破壊の超攻撃
「やっぱりコウヤも至っていた…流石だな」
「おい、あれはなんだ!?3体の『四獣』の同時攻撃を受けて無傷だぞ!あの『異常者』は何をした?!」
この事態に、何時ものクールぶった仮面が外れてしまっている。
「良いね。僕はそっちの方が好きだよ。ソレイさん?」
「そんな事はどうでも良い!奴は何をした?!お前は知っているのだろう!?」
少し調子に乗ってしまったようだ。仮面が外れた上にキレている。
「ああ。あれはね…」
――――――――――――――――――――――――
「…来い」
コウヤは静かにそう言った。鳥が象られたその赤黒い装甲を纏い、大きな羽を広げてそう言った。
その挑発に乗り、『白虎』が爪での攻撃を仕掛ける。
「『超・破壊の斬撃』」
右手に握る『魔滅』にその力を流し、向かってきた『白虎』の鋭利な爪ごと全身を両断した。両断された『白虎』の勢いは止まらず、そのままコウヤの後方まで飛んでいく。
そして、『白虎』の身体は再生しなかった。
「『超・破壊の爆散』」
そしてそのまま再生する事なく、『白虎』はその爆発によって跡形もなく消滅した。
コウヤは振り返らずにそれを確認すると、鋭い眼光で他の2体の『四獣』を睨みつけた。
その遥か遠くでは、この様子を見ている男女の姿が尚もあった。
「『魔力破壊』を身に纏っているんだよ。それも、極限まで圧縮された状態でね」
「どういう事だ?」
「僕の『魔力封印』同様、コウヤの『魔力破壊』は圧縮すればするほど、硬く強固なものとなる。
今コウヤは、それを最高まで高めた状態。つまり、半径100メートルの球体としての『魔力破壊』を最小まで圧縮して小さくし、それを鎧のようにして全身に纏っているのさ。
これにより、外界からの全ての魔力攻撃はあの鎧に触れた瞬間破壊される。更に、通常の鎧では覆うことのできない関節部分すら、『魔力破壊』を常時流動的に操作することで纏う事を可能にする」
「っ!だが、それでは『白虎』の傷が再生しなかった事を説明できない!それに、顔の部分は覆っていないようだし…」
「覆っているさ」
焦って聞いてきたソレイの言葉を、遮るようにして答えた。自分でも驚くぐらい、明るい声色で。
「あれは、ただ色を変えているだけ。『魔力殺し』の能力は練度が上がれば上がるほど、出来ることが多くなっていく。色の変化もその1つ。まぁ、今のコウヤは色を変えているんじゃなくて、透明にしてるんだけどね。視界は確保しなきゃならないから。
ただ、口と耳の辺りは本当に覆っていないよ。口元を覆うと呼吸が出来ないし、耳を覆うと音が聞こえないからね。まぁ、攻撃が飛んできたと察知できれば直ぐに展開出来るんだけど…
あぁそれと、『白虎』が傷を再生出来なかったのは…」
――――――――――――――――――――――――
「キャャャャァァァァァァァァ!!!」
空間が揺れるような悲鳴を上げて、『朱雀』は逃げていった。最高スピードを出して逃げて行った。だが、
「『破壊の軌道』」
『破壊の装甲』を発動して、やっと発動出来る技である。
全身を覆った鎧をから『魔力破壊』を放出する。それにより、スピード、パワーを底上げし、防御力も吐き出される『魔力破壊』により向上する。
体力の消耗がより激しくなる、という事だけが問題だが。
全身に覆った装甲から、赤黒い蒸気が勢い良く吹き出す。それを確認すると、『朱雀』の後を追った。そして一瞬で追い抜き、『朱雀』の目の前で静止する。
それに気づいた『朱雀』は進行方向を変えるが、その進行方向上に移動し、退路を奪う。ここで、『朱雀』は気付いたようだ。もうこの男は、自分より速いという事を。
それを知ったからか、今度は口から炎を吐いた。たかだか不死鳥の数倍程度の火力しかなかったが。
「『超・破壊の波動』」
その炎を飲み込む程の波動を放つ。そして『朱雀』の全身がこの波動に覆われるのも、直ぐ後の事だった。
「さぁ、最後だ」
最後に残ったのは『玄武』。最初に倒そうと思った相手だが、今となってはその意味も無い。
――――――――――――――――――――――――
「ステージが違うから。さっきも言ったよね。強さにはステージがあるって。もうコウヤの力は、『四獣』と同列のものじゃないってことさ。
つまり、『神』の力が混ざった魔力だろうと、今の状態のコウヤの『魔力破壊』を止められやしないって事さ」
「…そこまで」
その言葉に、ソレイは耳を疑った。要は、あの『四獣』達が今の状態のコウヤとでは力が違いすぎる、と言っているのだ。
だが、1つ疑問に思ったことがある。
「なら、何故お前はそんな事を知っている?」
――――――――――――――――――――――――
俺は、既に大地に降り立った『玄武』を遠目から見る。と、『玄武』が魔法を発動し、無数に鋭く尖らせた大地を、俺に向かって飛ばしてくる。
俺が『玄武』に辿り着く為に何をしたか。ただ、真っ直ぐ進んだ。『玄武』の元へ、真っ直ぐに。理由は簡単。
あの程度のスピードでは、例え真っ直ぐ進んでも、今の俺のスピードならばまず当たる事は無い。
それを予見したか、『玄武』は自分を大地で覆った。それも5重。奴の最高の盾なのだろう。だが、そんな物は関係無い。
この状態での最高の技であれば、あの程度の盾、容易く破壊出来る。
俺は『魔滅』を持った右手で、突きような構えをとった。そして、力を『魔滅』に流し込んでいく。
「『破壊の超攻撃』」
これも、『破壊の装甲』を発動して初めて使える技である。俺の技の中で、最も威力のある技だ。
それを、『玄武』の盾めがけて打ち込んだ。そしてその最高の盾は、紙のように破壊された。残る4つの盾も簡単に破壊されていき、結局『玄武』にまで攻撃が届いた。
その威力で大地が大きく抉られ、『玄武』は消滅した。




