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現代の効率厨、異世界で生産と経営を回して気づいたら領主の右腕  作者: てへろっぱ


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150/210

第150話 三便目は明日



朝。入口は暗いまま。箱壁も返却棚も灯りも触らない。外変化0。


返却棚に三箱。


一番。本人。異常0。

二番。本人。異常0。

三番。本人。異常0。


運用箱3。

朝値変更0。

昨日の二便目は終了済み。


入口の外には、昨日より多くの工房主がいた。


補修班。

金具工房。

革具工房。

鋳物工房。

木工房。

染料工房。


さらに、荷車の車軸を扱う車輪工房。


当日使用要求7。


フィン 昨日は六、今日は七。

ミナ 二便でも最大6。

ゼフ 一つ残る。

ブラント 市場では、三便目を出せば全部終わると言われています。

レイナ 出さない。

フィン まだ朝だぞ。

レイナ 進捗、一つ。三便目は明日。


ミナが紙を一枚だけ置く。外から見えない位置。理由は書かない。


当日便は最大2 第三便0 残作業は翌朝再数 夜間延長0 説明無し


フィン 二便目も確約しないのに、三便目は先に0と決めるのか。

レイナ 終わりが必要。

ミナ 二便目が戻った後まで開けると、夜になる。

ゼフ 箱だけじゃない。子供便、運送人、工房も終われない。

レイナ 使える時間を全部埋めない。

フィン 効率厨が余白を残すのか。

レイナ 明日も回すから。


三箱を一日三回使えば、最大9か所へ届く。


数字だけなら強い。


午前3。

二便目3。

三便目3。


箱を増やさず、要求7も処理できる。


だが三便目を認めれば、八件目が来る。

九件目が来る。


九件終われば、四便目を求められる。


まだ灯りがある。

運べる人がいる。

工房も開いている。


あと一つだけ。


その一つが、毎日終わらなくなる。


フィン 箱が戻る限り、何回でも回せるって話になる。

ミナ 早戻り競争が別の形で復活する。

ゼフ 二便目を早く終えた工房が、三便目を生やす。

レイナ 箱の速さで終業を壊さない。

ブラント 工房にはどう返しますか。

レイナ 午前便3。本人返却3後に残作業を再数。二便目最大3。残りは翌朝。

フィン 七番目が誰になるかは、朝に決めない。

レイナ うん。

ミナ 二便目も残作業次第。

レイナ うん。


午前便を決める。


補修班内1。

東通りの金具工房1。

革具工房1。


近い三つ。


残りは鋳物、木工、染料、車輪。


四工房とも今日の作業を持っている。


鋳物工房は、冷えた型枠。

木工房は、乾燥済みの戸板。

染料工房は、昨日空けられなかった桶。今日は中身0。

車輪工房は、荷車の軸受けを外して作業台へ置いている。


フィン 今日は四つとも本物だな。

ブラント 箱が着けば使えます。

ミナ 二便目は最大3。

ゼフ 一つ残る。

レイナ 残るのは悪くない。

フィン 揉めるぞ。

レイナ 選ぶ席を作らない。午前返却後に距離と作業時間で見る。


入口へ、長い棒を持った男たちが来る。


昨日の時刻表ではない。


棒の先に鐘。


一便目が出た時。

戻った時。

二便目が出た時。

戻った時。


鐘で知らせるつもりらしい。


その後ろに左肩が擦れた男。


左肩の男 今日は要求7だ。三便目まで時間を測る。

レイナ 第三便0。

男 まだ出せるか分からないだろ!

レイナ 出さない。

男 日が残っていても?

レイナ 0。

男 箱が三つとも戻っても?

レイナ 0。

男 工房が待っていても?

レイナ 明日。

男 今直せる物を一晩放置するのか!

フィン 壊れた物は逃げない。

男 仕事が遅れる!

ミナ 納期は工房が決める。

男 客が困る!

レイナ 今日中と約束した工房は。

ブラント 0です。四工房とも明日まで。

男 今日終われば喜ぶ!

レイナ 喜びで夜便を増やさない。


男が鐘を鳴らそうとする。


ユハが棒の先へ手を触れず、立てる角度だけを消す。


ユハ 通行は向こう。

男 便の時刻を知らせる鐘だ!

ユハ 置く場所0。

男 持ったまま鳴らす!

レイナ 外の鐘。関係0。

フィン 鳴っても箱は動かないぞ。

男 工房が準備できる!

ミナ 箱を待たずに準備する。

男 戻り時間を測れば、三便目が可能か分かる!

レイナ 可能でも0。

男 なぜだ!

