第6話 魔王様
このくらいの量なら、思いつきで書けるから楽で良い。ただ思いつきでかけない、前書き後書きが嫌だね。
魔王城、城内。
マコトとロウダンは、赤い絨毯が敷かれた広い廊下を、ゆっくりと歩いている。
「――にしても…あれ本当に番人なんだよな?すんなり通してくれたんだが…。」
マコトは不思議そうかつ、不安そうな顔をしながらロウダンに問う。
「まぁあれでも魔王軍屈指の巨兵だ。右に座るは『レフト』、左に座るは『ライト』ってな。レフライ兄弟って言われりゃ、魔界じゃ有名だぞ?」
「うーん逆。逆じゃないかなぁ…。あいつらからして見れば左右あってるけど、こっちから見たら、右が左で、左が右?分かりづらいなぁ…。」
ふとマコトは周りを見渡す。
「やっぱり魔王城って言うより王城だよな。どこもかしこも、『魔』が付くような物がないな。」
左右に黄金の銅像。しかも女神様みたいな銅像がズラリ。
「協会かここは…。魔界が魔を避けてどうすんだ…。」
「おいマコト。そろそろ魔王様の部屋だ。絶対に失礼の無いようにな。」
「え?一緒に来てくれない感じなの?」
「魔王様は君、転生者、正義真を呼び出したんだ。俺はお呼びでないからな。」
マコトが目を点にする。
「何さっきから真面目キャラ演じてんだよ。」
「俺は元から真面目だ。良いから早く行け。この先右に曲がったら魔王様の部屋だ。何度も言うが、失礼の無いようにな。」
「はいはい分かったよ。じゃ行ってくるわ。」
ガン押ししてくるロウダンに、マコトはあしらう感じで答える。
「どーせまた、変な感じの魔王なんだろうし…。この世界本当大丈夫なんだろうか…。」
マコトは小言を口ずさみながら魔王の部屋へ向かう。
「魔王の部屋って何て…なんて名前なんだろ…?王様の部屋が『王室』だから、『魔王室』?なんか違和感あんなぁ。…って、えぇ…!?」
マコトは魔王の部屋の前に立つ。
「異様に…デカい…な。」
もの凄く大きな扉には、大きく文字が刻まれていた。
「『最後の部屋』って…。完っ全に相手方目線なのね。」
マコトは扉に手をそえる。
「魔王様だけ、魔王らしい感じじゃないよな…。いやいや。どーせその辺の、おっさんとかが出てくるな。うんそーだ、きっとそーだ。」
またまた小言を挟み、マコトは扉を開ける―――
「――良くぞ参ったな。新たな救世主 正義真よ!…いや…違うわね。魔王軍に来ている以上、救世主ってのもおかしいわね…。」
何かを練習する女性が1人。
「漆黒を纏いし、屈強なる新たな人間よ…!良くぞ参ったな!…うーん…何かピンと来ないわねぇ…。」
大きな胸を揺らしながら練習する、女性が1人。
「そうだわ!…そしてようこそ♪マオーグン♪今日もドッ………。」
こちら側に指を指しながら、決めポーズをする女性が1人。
……。
「……あ。」
「いやぁ。最後のやつは危なかったですね。」
ボフンッ!!!
マコトが冷静に答えると、女性は顔を真っ赤に染めながらこっちに走ってくる。
「ノックぐらいしなさいよバカァァアア!!!」
「ウグウェッ!!」
思いっきり殴られ飛ばされるマコト。
「ハァハァハァ…。」
涙目になりながら女性は叫ぶ。
「この礼儀知らずめッ!!」
アベマで、ごちうさとか物語やるとまるっきり部屋から出られなくなるのよね。うん。その時だけは全ての通知を切るようにしてます。