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第一章 再会 呉話 愛

遅くなりすいません!

「.......ん? 朝か」


 朝の陽ざしが俺の意識を覚醒させた。


「おはようございますフウリ様」


 聞こえるはずのない声が聞こえた。いや、聞いてはいけなかったのほうが正しいかもしれない。


「さ、さてと...起きるとするか」


 俺は現実から逃げるようにベットから重い体を起こした。


「だーめ」


 甘い声とともに俺の体は拘束された。


「これは夢だ、そうだこれは夢なんだ」


「夢ではありませんよ♡」


 まるで猫であるかのように自分の頬を俺の体に擦っている。


「な、なんでいるんだよ!?」


 俺は昨日ファルの悪魔の手を逃れて用意された部屋で1人で寝たのだ。


 ファルは当然とでもいう感じで俺のベットで一夜を明かそうとしていたが、それは俺の理性の雲行きが怪しくなるため拒否をしたのだ。


 最初は一緒に寝るの一点張りであったが、数分間にも及ぶ説得により何とか承諾してくれた。その際に頬を膨らませすごく拗ねており、不意にも可愛いと思っていた。


 しかし、まさか俺のベットに潜り込んでいるとは.......恐るべし。


「朝のスキンシップです!」


「いや、それ胸を張って言うことじゃないぞ!?」


「そんなことより、今日は大事なことがあります」


 やけに真剣になったファルに場が少しだけ緊張した。


「ど、どんなだ?」


 たかが数秒の間.......だが、この間がなぜか数分にも長く感じてしまった。それほど俺自身もファルに影響されて緊張してしまった。


 どんな言葉が出るのか? 俺が想像しているよりももっと恐ろしい言葉が? そんな思考が頭を巡っていた。










「フウリ様は本日ローラのもとに行かなければならないのです.......」


「はぁー?」


 ローラのもとに行くだけで、どうしてそんな悲しい顔をするんだ? すると、突然リスのように頬を最大限に膨らましていた。


「乙女心を知らないフウリ様にはわからないもんっ!!」


 と、そっぽを向かれてしまった。


「ご、ごめん.......だが、何でローラのもとに行くんだ?」


 単純な疑問が拭えなく、俺は悲しむファルを置いて聞いた。


「昨夜みんなと話し合って現在の週はみんなでフウリ様を回すって決めたんです」


「回すって.......」


 まぁ、でもローラとも久しぶりにゆっくり話してみたいな。俺のことはおそらく嫌いだと思うがな.......。いつも悪口しか言われないし。


 そんなことを思っていると、ファルは俺の背中に手を回した。


「ど、どうしたんだ?」


 俺は戸惑いながらもファルに言った。


「愛する人と離れてしまうのはつらいことなんですよ?」


 その言葉だけを言い、黙った。この言葉には異常な重みを感じた。俺のことを5年間も好いてくれていた人にとってどんだけ苦しい5年間であったのかが.......。


「あぁ、ごめん」


 俺はファルの小さい体をぎゅっと抱き返した。一瞬ビックっと体が硬直していたが、ファルはすぐに腕に力を込めた。


 そして、俺らはしばらく抱き合っていた。



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