レイナ 終わるため。

男 説明になっていない!

レイナ 説明無し。


鐘は鳴らされなかった。


鳴らしても意味がないと分かった若い男たちが、棒を寝かせる。

地面へ置けば邪魔になる。


結局、持ったまま市場側へ戻る。


午前便が出る。


子供 いち!

子供 に!

子供 さん!

レイナ 午前便。速歩き。

子供たち 終わり!


三箱が流れる。


左肩の男は残り四工房へ走る。


三便目を必要とする工房を作るためではない。


四工房すべてに、今日中の完了を約束させるためだ。


最初は車輪工房。


車輪工房主は、荷車の軸受けを磨いている。


左肩の男 今日中に直せるな。

車輪工房主 箱が来ればな。

男 三便目まで出る。客へ今日返すと言え。

工房主 誰が出ると言った。

男 要求が七件ある。三箱を三回使えば余るくらいだ。

工房主 箱の話は知らん。

男 今日返せば客も喜ぶ。追加料金も取れる。

工房主 もう明日の朝と伝えてある。

男 早く返せると言い直せ。

工房主 遅くなる可能性がある約束は変えん。

男 三便目が来れば終わる!

工房主 来てから考える。

レイナ 正解。

工房主 どこにいた。

レイナ 数を見に来た。

フィン 最近もう誰も驚かなくなったな。


左肩の男 便を出さない側の言葉を信じるな!

車輪工房主 お前は出す側なのか。

男 市場全体の効率を、

工房主 出す側じゃないなら帰れ。


車輪工房の納期は明朝のまま。


次は染料工房。


桶は空。

蓋留めも外してある。


左肩の男 今日は準備が終わっている。夕便で来なければ三便目を要求しろ。

染料工房主 夕便で来るとは聞いてない。

男 残り四件だ。夕便は三つ。お前が外れる可能性がある。

工房主 なら明日だ。

男 昨日も明日にしただろ!二日待つことになるぞ!

工房主 昨日は桶が空かなかった。こちらの都合だ。

男 今日は使える!

工房主 使えることと、今日届くことは別だ。

レイナ 正解。

染料工房主 今日はいたのか。

レイナ いた。

フィン 扱いが雑になってる。


男 昨日待った工房を優先しないのか!

レイナ 昨日の待ちは昨日。

男 不公平だ!

ミナ 予約0。繰越優先0。

男 二日待っている!

工房主 昨日は待ってない。作業が出来なかっただけだ。

レイナ 本人が言った。終わり。


優先席も生えない。


木工房。


昨日乾かなかった木は、今日は乾いている。


若い職人が金具を並べている。


左肩の男 昨日の夕便を逃した。今日は必ず二便目に入れろ。

若い職人 昨日の札代も返ってきてません。

男 だから今日は優先だ!

木工房主 その話は別だ。

男 便が来れば今日終わる!

工房主 来なければ明日終わる。

男 客へ今日と伝えろ!

工房主 伝えん。

若い職人 でも、昨日から一日遅れてます。

工房主 昨日は乾かなかった。無理に金具を付ければ、また外れる。

若い職人 ……はい。

工房主 箱の都合で木を急がせるな。

レイナ 正解。

工房主 今日は二回目だな。

フィン そっちも数えてる。

レイナ 数えなくていい。


最後は鋳物工房。


型枠は冷え、準備も終わっている。


鋳物工房主は左肩の男が来る前に言った。


鋳物工房主 三便目の話なら要らん。

左肩の男 まだ何も言ってない!

工房主 鐘を持って歩いてれば分かる。

男 今日中に終えられる。

工房主 二便目ならやる。無ければ明日。

男 三便目を要求しろ!

工房主 夜まで仕事を延ばしたくない。

男 まだ明るい!

工房主 明るいうちに片づけたい。

男 仕事があるのに休むのか!

工房主 明日も仕事があるから休む。

レイナ 正解。

工房主 三回目だ。

レイナ だから数えなくていい。

フィン 広がってるな。


四工房とも、三便目を要求しなかった。


左肩の男だけが、今日中を必要としている。


昼過ぎ。


一番が戻る。


補修班内。本人返却。


ゼフ 一番。午前返却1。

レイナ 再発行0。


次に二番。


金具工房。本人返却。


ゼフ 二番。午前返却2。

レイナ まだ。


三番が遅い。


革具工房の作業が長いわけではない。


帰りの運送が、別荷物の受け渡しで少し遅れている。


左肩の男が二箱を見る。


左肩の男 二つ戻った!残り四工房のうち二つへ出せ!

レイナ 午前便終了前。

男 三便目を出さないなら、早く二便目を始めろ!

