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護衛クエスト4

翌日、昼間は食材提供(主にリンダのための魚)のため銛でキラーフィッシュを取っていた。

するとキラーフィッシュに絡みつくようにクレセントオクトパスがくっついて獲れた。


ちなみにクレセントオクトパスってのは体長50センチほどで大きな口があるタコだ。頭部が丸くなくいびつな形をしている。

ぎりぎり三日月に見えなくもなくもなくもなくもないからそんな名前らしい。強引な気もするが。

ちなみに、これでも魔物だそうだ。


とはいえ、見た目的には普通のタコと大差ないように見えるから食べれるのでは?と聞いてみたところ、

毒は無いらしいが、普通のタコですら食べたりはしないんだそうだ。

前世日本では普通に食べてたけど、そういえばヨーロッパのほうでは全然食べないみたいだしそういう差があるのかな。

見た目グロいから仕方ない。


キラーフィッシュはいつものように捌いてレンに渡した。

タコの捌き方はレンには分からないというので自分ですることにした。


タコのぶつ切りを刺身醤油で・・・ってのもいいけど、この世界で生ものは怖い。

という訳で、茹でる方向に考えを変える。


まずは頭を鷲掴みにしてこいつの攻撃手段である大きな口に気を付けながら頭部の付け根をめくる。

んで筋があるからそこをナイフで切り、ワタと墨袋を切り取る。

手に絡みついてくる触手がうっとおしいのを我慢しつつ、大きな口がそのままだと危険なので口を切り落とし、目も切り落とす。

そのあと、足の付け根に沿ってナイフで切り込みを入れ、カラストンビを取り去ると、その中から魔石が出て来た。

一度水洗いして今度は塩を振りかけ揉みまくる。

塩もみを十分にしたら水できれいに洗い流す。


ちなみにここまでの作業、レンは興味深そうに見ていたがそれ以外の人は気持ち悪そうにしていた。

そんな目で見るなら食べさせてやらないぞ!


泥なんかもキレイに洗い流したので、今度は塩ゆでにする。

足だけつけて戻して、足だけつけて戻してって数回すると足が丸くなっていくので、

そうなったら全部をつけてそのまま茹でる。

ある程度茹でたらひっくり返してさらに茹でる。


十分茹で上がったら鍋からだして氷水に着ける。

一気に冷やすことで茹で上がった赤い色がきれいになるからね。

そのあと頭の皮を剥いで、適当に全部をぶつ切りにする。

足は吸盤の横についている水かきを切り落としてぶつ切りにする。


半分は酒と醤油と砂糖を入れて煮つけに、残りの半分はそのまま醤油で頂きます。


料理しているところから見ていた人たちはちょっと引き気味でいたが、

俺達は気にしない。

久々のタコ料理に舌鼓を打った。


そこへサーシェさんがやってきた。


「お、変わった料理だね。ひとつ頂いてもいいかい?」


「もちろんです。どうぞ」


「俺は煮つけを差し出した」


「お、こりゃなんとも旨い!少し甘辛い味付けに独特の歯ごたえと食感。なんともいえない風味と合わさって絶品だね!」


なんて言うのを聞いた途端、他の引いていた人達まで一つ下さいとか言ってるの。

まぁいいけど。


結局、大物のタコだったのにすぐにみんなの口に入って無くなってしまった。

丁度この時見張り当番だったユイとジーナに後で怒られてしまったが。


「タコの魔物がこんなにうまいとは思わなった。これは新しい商売の匂いがする!」

なんてことをサーシェさんは言っていた。そういう発想をすること自体、やっぱり商人なんだなと思うけど、

それは置いといてこの世界にもタコ料理が広まるといいな。


今日も昼間は何事もなかった。

食材を取ったりしつつもちゃんと見張りもして、あっという間に夜になった。


夕食後の見張りはリンダと一緒だった。


「今日もいっぱいお魚食べれて満腹にゃー!」


「昼も夜も魚だったもんな。タコはどうだった?」


「あれも美味しかったにゃ!でも、お魚のほうが好きにゃ!」


「リンダにとってお魚以上はなさそうだな」


「にゃははは」


笑ってごまかしているということは、図星なんだろな。



「ところで、前から少し気ににゃっていたんだけど」


「ん?なに?」


「ケンとユイがしているその首輪、たまに光ってるにょはなんでにゃ?」


「首輪って、このチョーカーのこと?」


「そうにゃ。その飾りのところがたまに光っていたにゃ。今は光ってにゃいけど」


ウンディーネの水印が光る・・・・?


なんか思い出してきた。


合図を送るからそのタイミングで魔力を送れとかなんとか。。。


合図って光るのがそうだったのか。


てか、自分で見えないところを光らせて合図になるかって話よ。本当。


あー、次呼び出したらなんか言われそうだわー


どうしよっかなぁ・・・


ん?そういやあいつ、聖水を作り出せたんだっけ。

アンデッド系には聖水が効くってのはもはや常識だよな。


この辺の海域一帯全部を聖水にしてしまえば幽霊船なんて来ないんじゃないか?


