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6 RESTORE

 

 ユミとアキラの死闘は唐突に始まった。ユミのバイオブレットをアキラに向かって撃ち込んだのだ。発射までのタイムラグ0.18秒。その間にアキラは避けた。そして、ユミはその発射と同時に一瞬で間合いを詰めて、アキラの顔面まで迫り、右のエルボーを胸元に叩き込んだ。

「うぐ…」

 アキラはうめき声をあげて十数m後方に転がりながら吹っ飛んだ。人間がこの直撃を食らっていれば、肋骨・胸骨の骨折は避けられない。運が悪ければ肺破裂で死亡する一撃だった。

「どうしたの?アキラ?まだ始まったばかりよ?」

 リサも初めて見る“冷酷なユミ”だった。その時のユミのセピア色のセミロングの髪から紅いロングヘアに変わっていた。

「油断したな…姉さんがこんなに速いとは…」

 アキラはそう言いながら手を後ろに回して何かを取り出した。40㎝にも満たない円筒状の物だった。

「バイオソード?」

 アキコが譫言の様に呟いた。そして、その円筒状からは流動子をゲインとする武器の特徴の蒼い光。そして、約1.5m程の蒼い光が放たれていた。

 リサは後悔した。「なんで…こんな簡単な事に思い至らなかったの…」アキラの武装は右腕のバイオブラスターのみと仮定してユミの換装を行った。しかし、ここは巨大な戦艦。様々な武器が積み込まれていて当たり前。アキラがそれを見つけて使ったとしても何の不思議ではない。

 そして、アキラは唐突に切りかかってきた。ユミはバイオシールドを展開して簡単に防いだ。

「こんな物まで持ち出したんだ?それを使うなら…こっちも?」

 ユミはバイオシールドを展開しつつ、アキラにメーザーカッターで切りつけた。接近戦、はユミにとっては最高のバトルフィールド。しか、それを甘んじて受けているアキラではなかった。インパクトナックルで殴られ続けながらも、右腕のバイオブラスターのチャージを続けていた。チャージ完了と同時に後方へジャンプ。バイオブラスターを撃ちこんできた。ユミはバイオブラスターの直撃を喰らうのは初めてだった。バイオシールドで直撃ではなかったが、さっきとは逆に今度はユミが「ギャ…」と、悲鳴をあげて十数m後方に転がりながら吹っ飛んだ。すぐに立ち上がり、再攻撃に備えて片膝をついてバイオシールドを展開した。「これがバイオブラスターの直撃…凄い威力…リサが言っていた…一撃でも喰らえば…お終いってやつか…」


 間合いを取られたら、また、あのバイオブラスターを撃ってくる。近接戦闘でもあのバイオソードが襲ってくる。「ユミ…恐れちゃダメよ?恐れれば相手が強大に見える。前に出るのよ…ユミ!前に出れば必ず勝機は見えてくる!」ユミは自分にそう言い聞かせた。一瞬の加速。ユミはアキラに向かって突っ込んでいた。予想どおり、アキラは近寄らせまいとバイオブラスターを撃ちこんできた。瞬時に避けるユミ。「こいつには弾数制限がないの?こっちはジリ貧で戦っているのに…」アキラに1mまで近寄った時、左片膝をついて右膝を伸ばす形で下に潜り込んだ。アキラの目ユミが上に飛ぶと予想して上を向いた。その予想は外れた。一瞬でユミが消えたように見えた。

「そこ!」

 ユミは叫びながらメーザーカッターでアキラの左季肋部から上に切り上げた。何十本の回路・回線・光ファイバー線を叩き切り、このまま行けばアキラのジェネレータを破壊できる。アキラはそこまで甘くなかった。ユミのメーザーカッターを左手で掴み、ユミの右腕を取ってそのまま後方に投げ捨てた。「あと少しだったのに!」ユミは転がりながら次の攻撃態勢に入った。しかし、メーザーカッターが刃渡りの中央付近で折れているのがわかった。「右メーザーカッター…半壊…でも、まだ使用可能…」アキラもただでは済まなかったメーザーカッターの刃で左手の指、小指と環指を失っていた。


 イーグル隊のメンバーの目には2人の戦闘の様子が人間の肉眼では追いきれなかった。蒼い流動子の衝突の痕跡が現れては消える動作の連続「あそこで戦闘が行われている?」程度の認識しか出来なかった。時折、ストップモーションの様に見える2体のバイオロイドの姿が見えるだけで、援護射撃も出来ないでいた。これが倍速係数3.0の闘い。