ミナ 早い返却を権利にしない。

男 今日の時間が減っている!

レイナ 減る。

男 それでは三工房しか夕便に入らない!

フィン 元から最大3だ。

男 残り一つが明日になる!

レイナ うん。

男 分かっていて待つのか!

レイナ うん。

男 非効率だ!

レイナ 終業を守る方が長く回る。


男は一番を指す。


左肩の男 補修班は近い!戻った一番を車輪工房へ出し、次にまた戻せば三便目ではない!

ミナ 何便?

男 夕便の先行だ!

フィン 名前を変えただけの三便目だろ。

レイナ 午前便終了前の再発行0。

男 なら二便目を二回に分ける!

レイナ 第三便0。

男 言葉遊びを、

レイナ そっちが始めた。


三番が戻る。


女商人の荷車。


女商人 三番。革具工房から本人返却。

ゼフが木目と角擦れを確認する。


ゼフ 三番。本人。

ミナ 午前返却3。

レイナ 午前便終了。


三箱が揃う。


残作業を再数する。


鋳物1。

木工1。

染料1。

車輪1。


四つとも準備済み。

四つとも明朝までの納期。


フィン 本当に4残った。

ミナ 二便目最大3。

ゼフ どれを明日にする。

レイナ 作業時間と帰路。

ブラント 鋳物は短い。木工も短い。染料は少し長い。車輪は一番長いです。

フィン 長い車輪を明日に?

レイナ うん。今から始めると返却が夜になる。

ミナ 残り三つは当日返却可能。

レイナ 鋳物、木工、染料。


車輪工房だけ翌朝。


優先札では決めない。

昨日待った順でもない。

声の大きさでもない。


今から始めて、今日の流れを閉じられるか。


それだけ。


ブラントが車輪工房へ伝える。


車輪工房主 明日の朝か。

ブラント 確約ではありません。朝の使用数で再確認します。

工房主 軸受けは外してある。明日も使う。

レイナ 朝に数える。

工房主 分かった。今日は車輪を磨いて終わる。

左肩の男 三便目なら今日終わるぞ!

工房主 もう片づける。

男 客が待っている!

工房主 明日の朝と伝えてある。

男 追加料金を取れる!

工房主 お前が欲しいのは俺の追加料金か、三便目の実績か。

フィン 刺した。

レイナ 正解。

工房主 四回目。

レイナ 増やさないで。


二便目が出る。


一番。鋳物工房。

二番。木工房。

三番。染料工房。


女商人の荷車には一番と三番。

別の市場荷物と一緒に運ぶ。


二番は木工房の若い職人が取りに来た。

工房へ戻る別荷物がある。


女商人 一番、鋳物。三番、染料。

ミナ 途中保管。

女商人 0。

ゼフ 返却。

女商人 個別。満載待ち0。

レイナ 終業まで。

女商人 遅れそうなら?

レイナ 無理に待たない。工房から別便か翌朝。

女商人 往復を完成させたいのですが。

レイナ 夜へ伸ばさない。

女商人 運賃より終業。

レイナ うん。

女商人 商人には難しい判断です。

フィン 追加料金を取りたくなる?

女商人 当然です。

レイナ 取ってもいい。箱を夜まで待たせない。

女商人 工房が別の帰り便を選ぶ可能性を受け入れろと。

レイナ うん。

女商人 分かりました。行きの運賃は受け取っています。


木工房の若い職人も二番を持つ。


若い職人 二番。木工房。

レイナ 速歩き。

若い職人 子供便みたいですね。

フィン 終わり、まで言えば完璧だ。

若い職人 終わり!


二便目3が流れる。


左肩の男が鐘を持つ若者たちへ叫ぶ。


左肩の男 三便目の準備をしろ!二便目が戻り次第、車輪工房へ一箱!

レイナ 第三便0。

男 まだ日がある!

鋳物工房主 こっちはこれから使う。

木工房主 戻る頃には片づけだ。

染料工房主 うちは少し掛かる。

車輪工房主 俺は明日でいい。

男 本人たちが効率を理解していない!

女商人 本人が要らない仕事を、誰へ売るのです?

男 領地全体の生産性だ!

