結果発表
ブックマークがまた一件増えていました!
まだまだ少ないですが、一件一件がとても嬉しいです。
ありがとうございます。
「結果発表です」
司会の先輩がそう言うとギャラリーから声が湧いた。
出演者は番号順に舞台上に並んでいる。
やはり人前は少し苦手だ。さっきのはコスプレをしているノリだったので平気だったが緊張してきた。
「始めに男装の部からです。今年の美男子は…………四宮 葵さんです!」
まさかの私ですか……
確かに他はボーイッシュな女子という感じが多いが、私で良かったのだろうか。
「葵、司会の人の隣」
陽夜が小さな声で言ってくる。どこに行けば良いのか分からなかったのでありがたい。
「ありがとう」
そう返して司会の先輩の横に行く。
「では審査員の先生からの講評です」
「四宮さんはどんな服でも良いというルールを活かしてましたし、失格になりそうなところを上手く回避してたので、顔だけでなく別のところも良かったというのがありますね」
「では四宮さん、一言お願いします」
『応援、ありがとうこざいました。選ばれると思っておらずとても嬉しく思います』
この言葉は少し嘘だ。コスプレイヤーとして服や髪型、化粧、声とこだわってやった。本当に優勝出来るか不安だったが、出来るだけのことはやったので、優勝出来るのではないかなと少しは期待していた。
「ありがとうこざいます。各クラスから要望が来てましてね、「ご主人様、お嬢様、お帰りなさいませ。と言ってください」だそうです」
『ご主人様、お嬢様、お帰りなさいませ』
一応礼もしておく。
「流石です……カッコいいです……」
もしかして司会の先輩の要望だったのだろうか。誰の要望でも構わないのだが。
「そろそろ女装の部にいきますね。女装の部、一位は四宮 葵さんです!なんと、全票獲得してのダントツです!」
『ありがとうこざいます』
「では審査員の先生からの講評です」
「言うことなしです。本当に女性ではないですよね」
講評になっていない気がするが良いのだろうか。
「では四宮さん、一言お願いします」
『投票ありがとうございます、これで好きな子を口説けるので良かったです』
好きな人を口説くと聞こえ、思わず四宮くんの方を見てしまった。
「好きな人……なんていう男ですか、口説くのは!絶対止めます」
『女性ですよ、誰かは内緒ですが』
「そんな…………」
そう言い絶望的な顔をしていた。フロアにいた大半の人の目が死んでしまっていたのはきっと気のせいだろう。
「…………司会に戻りますが優勝の賞品は水族館のペアチケットです!」
司会の先輩の手から直接チケットが渡された。
ペアチケット……陽夜と行こうかな。
しかし仕事は休めないので誰かに譲った方が良いのかもしれない。
「これで文化祭は終わりです!各自戻ってください」
司会の先輩の声でそれぞれ教室に戻っていく。
舞台上の人も舞台から降りていた。
そろそろ降りようかと思ったところで声をかけられた。
「葵さん、宣言通り優勝したよ」
とても美しく可愛らしい女性の姿で、普段の声を出されると違和感がある。
「おめでとう、凄いね」
「葵さんこそおめでとう」
「ありがとう」
そう言った後、しばらくの間、どちらも口を開かなかった。
先に声を発したのは四宮くんだった。
「葵さん」
「どうしたの?」
「告白したの本気だから。罰ゲームとか思われてそうだけど」
急に思い出し顔が赤くなるのが分かる。
「葵さんはどうしたら好きになってくれる?」
「葵くんには……もっと相応しい人がいると思うよ」
「相応しい相応しくないではないと思うけど。そもそも俺は葵さんが良い」
だんだんと壁の方に近づいてると思ったが気のせいでなかったようだ。
四宮くんの手が壁に当てられて……壁ドンと世間では言われているやつだろうか。
そろそろ容量いっぱいで考えられなくなってきた。
「葵さん」
「はい!」
「今日はこの辺にしとくね」
そう言うと手が離され、四宮くんは一歩後ろに下がった。後ろに下がる頃には雰囲気も声もいつものように戻っていた。
「優勝賞品のペアチケットで一緒に水族館に行かない?」
「えっ、でも……」
そもそも仕事は休めない。それに、二人でって……外堀から埋めていくつもりなのだろうか。
「もちろん無理にとは言わないし行きたい人がいたらその人と行って大丈夫だから。俺は友達として一緒に行きたいなって思って。もちろん村雨さんを誘ってもいいよ」
二人ではないなら良いかもしれない。陽夜の付き添いなら私も仕事を休むのではなく仕事として行ける。
「少し考えさせてもらえる?」
「良いよ、いつまでも待つよ、一緒に行けるなら」
「ありがとう」
そう言い先に教室へ戻る。
とりあえず陽夜を誘ってみようかな。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回はコンテストの結果発表でした。
次回は陽夜と葵(女)の会話が中心になるかと思われます。
次回もまた読んでいただけると光栄です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