 アキラは数m~10数mのバトルフィールドでの戦いが設計思想だった。それを読んだユミは先の接触で有利な近接戦闘に戦法を変えてきた。ジグザグのステップからのジャンプ。空中の流動子の壁を蹴り。アキラの頭上から飛び込み、左肩のアクチュエータに折れたメーザーカッターで切りつけた。電流の火花が散った。切断とはいかないものの、アクチュエータから出ている数本の配線の切断に成功した時、アキラの右のフックのパンチがユミの顔にヒットした。「ギャ…」と、悲鳴をあげて十m後方に転がりながら吹っ飛び、すぐに態勢を整えたが、左目のカメラアイが破損して見えなくなり、目の奥では小さな火花が上がっていた。「左…カメラアイ…損傷…視界41%探知不能…電源カット…」損傷部位の確認と処置を冷静に行っているユミ。そこへ、アキラが同じく空中の流動子の壁を蹴りバイオソードで切りかかってきた。「間に合うか?」ユミは右手のバイオブレットを構えた。

 バイオブレットもバイオブラスターも発射にはタイムラグが存在する。これが近接戦闘ではこれが命取りになる。アキラはユミの左目が損傷しているのを確認し、左前方からの攻撃だった。ユミの視界から消えたアキラ、ユミのCPUがギリギリのアキラの軌道計算をした。「そこ!」叫んで、2発目のバイオブレットを撃った。身体本体への直撃は出来なかったがアキラの右膝部への至近弾が当たった。しかし、アキラの振り下ろすバイオソードはユミの右足の大腿部を抉っていった。右大腿部の1/3程度の太さを失いながらも「右大腿部運動回路…正・副共に断絶…予備回路に切り替え…」人間ならば大腿部の損傷は多量出血で戦意喪失と意識喪失は免れない。しかし、ユミは違った。起き上がりながらも、損傷部位の確認と処置を冷静に行っている。

 アキラの戦闘データ表示にはアキラの損傷率は18%対してユミの損傷率は32%。アキラの勝利を確信し、止めを刺すため、右目だけのユミにアキラはバイオブラスターのチャージを始めた。ユミもゆっくりと右手を伸ばしバイオブレットのチャージを始めた。最悪でも相打ち決着。ユミにはそんな覚悟があった。


 その頃になって、イーグル隊のメンバーの目にも速度が落ちてきた2体の姿が見えるようになっていた。

 左目が見えず、右足の大腿部が大きく損傷していて、ボロボロになっても立ち上がり、それでも右手のバイオブレットを構えて戦い続けるユミ。リサは見ていられなかった。

「おい!あのアキラってバイオロイド!まともに稼働してないぞ!」

 シュンが叫んだ。アキラもかなりの損傷だった。左肩はアクチュエータが発赤して周囲の回路からは煙が出ていた。右足も膝から配線と光ファイバー線が飛び出して力が入らずに立っているのが精一杯だった。

 さっきはユミばかりに注視…してアキラの方は見ていなかったリサ。

「左肩のアクチュエータ…断線して…もう熱持っちゃてるし…それと、右足のリターンサーキット…断線している…」

 通常のバイオロイドの回路は正・副・予備の3重バックアップになっている。アクチュエータが熱を持つ時はそれ以外に重要な損傷がある時だ。

「よくあれで動けるな?」

「メンテしてくれる人間がいないんだ…」

 リサが言った。バイオロイドと人間の関係はマスターと呼ばれる使用者がメンテの責任と義務を負う。これが大原則で、法制化もされていた。


 ユミのマルスプレート素材の弾丸のバイオブレットとアキラのバイオブラスター、双方が同時に発射された。そして、閃光があった。2人の中間付近でユミのマルスプレート素材の弾丸が暴発したのだった。破片を浴びて同時に吹き飛ばされるユミとアキラ。

「まだだ…あたしはまだアキラの破壊を確認してはいない…」

 ユミは譫言のように言いながら立ち上がった。そして、もうブレッドのないバイオブレットにチャージを始めた。「神様…流動子の神様…あと少しでいい。あたしに力をください…」

 アキラもバイオソードを持って立ち上がった。右手のバイオブラスターはチャージコードが破損して使用できないようだった。

 ユミは左足だけで飛んだ。「リサ…シュン…ゴロー…ダブルイーグル…あたしを守って!」空中でも左足だけで流動子の壁を蹴り、軌道修正してアキラの頭上をとった。それはアキラも見抜いていた。半歩下がり、バイオソードをユミに向かって突き刺した。アキラのバイオソードはユミの右脇腹を貫いた。激しい火花が上がる中でそのままアキラ前面に左腕で抱き着き、右腕のバイオショットをアキラの胸に押し当てた。

「ユミィ!」

 リサが泣き叫んだ。


「…つ…捕まえたぁ!…バイオショット…零距離射撃!」


 ユミは小悪魔の笑顔のようにニヤっと笑い、そのままアキラの左胸の流動子のジェネレータにバイオショットを打ち込んだ。

 流動子のジェネレータはバイオロイドの心臓に相当する。当然、その中には発電のためのマルスプレート素材のフィンがある。バイオショットならばこのジェネレータを破壊できる!ユミは相打ち覚悟でそこを狙っていた。

