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魔力ゼロの無敗者  作者: マンタS
第7章 大国会談と四獣
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誓い

「何故お前がそんな事を知っている?」



 前を向いていた顔をソレイの方へ向けて、力強く言い放った。



「僕も()()が使えるから」



「っ!」



「ただ、あのコウヤと同じ強さって訳でもない。元々の身体能力の違いと発動時間のお陰で、僕はコウヤには勝つことは出来ない。あの強さは、コウヤの他の追随を許さない圧倒的な身体能力があるからこそ出来るものだ。

 そして、大幅な体力を使用する『黒の状態(ブラック・モード)』での戦闘を長時間続けた後で、僕の発動時間より長い。

 正直な事を言えば、僕じゃ絶対に勝てない。勿論君でも」



 既に()()は沈み、辺りは夜となっている。実力者でも数秒程度しか保てない『黒の状態(ブラック・モード)』を数時間発動し続けて戦闘を行っていたのだ。



 ならば、体力が万全の状態であればあの装甲をかなりの時間維持出来ることになる。そして、あの状態のコウヤに勝つ方法は、自分では思いつく事が出来なかった。



 ――――――――――――――――――――――――



 細胞の一片すら残っていない。それを確認して、やっと緊張の糸が解けた。と同時に、『破壊(ディストラクション)の装甲(・アームド)』を解除し、『魔滅』を地面に突き立てて膝をつける。



 いつになく呼吸が荒かった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の中でも、1、2を争う程に()()()()()()()



 傷は『自動再生(オートリブート)』で癒えているが、身体中にこびりついた血はそのまま。服も随分ボロボロになった。



 そして確信があった。『四獣』は、『神』の手下の中でもトップクラスの実力を持っているという事を。



『四獣』は僅かながら、『()()()を与えられていた。



 奴らの魔力には何かが混ざっていた。そしてその何かが、『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』の破壊能力を無効化していた。



 そんな事が出来るのは、『神』による力しか無い。



 これが当たっていれば、『神』への挑戦状にはなるだろう。そして奴も理解したはずだ。自分自身でやらなければ、()()()()()()という事を。



 そんな事を考えながら、その場で仰向けに転がった。空に浮かぶ満点の星空を見て、目を閉じた。



 ――――――――――――――――――――――――



「どうする?今なら奴を殺せるだろう?」



「冗談はやめてよ。コウヤに油断とか、そういう類のものは一切無いんだ。今行っても、君は殺され、ぼくは任務の遂行が出来なくなる。今コウヤと戦っても、何も得られない。行く意味は無いよ」



「だが!」



「『四獣』は倒され、地震は収まった。這い出てきた魔獣達は大きく数を減らされ、駆逐されるのは時間の問題。2次災害も治まりつつある」


 

 先程とは打って変わって、裕翔から表情が消えている。



「全て彼の計画通りだ」



「…」



 やはり、我が主人は全てを見抜いていた。そして、裕翔に与えた任務もそれに合わせたものの筈。やはり、主人に勝てる存在などいない。



 コウヤの戦闘を見た後でも、そう確信できる程の実力が『神』にはあった。コウヤの策を全て知った後でも、それより上がいると疑わせない程の頭脳を『神』は持っていた。



 そう。この世で最初に力に目覚め、各次元を想像した存在。それが『神』だ。



 ソレイが『穴』へ入って行ってから、数分が経過した。朝比奈 裕翔はこれまでの事を、これからの事を考えていた。



 全ては()()を救う為にやってきた。そして、それはこれからも変わらないだろう。既に、『神』を()()()()()()は付いている。



 後はそれを実行するだけだ。そう、この任務から全てが始まる。



 今までの努力が実るのか、それとも水の泡と化すのか。全ては自分と、()()()()にかかっている。



 失敗は許されない。



 あの時の誓いを、今こそ。



 頭に蘇って行く。あの時の()()()。自分の無力さが。



 そして、彼女の冷たくなった手を触れた時の感覚が蘇る。



 彼女にかけた最後の言葉が、自分の脳天を突く。



 ――僕が必ず助ける。絶対に死なせたりしない――



 愚かな自分の声と、自分の行動が蘇った。



 そして心の中で、もう1度誓った。



(待っていてくれ。今度こそ、助けてみせる)

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