表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/54

第41話 正義の味方と悪の女幹部、感謝される

 異世界生活三十八日目


 リリーがメリアとタリアの二人の改造、もとい治療を始めて五日経った。


 いまのところ問題もなく順調に進んでいるらしい。

 そもそもあの程度の手術は数多くの怪人製造を手掛けてきたリリーからしたら、さして難易度の高いものでもないのだろう。

 彼女は特に気負う様子もなく、作業を進めている。


 そして俺はというと、冒険者ギルドに来ていた。


 実際のところ、俺が研究所にいても手伝えることは少ないのだ。

 研究所内の雑用やリリーの手伝いをすることもあるが、必要性は高くない。


 それにオジェクに顔を出さないわけにもいかないのだ。

 なぜなら二人の治療は地下研究所で行っているが、対外的にはオジェク内の自宅で行っていることになっているため、二人して研究所に引きこもってしまうのはマズイ。

 なので俺はちょくちょくオジェクの街に顔を出し、街の中にいることをアピールしているわけである。


 それに電話がなく情報伝達の手段が限られているこの世界においてギルドの役割はかなり重要だ。

 冒険者に登録している俺たちは大概のことは冒険者ギルドを通して連絡がくる。

 そのため俺は二、三日に一度は顔を出すようにしているわけだ。


 そして俺がギルドに顔を出すと案の定、受付嬢のミラに声をかけられた。


「アッシュさん、ちょうど良かった。ギルマスが用事があるそうですよ。呼んできますので食堂のほうでお待ちいただけますか?」

「わかった」


 俺は言われるままにギルドに併設される食堂兼酒場へ行き、ついでに軽食と果実水を注文する。


「酒は頼まないのか?奢るぜ?」


 そう横から声をかけてきた人物のほうを見ると、見知った顔があった。

 というか彼と同じような顔は多様な人種が住まうこの街でもあまり見かけない。


 彼の顔は、ライオンそのものだ。


 えーと、名前は何だっけ。

 記憶力に自信のない俺は早々に思い出すのを諦めて、彼の顔をデータベースに照会する。


 俺たちの集めた情報はすべて研究所のコンピュータに集積されて管理されている。

 会った人物の顔と名前はもちろんのこと、以前に会った日時と場所、何が好きか、誰と交友があるかといった個人情報を集めているので、次に会った時にどういう人物かをすぐに調べることができる優れものだ。