 崩れ落ちるように仰臥位に倒れるアキラ。その上にユミはバイオソードが刺さったまま馬の乗りになりマウントをとった。それを見たアキコは興奮したボクシングのセコンドの様に叫んだ。

「ユミ!左のインパクトナックル!顔面に叩き込みなさい!それでフィニッシュよ!」

 今度はそれを聞いたリサが叫んだ。

「いけない!ユミ!メーザーカッター!頚部に打ち込みなさい!」

 反射的にユミが反復した。

「了解!上位命令!メーザーカッター!頚部に打ち込みます!」

 半壊したメーザーカッターを頚部に打ち込んだ直後、アキラの両腕がユミの顔面にブルブルと震えながら伸びてきた。「こいつ…しぶとい…」あと、ユミの頬まで数㎜まで迫っていた。辛うじて見えている右目を狙っているのだろう。もし、右目を壊されて、アキラに余力があったとしたら戦況は逆転する。

 しかし、ギリの所でアキラの両手は電池切れのように崩れ落ちていき。バイオソードもゲインが切れたのだろう柄の部分を残して床に軽い音を立てて落ちていった。

 その頃になってユミの身体から上がった回線の火花に反応したのだろう。粉上の消火薬剤があちこちから噴射されて、周囲の視界を奪っていった。


 一方、こちらはダブルシャークの戦闘指揮所のマリコ。イーグル隊の侵入開始の連絡からすでに5時間が経過していた。順調に作戦が進めばそろそろ作戦完了の連絡が入ってもおかしくない時間帯だった。まさか?イーグル隊の全滅?そんな考えも浮かんだ。我慢の限界だった。

「おじ様、私、やっぱりイーグル隊が気になって仕方ありません。ちょっと様子を見に行ってきます!」

 シャークはやれやれとの表情とジェスチャーをした。

「なぁ?マリコ、行きたいのはわかるが、今ダブルシャークの航宙機はすべて帰還して現在、損傷の確認と整備中だ?行こうにも使える航宙機がないんだ?わかるだろ?」

「いいえ?おじ様?まだ幻の名機が1機残っていますわよ?」

 シャークはピンときた。

「まさか?シュンのF-98 MK-Ⅱか?おまえ?あれに乗ったことあるのか?」

「先日、イーグルベースの飛行場で乗せてもらいましたし、操縦もした事があります!」

 シャークは親指を立てて

「さすが!スタンバイのマリコ!行ってこい!」

 その、15分後にはスペースイーグルに積載されていたF-98 MK-Ⅱからマリコが飛び立って行った。ただし、ユミがいつも収納されているカーゴスペースには何が載っているのか?何に使うのか?の秘密の物品がギリ収納積載されていた。

 グレート・ビルド・ワンに近づくマリコのF-98 MK-Ⅱ。「でかい!」汎用宇宙服を着たマリコは思わず声を上げた。さっきまでは超望遠レンズのモニターカメラで見ていたが、接近してグレート・ビルド・ワンを肉眼で見るのは初めてだった。先の艦対戦でダブルシャークの主砲の直撃を喰らった艦橋が大きく破損していた。各砲塔も航宙隊の攻撃でかなりの損傷が認められて、ミサイルの艦内ランチャーも大半が内部誘発で使用不能。しかし、残った砲塔の稼働、機関砲の動きもなかった。「撃ってこない…?アキラの武器コントロールがされていない?アキラの破壊に成功したの?」そう思いながらもバーニアを吹かしながら艦尾の艦載機の発進口に回り込んだ。一応、持ってきたコード管理ユニットでアキコから聞いていたセキュリティコードを打ち込んでみたが、アキラがセキュリティコードを変更したのだろう。何の反応はない。「こりゃ?一旦?出るしかないか?」ユミが作戦会議で言っていた。メンテ用のゲートM-1011は直ぐに見つかった。ユミが入ったあとだろう。たった1つのゲートだけは解放されていたからである。その近くにF-98 MK-Ⅱをマグネットアンカーで固定したあとで、汎用の宇宙服の靴の裏にはマグネットが付いており普段どおりに歩くことができた。グレート・ビルド・ワンに入ると多分ユミが踏み壊したガードロボットの通称ゴキブリロボット。とりつ君の残骸がたくさんあった。ヘルメットと汎用の宇宙服を脱ぎ、黄色のフライトスーツになったマリコ。

「ユミちゃん?ゴキブリ相手に結構派手にやったみたいね?あたしもこいつは嫌いなんだけど?さて、リサ達はどこにいるのかな?」

 この馬鹿でかい戦艦の中を1人で探していたらそれこそ1か月位かかってしまう?近くにあった艦内のインフォメーションパネルを操作してみた。ここには艦内での異常や人探しや今日の予定等の周知が必要な情報が表示される。早速「見ぃつけた!」の声と共にG-57ブロックで火災発生中の表示があった。多分、ユミとアキラの戦闘中に火災が発生した?そして、多分、ユミちゃんが勝った。アキラが勝ったのなら、このグレート・ビルド・ワンの兵装が沈黙しているわけがない。マリコはとりあえずG-57ブロックに向かって走り始めた。


