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現代の効率厨、異世界で生産と経営を回して気づいたら領主の右腕  作者: てへろっぱ


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130/210

第130話 型取りは0

朝。入口は暗いまま。箱壁も返却棚も灯りも触らない。外変化0。

補修班返却3、止まりなし。机は空。空の机は座れない。

ゼフが腰袋を内側に押さえたまま、手の中でだけ札を揃える。見せない。並べない。数える姿を餌にしない。


フィン 昨日は貸せ、今日は何で来る。

ミナ 借りない。写す。

ゼフ 型取り。

レイナ 進捗、一つ。型取りは0。


ミナが紙を一枚だけ置く。短い条件文。理由は書かない。

型取り具は0(凍結) 腰袋へ接近0 机出し無し 説明無し 質問無し


フィン 型取り具って何でも入るな。

レイナ 入れる。0。

ミナ 同文で終わる。

ゼフ 札は腰袋から出さない。

ユハが入口側で幅を殺す。止まれる距離が消える。覗ける角度も消える。腰に寄る線が死ぬ。


昼。いつも通り。

子供便は三つ。番号だけ。速歩き。終わり。

補修班返却も三つ。まとめ落とし。終わり。

腰袋は動かない。机に出ない。数だけが盾。


子供 いち!に!さん!

ミナ 三つ。番号だけ。

レイナ 速歩き。

子供 終わり!

フィン 平和に見える日ほど、余計な紙が来る。

レイナ 紙じゃない。粉でもない。薄い。


午前の半ば。左肩が擦れた男が来た。今日は手ぶらに見える。手の中身だけが軽い。

指の間に薄紙。掌に小さい炭。腰袋の上からこすれば穴の位置が出る、って顔。


左肩の男 札は見せないなら、写すだけだ。腰を貸せ。

フィン 貸せって言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 0。

男 触らねえ。写すだけだ。

レイナ 型取り。0。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男は薄紙を一枚、作業台の一枠へ置こうとする。置けば窓口になる。窓口は口を増やす。

ユハが一歩だけ位置を変える。一枠の前の幅が死ぬ。置くなら置いて去るしかない角度。


ミナ 置いて。離れて。

男 離れるのはお前らだ。

レイナ 置いたら0。

男 ふざけるな!


薄紙は置かれた瞬間、凍結送りへ滑る。読む前に寝る。見る前に寝る。材料にならない。

ゼフは手で取らない。足先で流れの外へ押し出すだけ。責任を生やさない。


ゼフ 型取り具1。0。

ミナ 数だけ。

フィン はい終わり。


男の目が腰へ戻る。薄紙がダメなら直接。

男は一歩詰める。腰袋に触る距離。掴む距離。こすれる距離。

ユハが幅で殺す。近づくほど邪魔者に見える角度。止まるほど押される角度。届かない。


ゼフ 近い。

レイナ 0。

男 触ってねえ!

レイナ 近いは0。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


男は苛立って、次は“押し当て”に切り替える。薄い木片。袋の上から当てて、穴の位置を押し出したい顔。

でも押すには止まる。止まれば席になる。席は燃える。止める前に0へ落とす。


レイナ 木片も0。

ゼフ 0。

ミナ 数だけ。


木片は流れの外へ押し出されて寝る。壊さない。奪わない。寝るだけ。

男は声で“正義”を立てようとする。


左肩の男 写させないのは隠してる証拠だ!公開だ!

フィン 公開って言った瞬間、椅子。ここ椅子ない。

レイナ 無言。

ミナ 理由なし。

レイナ 質問無し。


ここで狙いが変わる。男の背後から外の子供が走り込む線。腰へぶつけて袋を揺らす。揺れた瞬間に薄紙を当てる。

だけど外の子供は損で走る。損で走る線は、箱で吸える。


ミナ 空箱。

外の子供 空、運ぶ?

ミナ 運ぶ。番号だけ。

外の子供 ……終わり。

フィン また吸われた。

レイナ 終わり。


男の線が折れた。だから雑に来る。自分の手でこすろうとする。

ユハが位置を変える。腰の前に線が入らない。入るほど邪魔者。邪魔者は押される。

押されると、こする手が届かない。届かないなら写せない。写せないなら燃えない。


ゼフが腰袋を一度だけ、さらに内側へ寄せた。外には見えない。外変化0。

そしてレイナが短く刺す。今日の進捗はこれで終わり。追加しない。


レイナ 内張り。

フィン 内張り?

レイナ 腰袋の裏。押しても出ない。


ゼフが内側だけで、薄い板を腰袋の裏へ差し込む。見えない。音もしない。外変化0。

押し当てても穴の跡が浮かばない。浮かばないなら、型取りは成立しない。


その間に補修班返却が落ちる。三つ。まとめ落とし。止まらない。

男が声を張る。止めたい。止めて座りたい。だが座る時間がない。


補修班の若いの ……終わり。

フィン 返却が速いと、手が入らないな。

レイナ 入れさせない。


角。いつもの沈み。3番の腕が少し沈む。

男はここに“写し取りの正義”を絡めたい。危険だ、停止だ、監査だ。

でも止まらない。動作で終わらせる。


子供 ちょっと重い。

ミナ 止まらない。

レイナ 0。落として離れる。

子供 ゼロ!終わり。

3番は0箱へ滑り込む。返答札が溝へ滑る。無音。外返答は無言。

腰袋は落ちない。押しても出ない。机は空。材料が増えない。


帳面役の息が紙束を足してくる。型取り禁止の掲示、確認の立会い、保管責任者名。

全部、椅子セット。全部、凍結送り。読む前に寝る。数だけ。


ミナ 凍結送り。

レイナ 数だけ。

フィン はい終了。次の角行け。


昼の終わり。ゼフが腰袋の口を内側で一瞬だけ開ける。机じゃない。視線が届かない角度。

札を手の中で揃える。数える。戻す。見せない。並べない。


ゼフ 穴札、12。

ミナ 12。

フィン 押しても出ない、が追加されたの地味に強いな。

レイナ 地味ほど燃えない。


夕方。ブラントが市場から戻る。噂の中身は持ち帰らない。形だけ。

ブラント 腰から穴を写す、が回りかけました。

レイナ 型取り具0。

ミナ 紙一枚。理由なし。

フィン 外の子供は?

ブラント 空箱便に吸われて終わりです。材料が残ってません。

レイナ 終わり。


領主へ数字だけ。短く。

ブラント 穴札12維持。型取り具2。外子供1。

領主 良い。写させるな。数で守れ。噂は嫌いだ。

レイナ 数字だけ。


夜。灯りは二基。低く地味に足元だけ。入口は照らさない。外変化0。

0箱を奥へ寄せる。薄紙も木片も紙束も寝たまま。開けない。戻さない。

腰袋の内張り板は内側。外から見えない。完成感も出ない。

補修班の許可段+1も、穴札12も、燃えないまま続く。


俺は板に一行だけ残した。

型取り具2を0で寝かせ、腰袋内張り1で押し当てを腐らせて穴札12を燃やさず守った。

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