 データベースはすぐに照会結果をはじき出す。

 ああ、そうそう、アレンだ。

 三級冒険者でメリアとタリアが負傷したときに組んでいたパーティーのリーダーだ。


 彼のパーティーメンバーと思しき三人もそばにいる。


「えーと、アレンだったか?」

「覚えていたか。こいつらが俺の仲間、大柄のが盾持ちのケイン、若いのが魔術師のアベル、髭面が弓使いのジョセフだ」


 そう言ってアレンは後ろに立つ三人の男を紹介する。

 華はないが腕の立ちそうな男たちだ。


 おっとそんなことはどうでもいい。


「それでなんで俺に酒を奢るんだ?」

「あんたらが来てくれなきゃ俺たちも危なかったからな、酒ぐらい奢らせてくれ」


 そう言ってアレンは笑みを浮かべる。

 顔は見るからにライオンなんだが、こういう表情を見ると人間っぽい部分もあり、なんとも不思議な気分になる。


 しかしまあ、冒険者らしい義理というのだろうか。

 俺は昼間からは酒は飲まないんだが、そういうことなら一献頂こう。


 届いた酒を受け取りジョッキを掲げ、アレンが音頭をとった。


「稀代の英雄に」

「英雄に」


 英雄っていうのは、もしかしなくても俺のことなんだろう。


 むこうでも”正義の味方”をしていて英雄(ヒーロー)なんて呼ばれたことはある。

 でもそれは記号としての呼び名に過ぎず、尊敬や敬意を込められた呼称なんかじゃなかった。


 感謝されたとしてもそれは”正義の味方”に対してであって、俺個人に対してではない。


 でもここの人間たちは、()に本当に感謝してくれているのが分かる。

 なにせここでは”正義の味方”じゃなくて、”アッシュ”でしかないんだから。


「あんた、赤翼大蜥蜴だけじゃなくて大口大蛇も倒したんだって?」


 酒が入ったせいで饒舌になったのかアレンの仲間の一人である髭面のジョセフが話しかけてきた。


 大口大蛇の一件ではほぼギルドの冒険者全員で解体にあたったので俺たちのことは知られているはずなんだが、彼らはあまり知らない様子だったのが気になった。


「確かに俺があのデカい蛇を倒したが、その時街にいなかったのか?」

「ああ、隊商の護衛で長い間この街から離れていてな、街に戻ってきたのはあの森の調査依頼を受ける前日だ」


 確かに俺がこちらに来てからアレンの姿を見かけたことがなかった。

 こんな目立つ姿なら覚えているはずなので、納得がいった。


「そういや、お嬢ちゃんたちはあんたが奴隷にして引き取ったんだろ?」


 さりげなく話題を向けてくるが、彼らが気にしてるのが丸わかりだ。


「奴隷にしたのは俺じゃなくて、もう一人のほうがな」

「ああ、”黒き魔女”か」


 すっかりリリーは”黒き魔女”の通称が定着しているみたいだ。


「噂で聞いたんだが、”黒き魔女”が二人を治療するんだってな?……それで二人は治るのか?」

「順調だぞ。まあ、治療のほとんどはリリーがやっているから俺はそんなに詳しいことは知らないんだが」


 それを聞いてアレンは安堵したように息をついた。


「二人のことは俺の責任でもあるからな。もしかしたら二人のようになっていたのは俺たちのほうだったかもしれん。……固まらずに散って逃げた時点で誰かが犠牲になる可能性が高いことは分かっていたことなんだがな」

「それこそ言っても仕方のないことだろう。こんな稼業だ、絶対の安全なんてない」


 俺の言葉にアレンは苦笑を浮かべた。


「一撃で赤翼大蜥蜴を屠る奴に言われても慰めにならねぇよ。……それにしてもお前さんもその相方も規格外みたいだな。”黒き魔女”は腕利きの魔術師であり、魔導士ギルド支部長が惚れ込むほどの魔道具作りの天才、しかも相当腕のいい治癒術師なんだろ?」


 リリーが二人の治療を引き受けたから治癒術師なのだという誤解があるようだ。


「あれを治癒術と言っていいのか知らないが、まあ腕はいいのは違いない」


 アレンが俺の言葉をどう受け取ったのか分からないが、なにか納得した様子だった。


「なるほど”黒き魔女”の治癒術は普通の治癒術とは違うもんなのか。普通の治癒術師ならお手上げだぞ、あの二人の傷は。まず高位の治癒術でも四肢の欠損は元に戻せない。無いものはどうしようもないってことだ。切れてすぐならば、繋ぐことはできるらしいがな。あとは大きな傷も完全に元通りってわけにはいかない。大なり小なり傷跡が残る。だから嬢ちゃんが負った火傷なんかも治癒術では痕まで治せないな」


 なるほど治癒術も万能じゃなくて、結構限界があるんだな。

 幸いなことに俺は頑丈なのでこちらの世界に来て治癒術というものに世話になったことはないし、リリーがいる以上今後も治癒術の世話になることもないだろう。

 とはいえ、こちら特有の技術である治癒術なるものに興味はある。


「治癒術ってそんなに腕によって差があるのか?」


 MPを消費して呪文を唱えれば一定量回復するゲームの治癒魔法とは違うのだろうが、個々の技量によりそんなに変わるのだろうか。

 アレンはそんな俺の問いに答えた。


「腕がいい治癒術師は治す速さが違うんだよ。致命的な傷だと腕が悪ければ手遅れでも腕が良ければ助かる場合もある。それに深い傷は治りが悪いから何度も治癒術を受ける必要がある。治療に時間がかかると再起にも時間がかかるし、金も無駄に必要になる」