 こちらはそのG-57ブロック。消火薬剤の煙の中でユミはメーザーカッターをアキラの頚部からゆっくりと引き抜いた。

「アキラ…よく戦ったね…あとで、あんたを苦しめたデビルスプログラムの呪縛から解放してあげる…」

 そして、ユミは首も手足も無力に垂れ下がった人間で言う“死体”の状態のアキラを優しく抱き上げた。「あんたはあたしの弟…絶対に死なせはしない…!」そう言って右足を庇いながら歩き始めた。


「お…終わったの?」

 急に訪れた沈黙。そして、消火薬剤の煙の中でアキコが呟いた。アキラが勝っていたら次は人間種を襲いに来る。そんな心配からだろう。

「多分?ユミの勝ちだ」

 シュンは最後に見たアキラのマウントを取ったユミの姿から彼女の勝利を確信していた。

 煙の中から人影が見えた。紅いフライトスーツ。ボロボロになったユミだった。すぐに駆け寄ろうとするリサとアキコ。しかし、その2人の足は急に止まった。ユミがアキラを抱いていたからである。また、こいつはまた襲ってくる?そんな疑念が2人の足を止めたのだった。大声のユミの泣き声が聞こえた。

「リィサァ~!お願い!アキラを助けて!」

 立ち止まるリサとアキコにユミは更に近寄り、泣いて頼んだ。

「お願い!アキラを助けて!アキラは無茶苦茶なプログラムと命令でバグっていただけなの!あたしとアキラのマトリクスは同じ…あたしの弟なの…!」

 泣きながら言葉を続けた。

「あたしの生体パーツをあげるわ!必要ならあたしのバイタルパーツをあげてもいい!だから…お願い!アキラを助けて!それに…それに…あたし…もう1人はイヤなの!」

 ユミは本気で懇願していた。それを聞いたあと、数秒の沈黙のあとでリサが口を開いた。

「アキコ?やるわよ!バイオロイドのメンテナンスブロックはどこ?」

 ユミの懇願を断ると思っていたアキコにはリサの言葉を理解できないでいた。

「リサ?あんた正気?私はイヤよ!絶対にイヤ!あんた1人でやればいい!私にはもう用はないでしょ?もう帰るわ!バイオロイドはもう懲り懲り…私は二度とバイオロイドは作らない!それでいいでしょ!」

 それを聞いたリサは何かがブチと切れた。そして本気の怒りがあった。アキコの胸ぐらを掴み詰め寄った。

「あんたねぇ?あんたの作ったものでしょう!最後の最後まで責任取りなさいよ!」

 それを聞いたアキコは沈黙でしか返せなかった。シュンもゴローもリサの真剣な怒りの表情を見るのは初めてだった。そして、2人の会話には入っていけなかった。リサはアキコを突き放した。深い落胆のため息のあとで強い言葉を発した。

「そう?今日という今日、今回という今回…あなたと言う人間、あなたと言う女がよくわかった!帰るなら帰りなさいよ!ただ一言だけ言っておくわよ…私、次にあんたに会ったら何するかわからないからね…これだけは憶えておきなさいいいわね!さよならアキコ!」

 リサはくるっと身体を返すとユミの元に行った。

「ユミ?バイオロイドのメンテナンスブロックはどこ?」

 ユミの顔には笑顔があった。そして答えた。

「G-88ブロック。この近くよ」

 それを聞いたリサはアクトウを呼んで指示を出した。アキラの推定体重は120㎏。人間が3人掛かりでも運べる数字ではない。アクトウはユミからアキラを受け取るとG-88ブロックに向かって歩き出した。リサとユミもそれに倣った。無言で出ていくシュンとゴロー。

 通路に出るとマリコが壁にもたれ掛かっていた。多分、すべてを聞いていたのだろう。リサとマリコに目線は合わせても会話はなかった。最後に出ていこうとするアキコはマリコに気づいた。「マリコ?なんでここにいるの?」の疑問の言葉より先にマリコが口を開いた。

「あ~ぁ?アキコ?あんた…リサを本気で怒らせちゃった?残念だったな?あんただったらリサを超えられる…そう思っていたのに?」

「あたしがリサを超える?」

「そ!あなた考えた事はなかった?私たち3人は高兵女第556期の3人才女と呼ばれたのよ?そして、その専門が微妙に重なっていた事に気がつかなかったの?」

 マリコは言葉を続けた。

「作戦指揮と航空機は私。航空機とバイオロイドはリサ。そして、バイオロイドと作戦指揮はアキコ…あなたよ?つまり3人が揃えば完璧なのよ?それももう無理みたいね?さよなら私たちの親友であり、ライバルのアキコ…」

