第一章 再会 碌話 仮面
遅れてしまって申し訳ございません! これからは毎日頑張ります!
「フウリ、フウリフウリフウリフウリ!!!!!」
今まさに一つに溶けてしまうような暑い抱擁を受けている。そう、嫌われているはずのローラから.......。
なぜこうなったのか、それは数時間前に遡る。
◇◇◇
「フ......リ様.....フウリ様、起きてください」
「—————————————ん? あ、ごめん」
「謝ることではないですよ? いいものがいただけたので.......ふふふふふっ」
俺はローラの屋敷に向かっていた。今朝ファルから話を聞いた限りでは、俺はこれから4人の間でたらいまわしになるらしい。
別に悪い気はしない。他のみんなと話をしたかったし、今のみんなも見たみたいからいいんだ。
だが、ファルの顔を見ればその気が引けてしまう。今にも泣きそうな表情でずっと俺の左腕を抱きしめているのだ。
この表情を見て誰が快く行こうと思うか? いや、この世の中にはいないだろう。
「フウリ様、ご到着しました」
馬車で移動していたため運転者が知らせてきた。
「じゃあ、行ってくる.......ね?」
俺は馬車から降りようとしたが、降りるという動作が出来なかった。正確に言えばさせてもらえなかっただ。理由は単純。
「ファル? 腕を離してくれないと降りれないよ」
「.......ゃだ」
はいっ、言うと思いました! 短いがここ2日間共に過ごしてきてファルという性格を理解出来ていた。
いわゆる我が儘というやつだ。そしてここからが最も重要である。この我が儘は俺に対してだけなのだ。
飯の時には『あーんしたい』という一点張りで俺の意見など耳も持たず、風呂に至っては『一緒に入る』と言いだすし、睡眠時も『一緒に寝る』なら全然いいんだ。だが、ファルは俺の予想を遥かに凌駕するのだ。なんて言ったと思う?『キスをしたまま寝たい』だよ?そんなの夫婦ですらいませんよ?ましてはまだ俺らは夫婦ではないんだ。ファル曰く、『愛が抑えることを知らない』だそうだ。なんと面白い回答であろうか。
まぁ、そんなことを覆い隠すかのような可愛い仕草、また美貌によってそんな狂気じみた行動は掻き消されるんだどね。今だってそう、今にも消え入りそうな声で目元をうるうるさせている。まるで永久の別れのように。たかが1週間なのに.......。
「1週間後には戻ってくるから」
「.......むりだよぉ、そんなのつらいよぉ.......」
あぁ、もぅ可愛い!!
「ひゃうっ!」
俺は思わずファルを抱きしめてしまった。ファルは驚いたのか、可愛らしい声を漏らした。
「ぎゅーーーーーーーー!!」
抱きしめる効果音を口に出すという何とも大胆なことをしたファルであったがそれすらも可愛いと思ってしまった。
「じゃあ、行ってくるよ」
「いってらっしゃい、フウリ様」
◇◇◇
俺はファルの馬車を見送ったあと、ローラの自宅の門に到着した。
「やった来たのね、まるでブタかと思ったわっ!」
「ご、ごめん」
「ふんっ!!」
もう怒ってらっしゃる.......。これではっきりしているであろう。ローラは俺のことが好ましく思っていない。今回のこのたらいまわしごっこもおそらく負けず嫌い故のことであろう。今日は忍耐力が肝心だ。そう、忍耐力.......
耐えられませんでした。今は既にベットで横になっているが、先ほどまでは暴言の戦場とでも言えるようなマシンガンが俺の心臓もといハートを打ち荒らした。もう、おじさん無理っ!ストレスで胃に穴が.......。
すると、突然ドアが開きだした。
「フウリ、起きてる?」
「..........................」
なぜかわからないが寝たふりをしてしまった。おそらく本能が『そうしなさい!』と俺に言い聞かせたのであろう。
「寝てるよね? なら、いいよね......」
おい、待て。いいよね? まさか! 俺は殺されるのか!?
そんな淡い考えは一瞬にして塵と化した。
「...................ッ!!」
「フウリ、フウリフウリフウリフウリ!!!!!」
甘い声を出しながら俺の横顔に自分の鼻を擦り付けていたのだ。
「好き大好き愛してる!! ごめんね日中はあんなこと言っちゃって......嫌われたかな? 嫌われちゃったのかな? で、でもね! フウリがカッコよすぎるのがいけないと思うの! だって私の王子様なんだものっ! きゃ!」
ん?
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