 治療を長引かせて金を無駄に使うより、高額な治療費でもさっさと治療して仕事に戻れば金を稼げるってことか。


「とはいえそれも治癒術で治せる範囲でのはなしだ。普通は治癒術で治せる程度の傷か、手遅れで死ぬかののどちらかなんだ。それに治癒術師だって慈善でやってるわけじゃない。金を払えそうもない奴は治さないし、金が払えない奴は死んじまうんだ。だから治癒術では手に負えないくらいの瀕死でありながらも生きてるなんてことはないんだよ」


 俺たちが応急処置をしたからメリアとタリアは命を取り留めたが、普通は死んでいるはずだったと。

 そして辛うじてでも生き残ってしまったために治療にかかる金は莫大になり、奴隷に落ちるはめになったと。

 アレンは俺たちを責めているわけではないだろうが、俺たちの行動には責任が伴うことを言っているのだろう。


「それでも俺は二人を助けたことを後悔しないし、助けたからには面倒を見るつもりだ」

「そうか……頼んだぞ」


 俺の言葉に満足したのか、アレンは深くうなずくと再びジョッキを傾けた。



 * * *



 ウォルトがやってくると呆れたように俺たちを見た。


「なんだ、昼間っからすっかり出来上がってるな」


 ちなみに俺は一杯しか飲んでいないし、アルコールは分解されるため酩酊といえるほど酔わない。

 主に酔っぱらっているのはアレンの仲間だ。

 アベルという若い魔術師は酒に弱いらしく、早々に酔いつぶされていた。


 冒険者という自由業にあるものたちは真昼間から酒を飲んでいる連中が多い。

 この世界の中世程度の文化レベルで容易に入手できる飲料が水かお茶か酒であるため、仕方ないとも言えるのだが、それでもそのせいで冒険者は荒くれ者というイメージがついている面もある。


 ウォルトが用があるのは俺であり、俺が酔っていないのだから問題ないだろう。


「今日は何の用だ?」

「お前さんが倒した赤翼大蜥蜴の素材の件だ。解体して素材は全部ギルドで回収してあるが、売却するのか?」


 ウォルトは俺の横に腰かけながら問いかける。

 ああ、あれの素材か。

 メリアとタリアのことで手一杯ですっかり忘れていた。


「そうだな、大口大蛇の時と同様に魔石と素材一揃いを一定量づつ持ち帰る、それ以外は売却して解体と運搬の費用を抜いておいてくれ」


 俺がそう言うとウォルトは若干呆れたように俺を見た。


「ギルドを信用してくれるのはありがたいんだが、お前は金に頓着しなさすぎじゃないか?」

「そうか?」


 金にがめついつもりはないが、貰うもんは貰っているとは思うんだが。

 そんな俺の様子にアレンが口を挟んだ。


「俺たちが倒した赤翼大蜥蜴より、お前さんが倒したほうがデカいし状態がいい。なにせ一撃で倒したからな。だから俺たちのものより断然高値で売れるんだ。それでもお前さんは売値を吊り上げようともしないし、解体と運搬の経費を言い値のまま支払おうっていうんだから馬鹿が付くお人好しだろ」