 アキコは全てが繋がったような気がした。リサなんかに私のアキラを直せるわけがない。アキラを直せるのは私だけ。そんな自信が湧いてきた。そして。

「マリコ…今からでもリサ…許してくれるかな?」

 アキコの中にまだ、少しだけ、弱気な心と不安があったのだろう。

「大丈夫よ?あの女はそんなに器量の狭い女じゃないわ!私が保証する!」

「ありがとう!マリコ!私、自分の仕事にケリをつけてくる!」

 自信を取り戻したアキコがG-88へ走って行った。

「まったく…手のかかる女なんだから?」

 マリコもゆっくりとG-88へ向かった。


 ここはG-88のバイオロイドのメンテナンスブロック。バイオロイドの修理には十分すぎる設備だった。そのなかでリサは一人でアキラの修理の準備を進めていた。しかし、その顔には一抹の不安の表情があった。

「リサ…大丈夫?」

 リサの不安な表情を察したユミが聞いてきた。

「このアキラの中にはアキコのオリジナルのシステムやプログラムがあるはずよ?それを私が理解できるか…どうか…それだけよ」

 バイオロイドの不可侵領域。ファクトリー製のバイオロイドならばそんなことはない。汎用のパーツ、汎用のプログラムを使用しているから、ちょっとでもバイオロイドに知識のある人間ならば理解も出来るし、修理も修復もなんとかできる。しかし、ホームメイドやハンドメイドのバイオロイドとなれば話は別である。クリエイターの新技術や新設計のシステムが必ず存在していた。そのため、クリエイターの意図がわからず修復不能で廃棄されるバイオロイドが沢山ある事もリサは理解していた。

「ユミ…先に謝っておくわ…もし、アキラの修復が出来ずに壊してしまったら…ごめんなさい…」

 ユミはアキラの横の作業台で横になっていた。そして、首を横に振って答えた

「ううん…リサ悪くない!全部!あのアキコってバカな女が悪いのよ!」

「エライ…言われようね?」

 その声にリサとユミが振り返った。完全修理着スタイルのアキコだった。彼女は自信を取り戻していた。

「リサ?まだこの次って機会じゃないわよね?」

 リサとユミは無言だった。

「リサ、私に指示を頂戴!全部飲み込んで、全部実施してみせるから!」

 その言葉には覚悟があった。リサは微笑んだ。

「それでこそ、私とマリコのライバルよ!でも言っておくわよ!私は決して振り返らない!遅れたら置いていくから!」

 マスクと防塵メガネの中のアキコが微笑んだ。

「それって誰に言っているの?あんたこそ捲られない様にしなさいよ!」

 すでにゴミや指の皮脂が入らない様にゴムの作業手袋をしていて握手はできない。2人は拳を合わせた。


 アキラの修理作業が始まった。その作業は“こいつら人間か?”の速度だった。

「最初は左肩のアクチュエータ!取り外して交換よ!こいつを外さないと他の生体部品にも悪影響が出る!」

 リサが取り外したアクチュエータはまだ真っ赤に熱をもっていた。プライヤーで持ち上げて床に投げ捨てた。

「おい?これが人間の出来る作業スピードか?手元が見えないぞ?」

 ゴローが驚いて言った。シュンも驚いて言葉も出なかった。

「私もこんなにも凄いとは思わなかった…」

 マリコも驚愕の表情だった。互いに相手が何を欲しているか、何を望んでいるかを知り尽くした2人の天才の技術。そのベクトルが相対した時は何も生まない。しかし、同じベクトルなら交差した時にとんでもない結果を生み出す。この法則を思い出していた。

 リサがアクチュエータを外したあとの回線処置中にアキコがユミの横に来た。

「ユミ…ごめんなさい…あなたのアクチュエータを借りるわ…」

 ユミは黙って頷いた。アキコはそう言ってユミの左肩の人工皮膚を切り開き、アクチュエータに繋がる配線と光ファイバーを切って行った。一瞬、ユミの顔が苦痛に歪んだ。アクチュエータを外した事でそこで消費されるはずだった電流が、他の回路に過電流として流れたのだろう。でも、それはすぐに笑顔に変わった。

「アキコさん…さっきはごめんなさい…私のパーツを使ってください。そして約束です。必ずアキラを助けてください!お願いします…!」

 アキコはユミに親指を立ててニコリと笑ってアキラの方の作業に戻った。


 2人の作業は破壊された左季肋部からの修理と流動子ジェネレータの交換を始めていた。幸い、ここのメンテナンスブロックにも流動子ジェネレータの予備パーツがあった。しかし、その作業中にリサが叫んだ。

「なによこれ?アキコ!あんた安物を使ったわね?四肢の給電パネルのバイオコネクターをグレードⅤで1番から24番!全部交換よ!」

「うっさいわね!急な制作予算のカットで経費節減だったのよ!もう始めているから次の指示出しなさいよ!」

 実際に拡大鏡を付けたアキコが太さ0.4mmのバイオコネクターの交換作業をラジオペンチより細いマイクロペンチで接続を始めていた。ここまで行くともはや、修理・修繕の漫才である。シュン、ゴロー、マリコはやることが無くなりパイプ椅子に座っているしかなかった。