とすれば、一度呼び出して上手に言いくるめて聖水を出してもらおう!



まずはリンダにも説明しとくか。


「そういえばリンダには話してなかったかな?このショーカーの印は水の精霊の印なんだよね」


「水の精霊様の印にゃ?」


「そうなんだよ。これに俺が魔力を込めると水の精霊を呼び出すことが出来る。ただし、俺以外には見えないらしいんだけどね」


「すごいにゃ!精霊様を呼び出せるにゃんて世界に誰もいにゃい能力にゃ!」


「そう・・・なのかな?まぁ召喚魔法自体魔族の専売特許みたいだし、珍しいのはそうかもね。んで、これからちょっと呼び出して幽霊船相手に何かできないか交渉してみる。俺が独り言を言っているように見えるかもしれないけど、精霊と話しているからね」


「わかったにゃ!」


俺は先にリンダに対して釘を刺しておいた。

そして手でチョーカーの水印を触り魔力をかるーく送る


水印が光そして少しずつ大きくなると人の形を取りはじめ、そしてウンディーネが現れた。


『なによ?』


「ありゃ、やっぱり怒ってる?」


『何の事かしら?』


「いや、合図で魔力を送るって話のことだけど・・・」


『べつに!』


うわぁ、、、案の定かなりご立腹の様子。。。


「いやさ、送ってくる合図が光るだけってのは分かりずらくてさ、、、さっきリンダに教わって初めて合図だって気づいたわけで・・・」


『はぁ?』


「いや、悪かったよ。謝るよ。だからそんなに睨むなって」


『あんたね!私が苦労して苦労して苦労して書き上げたプログラムを、いざ起動しようとした時に無視しといて何よその態度!』


俺はウンディーネを召喚したことを後悔した。

せめてユイがいるときにすれば、被害1/2だったのにと。


「はい、おっしゃる通りでございます」


『なにがおっしゃる通りよ!あんたなんかね!・・・・・・・・・・・・・・』


その後誹謗中傷がひたすら受け続け、俺のHPが0になった時、交代のためにユイがやってきた。

が、俺とウンディーネの間には入らないようにそっとリンダに話しかけた。


「交代にきたよ」(小声)


「にゃんかケンが水の精霊様と交渉するって話だったのに、どんどんケンが弱っていくにゃ。どうすればいいにゃ?」(小声)


「ああ、水の精霊との約束が守れずに怒られてるんだ。しばらく続きそうだからあとは引き受けるよ。リンダは休んでて」(小声)


「わかったにゃ。頑張るにゃ!」(小声)


「うん、ありがと」(小声)


そんなやり取りのあと、リンダは見張り台から降りて行った。


罵声を浴びせ続けるウンディーネに対し、ユイは一切関知せずと言った感じでまったく間に入ってこなかった。

・・・ユイの薄情者ぉ。。。


その後15分ほど続いたウンディーネからの罵声の嵐はふとしたことで方向を変える。


『だからあんたは、、、ん?あんたもいたのね!そもそも二人もいるのに・・・・』

ユイが見つかった。ってか今まで見つかってないほうが不思議なこの狭い空間。

ユイを見つけるとウンディーネはさっきまでの勢いのままさらに二人に対して罵声を言い続けた


だいたい俺とユイはこの世界に来てゆったりまったりした人生を送りたかったんだ。

もちろん異世界ファンタジーは楽しもうと思っていたし、そのためには努力してきたこともある。


ただ、それらはこうして水の精霊に怒られるためではない!


と、声を大にして言いたい!

言いたいけど言ったら終わらなさそうなので黙っている。


それからしばらくは言いたい放題にさせていたけど、ウンディーネが言いたいだけ言ってワントーン下がった瞬間を俺達は見逃さなかった。


「「分かりました!お詫びに魔力を送らせて頂きます!」」


と言った瞬間ユイが水印に触り、魔力をそーっと送った。


『ひゃっ!!』


「「足りませんでしたか?申し訳ありません!今度は美しいウンディーネ様の役に立てるようもう一度ちゃんと送らせて頂きます!」」


と言いながらユイが水印に触り、魔力をそーっと送った。


『あぁ・・ちょ・・・ああ!』


「「え?なんですって?こんなどうしようもない俺達を許してくださるのですか?」」


と言いながらユイが水印に触り、魔力をそーっと送った。


『許さな・・・ああっぁっぁ!』


なんだこいつ。魔力を送るとエロい声だしやがる。おもしれー。


「「申し訳ありません!聞き取れませんでした。もう一度お聞かせいただけますか?」」


と言いながらユイが魔力を送る。


『ゆ・・・あああああぁぁぁあぅあぅあぅ』


悶絶してんじゃねーよ。

なんか見てると一度HPが0になった俺の精神力が回復しているような気がする(笑)