 本音を言うとそういった交渉が面倒だからギルドに丸投げしているだけなんだが。

 まあ、命を懸けている冒険者はできる限り金を得たいと思うのが当たり前なのだろうが、俺たちはそこまでして金を稼ぐ必要性を感じていないしな。


「金に困ってるわけじゃないからな。俺を騙すっていうならそれなりの対応はするが」

「お前たちを騙すなんて肝っ玉のある連中はこの街にはいないだろうさ。大口大蛇や赤翼大蜥蜴以上の化け物を相手にするも同じだからな」


 俺たちを化け物扱いするウォルトに若干抗議したいが、事実その通りなので何も言えない。

 領主にも、この街の主要人物にも覚えがいいので危険視されていないが、実際のところ相当な危険人物だよな。

 俺たちのスタンス次第では危険視されて排除対象にされかねなかったことを考えると、かなり際どいところを綱渡りしていたようだ。

 ちょうどいいタイミングで俺の当て馬になってくれたハロルド一派には足を向けて眠れないな。


「それとこれだ」


 そう言ってウォルトがひとつの革袋を差し出す。


「なんだ、これ」

「先日の臨時依頼の報酬だ。多くはないが用意しておいた。ついでにお前たちを四級に昇級させようと思うが、どうだ?」


 ウォルトの申し出に俺は若干驚く。

 そろそろ昇級してもいい頃かと思っていたが、飛び級とは。


「俺たち、今は六級だぞ?ひとつ飛ばすのか?」


 俺の言葉に驚いたのはアレン達だ。


「……むしろあの強さでまだ六級だったのか?」


 呆れたようなアレンに対し、ウォルトは若干諦めた様子で言った。


「前回、大口大蛇を討伐した時に昇級させるつもりだったんだが、あのごたごたの片づけに時間を取られて機を逃しているうちにこいつは赤翼大蜥蜴を倒しちまったんだよ」

「短期間でその二体を相手にすること自体あり得ないんだがな」


 俺だって相手したくてしたわけじゃねーよと言いたい。

 完全にどちらも巻き込まれただけだ。

 ……まあ、巻き込まれたから正面からぶちのめしたが。


「兎に角、お前たちには四級に上がってもらう。近いうちに昇級試験を受けてもらうからな」


 ウォルトはそう言い切った。

 ってか昇級試験あるのか。



 * * *



「アッシュさん、お帰りなさいませ」


 オジェクの街での用事を終えて地下研究所へと戻ると、元気な姿のタリアが俺を出迎えた。

 彼女は両手両足に義肢を着け、リハビリに励んでいる。

 勿論ただの義肢ではなく、彼女の思い通りに動くロボット義肢である。


 とはいえ、彼女が今着けている義肢は汎用のロボット義肢でリリーが彼女に用意するものは別にあるらしい。


 本来使うべき義肢でリハビリをしなくては意味がないように感じるのだが、リリーが言うには用意する義肢は重量バランス、操作感は汎用のものと大差なく、むしろこれから用意する義肢のほうが簡単に慣れるだろうとのことだ。