 素人目には終わったのかと思えた。まだ、彼女たちの作業は続いていた。修理着を脱ぎ、VRゴーグル・VR コントローラー グローブ・配線とインカムが付いたヘルメットの用意を始めた。

「おい?あいつら何する気だ?」

 シュンは不安になってきた。マリコが答えた。

「ダイブよ…ブレインダイブ…私も初めて見る…」

「だから?なんなんだ?」

 シュンはしびれを切らして説明を求めた。マリコは語った。

「リサが言っていたの。ユミのプログラムは凄く強固なプロテクトがあって、そこにはノーマルのパソコンでは入れないって…もし、入ろうとするならば、人間の脳を直結して臨機応変でなければ無理だって…!だから、ユミと同じプログラムを持つアキラの中のプログラムを変えようとするなら、ブレインダイブしかない…」

「おい!それってヤバくて危険じゃないのか?」

 シュンは心配になってきた。

「ものすごく…危険よ…だからやる人はほとんどいない…でも、あの2人は引き返す気はないみたい…」

 2人は簡易ベッドを持ってきた後、アキラの頚部から露出しているケーブルをブレインダイブ用のソフトが入ったパソコンと VRゴーグル・VR コントローラーグローブ・配線が付いたヘルメットの各配線を接続し、簡易のベッド横になった。“ブレインダイブ”の用意が整いつつあった。

「アキコ、正直に言って?あなたダイブの経験は?」

「シミュレーションで1回だけ…」

「そう…私はシミュレーションで1回、フルサポートのある状態で1回だけよ」

「似たようなものね…リサ?でもやるんでしょ?」

 アキコは余裕の笑顔があった。その時、作業台の上のユミが口を開いた。

「リサ?アキラの中に行くの?」

 リサとアキコは無言で頷いた。

「あたしも連れてって!きっと役に立つ!」

 ユミは懇願した。

「そうね…ユミ…お願いするわ。」

 そう言ってリサはユミの左頚部の緊急用のマイクロファスナーを開けてコネクター端子を接続し、パソコンに繋いだ。

「アキコ、ユミ…行くわよ?集合場所は頸椎の1番!そこから大脳のSHD(スーパー・ハードディスク・ドライブ)にアタックをかけるわ!」


 シュンもゴローもマリコも3分割されたモニター画面に食い入った。視覚認識させるソフトにより3人は簡単なアバターに変換されて、視界は各個のアバターが見ているものだろう。彼女たちに輝きながらアンチウィルスソフトの大群が襲ってきた。アキラの中では3人はコンピューターウィルスでしかない。人間の白血球が異物を捕食駆除するようなものである。先頭に立つユミが打撃系の格闘ゲームの要領で叩き潰していった。しかし、ユミだけはこの戦いに慣れていた。多分、以前にジャンプした端末にいたアンチウィルスソフトや先住POSとの間でバトルがあったのだろう。「この娘?慣れている?ユミを連れてきて正解だった。」リサはそう思った。その後方でリサとアキコがユミが叩き切れなかったアンチウィルスを叩き潰していた。以前のシミュレーションやフルサポートのある状態でのダイブでは抵抗するアンチウィルスソフトなんかは存在しなかったし、まして“SHDの中で戦う事”など初体験だった。

 しかし、叩き潰しきれなかったアンチウィルスソフトがアバターの身体に着くと、溶かすように消去していった。消去された部分は痛み信号として直接、脳に伝わった。リサもアキコも顔が苦痛に歪んでいたが、身体は微動だにしないが、言葉は発していた。

「リサ!アンチウィルスソフトってこんなに厄介なの?」

 アキコが苦情をいれた。

「これって!あんたが入れたものでしょう?でもスレコンがシングルなのは不幸中の幸いよ!」

 アンチウィルスソフトの雑魚キャラの駆除は約1時間にも及んだ。3人のアバターもかなりの損傷を受けていた。多分、ブレインダイブでアンチウィルスソフトと戦った人間は史上2人が初めてだろう。


「到着…!この中に今回の暴走の原因…デビルスプログラムがいるの…!」

 でかい真っ黒い壁の前でユミが呟いた、この中にボスキャラがいる?そんな印象だった。でかい真っ黒い壁にユミが触れると壁はガラスが割れるように崩れ落ちた。

 そして、その中にはアキラが立っていた。しかし、その姿は生気がなく抜け殻の様だった。

「アキラ…あんたを縛っていた呪縛…苦しめていた悪意。今、解放してあげる!」

 ユミはアキラの胸元に思いっきりの正拳突きをした。アキラの身体は細かい煤のようにして消えた。

「リサ、アキコさん…終わったわ…デビルスプログラムの駆除成功よ…」

「ちょっと待って?これで解決なの?大丈夫?」

 リサが拍子抜けな声をあげた

「ここから先はアキラ次第…さぁ帰りましょう」

 そう言った途端にシュン、ゴロー、マリコが固唾をのんでみていたモニター画面か真っ白から真っ暗になり、同時にリサ、アキコがヘルメットとVRゴーグルを取り起き上がった。一抹の不安はあったが、アキラの身体は変わらずそこにあった。