フィン 誰も買わない商品名みたいになったな。

ミナ 外要求1。成立0。

レイナ 終わり。


二便目の作業は順に終わる。


鋳物工房。


一番返却。

別の荷車が通り、返却棚へ直行。


木工房。


二番返却。

若い職人が市場への帰りに運ぶ。


染料工房は最後。


桶の蓋留めを直し、取り付けを確認する。


日が低くなる。


女商人が戻ってくる。


染料工房主 三番。使い終わった。

女商人 返却棚まで。

工房主 夕方料金は。

女商人 最初の額に含めました。今日は別荷があるので。

工房主 珍しいな。

女商人 毎回取れる所から取ると、次の仕事が減ります。

レイナ 商人。

女商人 褒め言葉として受け取ります。


三番が返却棚へ戻る。


ゼフ 三番。本人。

ミナ 二便目返却3。

レイナ 当日終了。


まだ完全な夜ではない。


空は少し明るい。

車輪工房も作業台を片づけ終えたところ。


箱は三つ揃っている。


左肩の男が一番へ手を伸ばす。


左肩の男 まだ間に合う!車輪工房へ一箱出せ!

車輪工房主 もう片づけた。

男 出せば再開できる!

工房主 再開しない。

男 客が、

工房主 明日と言ってある。

男 箱は戻ったぞ!

レイナ 当日便終了。

男 日没前だ!

レイナ 第三便0。

男 たった一件だ!

レイナ その一件が毎日来る。

男 今日は特別だ!

ミナ 特別便0。

男 緊急だ!

ゼフ 明朝納期。緊急0。

男 工房主が望めば、

車輪工房主 望まん。帰れ。


男が周囲を見る。


誰も三便目を待っていない。


工房は片づけへ入っている。

運送人は今日の運賃を数えている。

子供たちはとっくに帰った。


箱だけが三つ、静かに揃っている。


動かせることと、動かすべきことは違う。


左肩の男は鐘を一度だけ鳴らした。


乾いた音。


誰も動かない。


レイナ 外鐘1。運用0。

フィン 最後に数字だけ残ったな。

ミナ 鳴らした人が持ち帰る。

レイナ うん。


鐘を持った若者たちは、棒を肩へ載せて帰る。


三便目は生まれなかった。


夕方。ブラントが市場から戻る。


ブラント 今日の数字です。

レイナ うん。

ブラント 朝使用要求7。午前便3、本人返却3。残作業再数4。二便目3、本人返却3。翌朝候補1。

ミナ 三便目要求は。

ブラント 3です。先行便、分割二便、特別便と名前を変えています。すべて成立0。

フィン 鐘は?

ブラント 外鐘1。運用0。

ゼフ 夜間延長。

ブラント 0。三箱とも異常0です。

レイナ 朝値。

ブラント 変更0。二便目も同じ。

ミナ 車輪工房は。

ブラント 明朝の使用候補1。ただし予約ではありません。

レイナ 朝に再数。


ブラント 市場では、七件あって六件しか終わらせなかった、という話と、六件を当日処理した、という話に割れています。

フィン 同じ数字でも言い方で変わるな。

レイナ 説明0。

ブラント 板には使用6、返却6だけ。

レイナ 翌朝候補1も内側。

ブラント 了解です。


領主へ数字だけ。


ブラント 物理箱3。朝要求7。午前使用3・返却3。二便目使用3・返却3。第三便要求3は成立0。夜間延長0。

領主 残り一件は。

レイナ 車輪工房。明朝納期。

領主 今日やらなければ損は。

ブラント 0です。

領主 なら終われ。

フィン 箱はもう戻っています。

領主 戻った箱まで働かせ続けるな。人も同じだ。

ミナ 二便を上限にします。

領主 良い。余力を全部使う者は、次の日に余力が無い。

レイナ 正解。

領主 六回。

フィン 今日の使用6に合わせた?

領主 当然だ。

ミナ 初めて根拠が一致した。

レイナ 成長。

領主 私ではなく、お前たちの理解が追いついたのだ。


領主は少しだけ満足そうに帰った。


夜。灯りは二基。低く地味に足元だけ。入口は照らさない。外変化0。


物理箱は三つ。


一番。午前1、二便目1。異常0。

二番。午前1、二便目1。異常0。

三番。午前1、二便目1。異常0。


当日使用6。

本人返却6。


第三便なし。

特別便なし。

先行便なし。

分割二便なし。

夜間延長なし。

終業鐘なし。


穴札12は腰袋のまま。

朝値変更0。

補修班の許可段+1もそのまま。


三箱は、まだ動かせた。


人も、まだ働けた。


だが、動ける限り動かし続ければ、終わる時間は外から消える。


一日の効率は、最後の一件まで詰めることではない。


明日も同じ流れを、同じ速さで始められるところで止める。


俺は板に一行だけ残した。

物理箱3を午前3・二便目3で当日使用6・本人返却6へ揃え、第三便要求3と夜間延長1を成立0にして残作業1を翌朝へ戻した。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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