 それに今のリハビリは義肢を使うことの訓練であり、これをやっておくと用意する義肢を使い始めたときに慣れやすいのだそうだ。


 さらにタリアはすでにBMIブレインマシンインターフェイスの手術を終えている。

 BMIを用いれば、より直感的に義肢を扱えるようになるため、普通の義肢よりはるかにリハビリをする期間は短くて済む。


 現に今もタリアはリハビリをしているが、日常生活を送る程度はすでに問題ないレベルまでにはなっている。


「どうだ調子は?」

「大分、新しい手足に慣れてきました」


 そう言ってタリアは手を握ったり開いたりして見せた。

 メカメカしい義手が痛々しくもあるが、本人は気にしている様子はない。


「それにしてもすごい魔道具ですよね。思った通りに動かせるなんて。見た目の違いと痛覚がないのを除けば自分の腕みたいです」


 至って普通のロボット義手なのだが、彼女はそれをどうやら不思議な魔道具と捉えているようだった。

 十分に発達した科学は魔法と見分けがつかない、だったか。

 どちらも凡人には詳しい仕組みを説明できないという意味で同じか。


 俺がタリアのリハビリを看ていると、リリーがやってくるのが見えた。


「あ、タリア、ここにいたのね。メリアが目を覚ましたわよ」

「本当ですか!?」


 そう言ってタリアは駆けていく。

 うん、義肢を使いこなしているようでなによりだ。


 メリアの病室に入るとベッドの傍らで目に涙を浮かべながらタリアがメリアに寄り添っていた。

 ベッドには包帯でぐるぐる巻きになっているメリアが横たわっている。

 とはいえ意識はあるようで、タリアと小声で受け答えをしていた。


 俺とリリーが部屋に入ってきたのに気づいた二人は視線をこちらに向けた。


「今、包帯を取るから」


 リリーがそう言うとメリアが若干おびえたように体をこわばらせた。

 あのトカゲによる火傷で見るに堪えない姿になっていると想像したのだろう。

 そんな姿を見るのが怖かったのかもしれない。

 勿論そんなものは杞憂だ。


 リリーがさっさとメリアの包帯を解いていき、包帯の下から現れたのは以前と変わりないメリアの姿だ。


 その姿を見てタリアも涙ながらに笑みを浮かべ、そしてリリーに手渡された手鏡を覗き込んだメリアは自分の姿を目にして涙ぐんだ。


「そんな……」


 この世界の治癒術でも成しえない奇跡だろう。

 火傷を痕すら残さずに綺麗に治すなんてことは。


「リリーさんはお姉ちゃんを元通りにしてくれたの。私にも手足をくれたんだよ」


 メリアはタリアに言われてようやく彼女の失われていた手足に気づいたようだった。

 二人は手を取り合い、涙を流して喜びあっている。


 そんな二人を眺めながら俺はリリーに問いかけた。


「随分とメリアの髪が伸びるの早くないか?」


 確かメリアは頭にも火傷を負い、頭部にも人工皮膚を移植している。

 手術直後の様子を見ているから知っているのだが、メリアの髪はなかったはずなのだ。

 それなのに今はショートボブ程度にまで伸びている。


「それは傷の細胞の再生を早めるために代謝を促進しているからよ」


 なるほど、超科学的育毛剤があるわけじゃないのか。

 そんなものがあれば地球で天下を取れると思うが。


「それに元々タリアと同じ金髪だったろ?なんで銀髪になってるんだ?」


 メリアの今の髪の毛はプラチナブロンドなんて目じゃないほどの銀色で、かつらなんじゃないかと思うほどに綺麗で艶やかだ。


「それも人工皮膚による影響よ。私の人工皮膚は分泌線や毛包も再現できるんだけど、毛というのは皮膚の一部だから、皮膚の特性を引き継ぐのよ」

「……もしかしてあの髪の毛も頑丈だったりするのか?」


 俺の言葉にリリーは笑みを深くする。


「ええ、ピアノ線みたいなものよ。彼女の髪の毛を結い合わせれば、強靭なワイヤーができるわね」

「お前、とんでもないものを作ったな」


 群を抜いた防御力、一般成人男性の四倍のパワー、鋼鉄より硬い爪、ピアノ線ばりの髪の毛。

 完全なる改造人間だ。


「正直やりすぎた感はあるけど、結果良ければすべて良しよね」


 リリーは喜びの涙を流す二人を眺めてそうまとめた。

 綺麗ごとを言って、自重しなかったことを有耶無耶にしようとしている気がするが、喜ぶ二人を見るとそれも指摘できない。


「メリアの治療はほぼ終わりね。あとは体力を回復させてリハビリってところね。タリアはもう少しで専用の義肢が完成するから、そっちに取り替えてリハビリして……あと一週間もしないうちに普通に生活できるようになるわ」


 リリーの言葉を受け、二人は深く頭を下げた。


「本当に、本当に助けて頂き、ありがとうございます」


 それを見て、リリーは満足そうに深い笑みを浮かべた。


「さて、これからのことをお話ししましょうか」


 ……うん、すごく悪役っぽいな。






登場人物


アッシュ 元”正義の味方”

リリー  元”悪の女幹部”、通称”黒き魔女”


メリア  冒険者姉妹 タリアの双子の姉 全身に重度の火傷を負った

タリア  冒険者姉妹 メリアの双子の妹 両手両足を失った


アレン  三級冒険者 ライオンの獣人

アベル  アレンの仲間 若い魔術師

ケイン  アレンの仲間 大柄盾持ち

ジョセフ アレンの仲間 髭面の弓使い


ウォルト 冒険者ギルド オジェク支部長 通称ギルマス

ミラ   冒険者ギルド 受付嬢 猫の獣人

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