 薄暗い部屋の明かりの中で、額の青い起動確認ランプの点灯・消滅のあとで、静かに起動呪文が流れた「アキラ01。Fパワーにて起動電圧確認。システムノーマル01。スタンバイ。」ゆっくりと目を掛けるアキラ。

「俺はどうしたんだ?俺は姉さんの壊されたんじゃないのか?なぜ起動できる?」

 半身を起こして周囲を見回した。ベンチには毛布を被ってお互いに支えあって寝ているリサとアキコ。テーブル覆いかぶさっているマリコ。シュンとゴローは別々のベンチで毛布を被り横になって寝ていた。

 アキラは起き上がり、自分の身体を見てみた。右腕のバイオブラスターは無くなっていたが、「直っている?あれだけの大破した損傷が直っている?」アキラはパニックだった。「なぜこんな俺を…?」横に置かれた作業台を見て驚いた。ユミが寝ていた。しかし、アキラとの戦いの損傷はそのままに、左肩と右足のパーツが欠損し、身体のあちこちのパーツが数多く欠損していた。作業台から降りて足元を見ると黒く焼け爛れたアクチュエータが転がっていた。「おれの左肩のアクチュエータだ…それじゃ?姉さんのパーツを俺に移植てくれた?右足の配線も交換してくれた?」夢遊病の患者のようにフラフラと歩き始めるアキラ。そして、一番近い緊急脱出用のポッドに辿り着き、目標にドルモアを設定し乗り込んだ。その数秒後、射出された緊急脱出用ポッドはアキラを乗せてドルモアに落ちていった。


 6人のうち一番先に起きたのはマリコだった。そして、とんでもない異変に気付いた。

「リサ!アキコ!起きて!大変!アキラがいない!」

 大声で叫ぶマリコ。それを聞いたアキコが眠い目を擦りながら起きてきた。

「マリコ…大丈夫よ…アキラの身体はあたしとリサとでしっかり直したし、プログラムの改変もウィルスの駆除もユミがちゃんとやってくれた…多分、今頃はデフラグがかかって今までの行動が間違っていた事に気づいている頃…でも、お願い…あと4時間位…寝かせて…」

 そう言ってアキコはまたリサに寄りかかって寝てしまった。


 アキコから依頼された一件は一応終了した。6人はダブルシャークに戻り、シャークに事の顛末を報告した後で、10時頃にスペースイーグルでク・シハシ飛行場に帰還した。ただ、全員が無傷とはいかなかった。ユミがあちこち損傷を受けており、その関係で、ユミはカーゴルームで車椅子での帰還を余儀なくされた。

 今日だけは飛行場の横の使われていないスペースにスペースイーグルを駐機し、この後は昼食をとり、シュンとゴローはスタンバイルームで仮眠。リサ・マリコ・アキコ・ユミは3階のリサの自宅で同じく仮眠をとる算段であった。スクラブ姿で三角巾で吊られた左腕と左目には眼帯を付けたの車椅子のユミとそれを押すリサ。その後ろに残りの4人が歩いていた。

 イーグルベースに近づくと、背の高い男が立っていて「誰だ?」とシュンは思って更に近寄るとその男は真っ白いスーツを着たアキラだった。

 ゴローは直ぐにユミとリサの前に両手を広げて立ちふさがり、マリコはユミの陰でいつも持ち歩いている絶対秘密のトラベルケースを開けて13mmハンドブラスターをアキコ・リサ・ゴローに渡した。一応、シュンにも渡そうとしたがアキラから視線を外さず、「いらない」のジェスチャーだった。しかし4人は銃を構えた。

「なんの用事だ?」

 先日まで殺し合いをしていた間柄、気は抜けなかった。

「シュン様…」

「お前に“様”呼ばわりされるほど不気味な物はない?もう一度聞く?なんの用事だ?」

 アキラは神妙な口調で話し始めた。

「はい、私は先日まであなた方とは殺し合いをしていました。しかもユミ姉さまには大けがを負わせてしまいました。これは決して許されるものではありません。これは私のお手製ですが、私の“デレートシステム”です。もし、どうしても許せないと言うならば、この場で私をデレートしてください…覚悟はできています…」

 そう言って赤いボタンが付いた白い小さな箱を震える手で差し出した。有線ではない、多分、無線か何かで繋がっているのだろう。

「本気なんだな?」

 一番の当事者のユミは両手で口を覆って何もしゃべれないでいた。マリコ・アキコ・リサ・ゴローも銃を構えたまま固唾を飲んで見守ることしか出来なかった。時間が止まっていた。

「ならば、これが答えだ!」

 シュンの左手に握ったデレートシステムに右手の人差し指が触れる寸前、左手でデレートシステムのバキバキと握り潰し、そして、叫んだ!

