ぐためじゃない。
若い職人 早く返せば次に有利になるのでは。
工房主 ならん。
若い職人 市場では、午前返却の早い工房が次も、
レイナ 権利0。
工房主 聞こえただろ。
若い職人 いつの間に。
フィン 最近は工房主も気にしない。
馬具工房主が、別の市場荷物を持つ若い職人へ二番を渡す。
工房主 二番、返却棚へ。
若い職人 二! 返却!
フィン 子供便が伝染してる。
レイナ 速歩き。
若い職人 終わり!
二番が返却棚へ戻る。
ゼフ 二番。本人。午前返却2。
レイナ まだ。
残る三番は車輪工房。
最も遠い。
左肩の男が一番と二番を見る。
左肩の男 だから遠い工房を選ぶなと言った!二箱が戻っているのに、三番を待っている!
レイナ 午前便終了前。
男 近い金具と染料なら、もう三箱戻っていたかもしれない!
ブラント 作業時間があるので戻っていません。
男 やってみなければ分からない!
金具工房主 俺が分かる。
染料工房主 俺も分かる。
男 お前たちは作業を遅く見積もりすぎだ!
レイナ 外が作業時間を決めない。
男 急げば短くなる!
ミナ 急ぎで補修不良1が生えたら、補修費と再便。
ゼフ 数字が増える。
レイナ 遅い方が小さい時もある。
車輪工房。
女商人の荷車が到着した時、軸受けはすでに外されている。
三番を作業台へ置く。
車輪工房主 三番、受け取った。
女商人 私は別荷を下ろします。作業はどれくらいですか。
工房主 それが終わる頃には終える。
女商人 では帰りも載せます。
三番の中身を使う。
軸受けをはめる。
留め具を締める。
車輪を一度回す。
一周。
二周。
傾き0。
車輪工房主 終わり。
女商人 ちょうど荷も下ろしました。
工房主 三番、返却。
女商人 本人返却を運びます。
待ち0。
荷車は別の市場荷物を一つ受け取り、入口へ戻る。
遠い。
だが工房で止まらない。
帰りも空荷ではない。
三番が返却棚へ落ちる。
ゼフが底内側の斜め木目と角擦れを確かめる。
ゼフ 三番。本人。
ミナ 午前返却3。
レイナ 午前便終了。
太陽は、まだ高い。
左肩の男が白い円を見る。
近一の補修班。
外側の馬具。
最外の車輪。
距離だけなら歪な三件。
だが本人返却3は、近い三件を選ぶ想定より早く揃った。
フィン 遠い三番が最後だったけど、昼前だ。
ミナ 金具と染料なら、今も使用中。
ゼフ 距離より作業待ちが長かった。
レイナ 朝便は戻るまで。
残作業を再数する。
金具工房1。
染料工房1。
木工房1。
準備済み3。
二便目3。
一番。金具工房。
二番。染料工房。
三番。木工房。
左肩の男 近い二件を二便目へ回しただけだ!順番を逆にした意味があるのか!
レイナ 二便目を早く始められた。
ブラント この時間なら、三工房とも終業前返却が可能です。
男 朝に始めていれば、作業自体はもっと早く終わった!
金具工房主 箱は昼まで戻らなかった。
染料工房主 同じだ。
木工房主 俺の所へ夕方しか来なかった可能性もある。
フィン 三箱が揃わないと二便目は開かないからな。
レイナ 全体の終了が遅くなる。
男 長い作業を後へ回すのは危険だ!
レイナ 終業までに戻る数字。
ミナ 無理なら翌朝。
男 そればかりだ!
フィン 壊れない答えだからな。
二便目が出る。
一番は金具工房。
一番の中身を使い、細い軸を締める。
その後、動かさず置く。
金具工房主 箱は作業が終わるまでここだ。
若い職人 中身を出したら返しては?
