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私は、深冬にすべてを話した。
深冬は驚いた顔をして私たちを見つめている。
雪絵の過去、出会いの経緯は、今思い出しても壮絶なものだ。
横にいる雪絵は、気まずそうに俯いている。
妻の肩に手を回し、そっと右肩に触れながら、
「深冬」
娘の名を呼ぶ。
雪絵に似た娘は、立派な医師になり、誰かと新しい家庭を築く。
「もう、母さんのように苦しむ人を、作らないでくれ、
自分にできる精一杯で、相手を、将来生まれるかもしれない子どもを、幸せにして、自分も、幸せになるんだ」
私は、彼女の幸せを願って生きてきた。
彼女が幸せに暮らせるよう、最大限努力してきた。
彼女はいつも、私の横で「幸せよ」と笑ってくれる。
それだけで、私の人生は報われたのだ。
「お母さん、お父さん、話してくれて、ありがとう」
向かいに座る深冬が、私たちに向かって頭を垂れた。
そして雪絵に似た笑顔で、ふわりと、笑う。
「幸せになるよ。そして、家族を、幸せにしたい」
私は頷く。
「必ずふたりで、幸せになりなさい」
雪絵は前を向いて、深冬に言った。
それは、深冬が産まれてから、私たち夫婦が願い続けてきたことだった。
*
深冬の結婚式、当日。
控え室にて、深冬と、深冬の夫になる司さんに対面した。
たっぷりのフリルとレースの付いたウェディングドレスを纏った深冬は、あの日の雪絵とそっくりだった。
ダイヤモンドが光り、丁寧なネイルアートの施された指先が、幸せを物語っていた。
「懐かしいな……」
思わず、ひとりごちる。
「お父さん?」
深冬は私に問いかけ、白いタキシードに身を包んだ司さんが、私に不思議そうな目線を向けた。
「綺麗だな、と言ったのだよ」
「ありがとう、すごく嬉しい。司くんも、すごく似合ってる」
「ありがと。深冬、本当に綺麗だよ」
嬉しそうに笑い合う二人の姿に、昔の私と雪絵を見たような気がした。
「昔の私たちみたいね」
雪絵も、そう呟いて笑う。
「そうだな」