「ゴロー!」

 空中に投げられたデレートシステム。この時を「待ってました」とゴローは13mmハンドブラスターで撃ち壊した。破片がキラキラと落ちてくる中、シュンは呟いた。

「それじゃ?アキラ…これで終わりだな…あばよ…」

 シュンはイーグルベースのドアを開けて入ろうとした時に、ユミが自力で車椅子を押してシュンの元に駆け寄ってきた。それを察したシュン。

「ユミ…もう俺はアキラを助けた…これ以上は俺には何もできない…わかるな?」

 何も言い返せないユミ。今度はユミの泣きそうで困惑した顔を見たリサが助け舟を出してきた。

「シュン?ユミは私の携行備品よね?その携行備品の中にアキラも入れる事も私には出来るんだけど?」

 シュンは困惑した。この女何言ってる?

「もし、ダブルイーグルにアキラを携行備品として入れないって言うなら、あたし、ユミを連れて一緒に軍に泣いて帰るから!」

 その言葉を聞いたシュンはローズイとの会話を思い出した。「万が一、彼女が泣いて帰ってくるようならば、本当に、ダブルマークと連合宇宙軍との全面戦争になるかもしれない」との話だった「や…やられた…」リサの最後の必殺技だった。非常に重い決断を迫られるシュン。


 シュンは全員の表情を見た。リサとユミは最後の素晴らしい決定を待つ顔。アキコは厄介払いができる喜びの表情。マリコはユミの思いを受け止めてあげての表情。ゴローとは言うと手を頭の後ろに組みどっちでも俺はいいぞ的表情。シュンの味方は誰もはいなかった。


「あ~あ!わかったよ!俺も火力のあるコンバットロイド欲しかったところだ!アキラ!たっぷりとこき使ってやる!覚悟しろ!」


 女性陣は「やったぁ!」飛び跳ねて大喜び!そんな中でアキラは呆然としていた。

「シュン様…私をダブルイーグルに…?」

「アキラ…“様”はいらない。シュンでいい。それとリサとユミに感謝しろよ?今度も無理矢理にねじ込まれて、押っ付けられた!」

 シュンの捨て台詞だった。アキラはシュンとそのメンバーに深々と頭を下げた。そしてアキコの所に行き呟いた。

「アキコ様…実は…」

「なによ?私にはもう用はないでしょ?」

「実はこのスーツのレンタル料なんですが、私は1ボルも持っていないもので、アキコ様から以前お預かりしたクレジットカードで支払いました。このお支払いをお願いできませんか?」

 アキコはまだ何かあるのとちょっと怒っていた。

「わかったわよ!その代わり、アキラ!リサの所に行ってもちゃんと仕事するのよ!あたしの顔に泥塗るんじゃないわよ!リサ!この馬鹿がヘマしたらすぐに連絡頂戴!バラバッラに分解して、燃えないゴミに出してやる!」


 何とか、シュンの英断で事は収まった。が、その後の事後処理はまだ終わっていなかった。まずグレート・ビルド・ワンはアキラがいなくなった事で航行不能。ゼンバの小惑星ドックに戻されて解体処分されるとの事。

 問題はアキコの債務だが、一時立て替えでダブルイーグルの口座から出ていた。成功報酬500万ボルと経費が9200万ボルの合計9700万ボルでアキコは自己破産するかと思われた。しかし、ここで吉報が入った。アキラの無断出航の直後の会議で小惑星と衛星の破壊を看過できないとの軍財務部の決定で、連合宇宙軍はグレート・ビルド・ワンの破壊かアキラの破壊に1億ボルの懸賞金をかけたのだった。懸賞金はアキコに支払われ300万ボルの黒字になった。が、その直後のダブルシャークとダブルイーグルのご苦労さん会で黒字分は消失し、ここで更に400万ボルの赤字を計上した。アキコがレストラン“てんせいえん”荒れまくった事は想像できるだろう。

 アキラだが破壊されたはずのAKIRA-01がまだこの世にいてはおかしいので、リサが作った最新型のコンバットロイドとの登録となり、マスター登録はリサで正式名称は「YUMI-90 MK-Ⅱ AKIRA」となり、ユミと同じのリサの連合宇宙軍からの携行備品登録となった。

 大破したユミだが、約束のとおり、右腕は以前の200を超えるツールが入った腕に戻されたが、左腕のインパクトナックルはユミの強い希望もあってそのまま残された。しかし、人工皮膚の巻き取り機能は新しい左腕には取り付け不能で、両腕の見栄えのバランスで両腕とも人工皮膚の巻取り機能は取り外された。


 アキラはと言えば今日もイーグルベースで茶坊主として最新型でLiシリーズ最強のコンバットロイドは今日も元気に走り回っている。

 終り


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