↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギスギス!ハーレム異世界─五つの派閥の女達─  作者: てんたくろー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/15

あなたは英雄だが、ハーレム内は対立している。

 ここに、ハーレムがある。あなたのためのハーレムだ。

 あなたは地球から異世界に呼び寄せられた一人の男だ。そしてその際に与えられた奇跡の御業にて世界を脅かす恐るべき怪物、竜魔王を倒してこの世を救った英雄でもある。


 戦後、あなたは世界各国から様々な、そして莫大な財を与えられた。

 金銀財宝は言うに及ばず領土、それを有用かつ平和的に運営するための有能な官吏達。あなたを英雄として慕い集った領民達に、世界中どこででも通用する名誉と権力、権威。

 そして────世界救済の旅路のなかであなたを愛した女達と、彼女達を住まわせる極上の楽園と。


 異世界に来て、あなたはすべてを手に入れたと言っていい。世界を救った男に対して当然の報酬であり、あなたにはそれを受け取る権利が十分にある。

 異世界の者達からすると、与えること、受け取ってもらうことは義務ですらあるだろう。


 しかし。そうして始まった順風満帆の生活だったが、あなたはすぐに新たな火種を察知することとなった。

 あなたを愛して集った美姫達、総勢50人余りのハーレム内で発生した不和──派閥争いである。


 きっかけは、言ってしまえば恋愛観である。特に夜の営みに関してのものだ。

 言うまでもないことだがあなたは、この世にたった一人の英雄、そしてそのハーレムの主だ。プラナリアやアメーバのように斬ったとて分裂するわけでなく、また忍者のように分身できるわけでもない。


 総勢50人もの女達。それぞれとの夜の時間を十全に確保するには、さすがの英雄にも限界があったのだ。

 精力的には問題なかった。あなたは天下無双の豪傑、夜の営みも覇者覇王の精力と益荒男ぶりを誇っている。いかなる女とて"手合わせ"すれば、たちまち競り負けてなすがままに翻弄されるだけの体力と技巧も持ち合わせている。


 しかし、一人だ。一人であるがゆえに、50人を一気に相手取れるわけもない。一週間毎曜日ごとに切り分けたとて1対7、あるいは8だ。さすがに文字通り手が足りない。

 そもそもハーレムの女達のなかには複数人での相手というのを嫌がる者も当然おり、彼女らの意向を汲み取ればどうしても一人あたりに割ける時間は取れなくなっていったのだ。


「────英雄様にはなんら落ち度はありません。そもそも我々ハーレムの女達はみな、自発的にあなた様を慕って集った者達です。半ば押しかけた者もいます。それをまとめて受け入れてくださった英雄様には、いかなる派閥の女達もみな果てしない敬意と感謝、愛情を抱いております」


 そう、寝床にてあなたに侍り語るのは美姫の一人、ハーレム統括役にしてあなたにとって最愛の女、金髪のシニョンが魅惑のエイラだ。

 異世界に転移してきたあなたを世話した女。旅路のなかでも支え続けた女。そして初めて愛し愛され、最初から最後までともにい続けた女。


 それゆえに各派閥のなかにあってもエイラだけは特別格として別枠に収まっている。あるいはハーレム内での頂点に君臨する者と言っていい。

 そんな彼女は、今、手合わせを終えた後に改めてあなたに現状のハーレムについて説明していた。ピロートーク代わりに、甘い吐息を混じらせながらの口調である。


「ですが、彼女達は誰もが別個の人間。生まれも育ちも違えば考え方も異なります。貞操観念や愛情の捉え方さえも。それが如実に表れたのが現在の、ハーレム内の五派閥──清楚派、純愛派、中立派、愛人派、放蕩派なのです」


 語られるハーレムの実情に、あなたは静かにうなずいた。形成されている五派閥についてはすでに知っているところだが、改めて突きつけられると何ともいえず不思議な複雑さがある。

 特に五派閥のなかの後者二つ、愛人派と放蕩派についてはあなたは非常に微妙の感覚を抱かずにはいられない。


 五つの派閥の明確な特徴とは、つまるところ各女達が抱える自らの欲求や、あなたへの愛情の捉え方や示し方、何より貞操観念の違いに他ならない。

 そう、つまり──夜の営みに関して。愛人派と放蕩派は明確に、あなた以外の男と特別な関係を持っている派閥なのだった。


「清楚派、純愛派、中立派の三派閥は、貞操観念は固くあなた様へと一途に想いを馳せております。触れられるのは英雄様のみ、他の男と関係を持つなど決してあり得ないこと……その線引の加減で三つに分かれておりますが、基本的にこの三つに関しては基本スタンスは同じとお考えください。問題は後の二つ」


 静かにエイラの言葉を聞き入れる。清楚派、純愛派、中立派については特に思うところはない。

 言ってはなんだが地球の日本から来た、ネット小説などを読んできたあなたにはそれなりに馴染みのあるハーレムという印象の派閥達だからだ。


 だが愛人派、放蕩派はそこが違う。決定的に違う。

 気遣わしげな視線を寄せるエイラは、あなたにより密着して抱きつきながらも耳元で囁いた。


「愛人派。あなた様とは別にパートナーを設け、寵愛を得られない分にはそちらで欲求を発散している派閥です。そして放蕩派は──なおのことひどく、あなた様以外の男、それも不特定多数との間に関係を持っている女達の派閥。しかしそれでいてあなた様を唯一無二の至上存在として捉えている、そんな派閥なのです」


 苦しさが胸を貫く。脳が破壊される感覚に襲われる。そしてそんなあなたを、エイラは強く抱きしめ慰撫し続けた。

 あなたをこの世の誰より何より慕いながら、しかし欲求の発散は特定のパートナーで行う愛人派と、不特定多数の男達で賄う放蕩派。

 この二つの派閥を巡って、ハーレムは各々の派閥で異論を持ち合う状況なのだった。

一発ネタ。R要素は匂わせ程度ー

よろしくお願いしますー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。