「「なんとおっしゃっているのですか?」」


と言いながらユイが魔力を送る


『まっ・・・まって・・・あぁあぁああああああああ』


俺の受けた精神的ダメージはこんなもんじゃないけど、流石にこれを続けるのは申し訳なくなってきた。

という訳でいったん止める。


「「許していただけるのですね!?」」


ユイが手を水印に持って行くのを目で追うウンディーネ


『まった!まった!!許す!許すからとめてーーー!』


「「とめて?止めてください・・・でしょ?」」


ユイが魔力を送る。


『あ、、、とめて、、くだぁああああぁぁあぅあぅ』


「「いろいろひどいことをいってごめんなさいは?」」


ぐったりし始めたウンディーネだけど、ユイが手を水印に持って行くのは目で追っている。


『ご・・・ごめん・・・なさい・・』


「「そっか、じゃあ許してあげるよ」」

といいつつ、満面のスマイルを送る。


『あ・・・あんた・・たち・・・あk・・ま・・・』

それだけ言うと、ウンディーネは光輝きはじめ、逃げるように俺のチョーカーの水印へと戻った。


「このままでも大丈夫かな?」


「どうかなぁ・・・今の内に恨みつらみは無しって事で言質とっとく?」


「そのほうがいいかも」


俺達は独り言をつぶやく。


再度召喚なう。


ユイが今度は召喚目当てで水印に魔力を送る。

水印が光そして少しずつ大きくなると人の形を取りはじめ、そしてウンディーネが現れた。


『ぎゃーーー!もう許してーーーー!!』


「「まぁ、落ち着けって」」


『・・・ひどいこと・・・しない?』

ウンディーネが涙目になりながら聞いてくる。


「しないよ。まぁお互いちょっとしたすれ違いがあって傷つけあってしまったけど、水に流そうって話じゃないか」


『そ・・そうなの?』


「そうだろう。だからこれからはまた仲良くやろうぜ。友達だろ?」

いつから友達になったのかは分からないが、その言葉を聞いてほっとした表情のウンディーネさん。


『そうよね!私達友達だもんね!あなた達の魔力を利用しようとした私が悪かったわ。でもこれからは無理しない程度にお願いすることにするわ』

意外にも純粋な笑顔を見せるウンディーネ。

こういう一面もあったのか。まぁ、次に会った時にはいつも通りに戻ってそうだけど。


「ところでさ、俺達今幽霊船に狙われててさ」


『ゆ・・・幽霊船??』

あれ?急にキョドりはじめた。


「そうなんだよ。幽霊船を撃退しなきゃいけないんだがなんかアドバイスとかない?」


『近寄らない』


「そうじゃなくて。向こうから近づいてくるんだよね」


『逃げる』


「うん、今逃げてるんだ。けどずっと追いかけてくるならもう倒しちゃおうって話よ」


『わ・・・私は何もできないわよ!』


「ああ、そうか。世界に7体しかいない精霊のそれも水を司るウンディーネ様は幽霊が怖いのか・・・」


『怖いわけないでしょ!!私の周りには絶対近寄れないし!』


「じゃあ幽霊船の中で召喚したらどうなるの?」


『ダメーーーー!!!ぜっっったいに!!!ダメだからね!!!!』

ああ、本気で怖がってる。さすがにこれはできないか。

いざ幽霊船で何かあったらウンディーネを召喚して聖水でなんとかならないかなーと思っていたけど、

ここまで嫌がるのに無理やりはまずいか。


「わかった、わかったよ。じゃあせめてここに聖水を入れて行ってくれないか?俺達が幽霊船に突入するときに振りかけてから行くから」

俺は魔法で壺をつくり指さした。


『まぁそのくらいだったら。。。』

そういうとウンディーネが壺に触れるといつの間にか壺には水がいっぱいになっていた。


「うん、ありがとう」


『いいえ、このくらいならお安い御用よ。じゃあ私はそろそろ戻らないといけないから。じゃあね!』

そういうとウンディーネは光輝きはじめチョーカーの飾りへと戻っていった。


俺は壺のフタをすると鞄にしまった。

するとジーナがやってきた。


「そろそろ交代の時間だけど・・・あれ?」


「ああ、ちょっといろいろあってリンダに代わって俺が今までいたんだ。交代してくれる?」

そうなのだ。ウンディーネの罵詈雑言の最中だったから交代できなかったのだ。


「そっか、じゃあ交代するね」

そういって俺はジーナと交代して休憩しようとメインマストを降りた。


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□頭脳派脳筋の異世界転生もよろしくお願いします。
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