工房主 締まりを見るまでが使用だ。
レイナ 正解。
若い職人 今日は数えないんですか。
レイナ みんな気にしすぎ。
二番は染料工房。
蓋留めを直す。
一度水へ触れさせる。
木の膨らみを見る。
染料工房主 急がない。時間はある。
左肩の男 早く戻せば、
工房主 お前は帰れ。
男 まだ何も、
工房主 言うことは同じだ。
三番は木工房。
乾いた戸板へ留め具を取り付ける。
開閉を二回。
引っ掛かり0。
木工房主 三番、使用終了。
若い職人 返却してきます。
工房主 別荷と一緒に。箱だけのために走るな。
レイナ 正解。
若い職人 何回目です?
工房主 数えるなと言われるぞ。
レイナ 学習。
三番が最初に戻る。
二便目返却1。
一番と二番は、作業確認中。
左肩の男が三番を指す。
左肩の男 三番だけ戻った!三便目へ車輪工房を、
全員 第三便0。
レイナ。
ミナ。
ゼフ。
フィン。
木工房の若い職人まで同時に言った。
左肩の男が止まる。
フィン ついに外まで混ざった。
レイナ 良い変化。
若い職人 正解ですか。
レイナ それは正解。
少しして一番が戻る。
金具工房。本人返却。
最後に二番。
染料工房。本人返却。
二便目返却3。
物理箱3。
当日使用6。
本人返却6。
夜間延長0。
第三便0。
夕方。ブラントが市場から戻る。
ブラント 近距離順の話は止まりました。
レイナ 数字は。
ブラント 朝要求6。距離順要求3。近距離札3。採用0。
ミナ 午前便。
ブラント 補修班1、馬具1、車輪1。使用3、本人返却3。
ゼフ 再数後。
ブラント 金具1、染料1、木工1。二便目3、本人返却3。
フィン 終了時刻は?
ブラント 夜間延長0です。
レイナ 時刻は板へ出さない。
ブラント はい。数だけです。
ミナ 外の噂は。
ブラント 近い順より、戻るまで短い作業を朝へ入れた方が二便目が早い、へ変わっています。
レイナ 説明0。
ブラント 工房主たちが勝手に説明しています。
フィン こっちより詳しくなりそうだな。
レイナ 席を作らなければいい。
領主へ数字だけ。
ブラント 物理箱3。朝要求6。午前使用3・返却3。二便目使用3・返却3。距離順要求3は採用0。
領主 最も遠い車輪工房を午前へ入れたのか。
レイナ 作業短い。帰り荷あり。
領主 近い金具と染料は。
ミナ 作業確認が長いため二便目へ。終業前に返却済みです。
領主 良い。距離が短くても、箱が工房で寝れば遠いのと同じだ。
レイナ 正解。
領主 六回。
フィン 今日の使用6ですね。
領主 今日は最初から合わせた。
ミナ 成長した。
領主 お前たちは私を何だと思っている。
レイナ 補修不能。
領主 その話は前にも聞いたぞ。
フィン 補修歴1。現在異常あり。
領主 等級を付けるな。
領主は眉間を押さえながら帰った。
夜。灯りは二基。低く地味に足元だけ。入口は照らさない。外変化0。
物理箱は三つ。
一番。午前1、二便目1。異常0。
二番。午前1、二便目1。異常0。
三番。午前1、二便目1。異常0。
当日使用6。
本人返却6。
近距離札なし。
配達順表なし。
作業時間表なし。
距離優先なし。
第三便なし。
穴札12は腰袋のまま。
朝値変更0。
補修班の許可段+1もそのまま。
近い場所へ先に届ければ、配達は早い。
だが箱が作業台で長く止まれば、次の便は遅くなる。
朝便は、届けた時に終わらない。
使い終わり、同じ箱が返却棚へ戻った時に一便が終わる。
俺は板に一行だけ残した。
距離順要求3・近距離札3を採用0にし、返却まで短い午前使用3・本人返却3から二便目3へ繋いで当日使用6・返却6を揃えた。
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