クエスト
俺達は部屋を出て1階にあるロビーに戻ってきた。
「父さま、せっかく冒険者になったので依頼とかも見てみたいのですが少し時間いいですか?」
「ああ、そこに掲示板があるだろう?それを見て受付に伝えれば依頼を受けることができるんだ」
俺達は掲示板までいくとたくさん貼り出している依頼を見てみた。
近場の採取とか村の中でも雑用、近場の町までの配達クエストがFランクから、
近場のモンスター討伐はEランクから、
護衛とかがDランクからある感じか。
今受けることができるのはEランクまで。
その範囲で出来そうなのは・・・・
近場のモンスター討伐かな、やっぱり。
「父さま、この依頼受けてみてもいいですか?
「どれどれ。ああ、これは常時出ている依頼だな。かまわないぞ。町が依頼主で周辺の魔物討伐を行うものだ。討伐する魔物はなんでもいいが、依頼達成確認方法が魔石だから回収を忘れずにな。ここに依頼番号があるだろう。この番号をそこの受付で伝えると依頼受注できるからやってみなさい」
なるほど、そういうシステムなんだね。
だいたいゲームと一緒だね。
俺達はアスラに案内された受付に行った。
「あの、この依頼を受けたいのですが」
さっそく受付のおばちゃんに声をかけた。
「はいはい、ああこれね。ギルドカードを出してちょうだい」
俺は先ほど出来たばかりのギルドカードを差し出す。
受け取った受付職員は依頼票を箱の中に入れるとその上に俺のギルドカードを置いた。
「ん?坊やひとりでやるのかい?パーティー登録はどうする?」
「それもお願いします。俺とユイとライカの3人で!」
「そうだね、Eランクの依頼とはいえ新人が一人でいくのは危険だからそれがいいよ。
じゃあそっちの坊やもギルドカードを出して」
うむ、ユイは見事に俺と同じ見た目だから仕方がないかもしれない。
しかしライカは可愛さそのまま育っているんだ。坊やは失礼じゃないか?
まぁ確かに髪は短いままだが。。。
しかし二人とも全く気にしない様子でギルドカードを差し出す。
「あ、そうそう。パーティー名はどうするんだい?」
あら、そういうの決めないといけないのね。
「どうしよっか?」
二人に相談してみた。
「ボクはなんでもいいよ」
「うーん。こういう場合大体が厨ニ病的なのが付けられているよな・・・」
ライカの答えを聞いて結局自分で考えないといけないと分かると独り言を呟いた。
厨二病的な名前となると、、、漆黒の翼とかそういう系統だろ?
どうしよう。俺達っぽさも入れるとなると、、、
「半身の堕天使でお願いします」
「・・・ハーフォ?・・・ああ、若い子にはそういうのが流行っているのね。わかったよ、ちょっと待ってね」
受付のおばちゃんにポカンとされた。
ライカにはキョトンとしてた。
あれ?そういうのがお決まりじゃないの?
「あ、すみません。今の無しで。みなさんはどういう名前を付けてるんですか?」
「そうだねぇ・・・例えばアスラだと、アスラ隊だったね。でもま、名前は自由だからね。このまま登録しとくよ!」
受付のおばちゃんはそのまま登録してしまった。
「えええ・・・・・」
やっちまった・・・・。
恥ずかしいパーティー名になってしもた。。。
どうも、ハーフフォーリンエンジェルのケンです。
今後はこんな自己紹介になるのか。
初対面の人にそんなこと言われたら俺なら笑うね。
今度シーマでジーナ達をパーティーに入れるときに改名しよう。
それまでに普通の名前考えておこう。
「はい、じゃあ依頼受領はこれで完了だよ!達成期限もない新人向けの依頼だから無理せずに頑張りな!」
「あ、はい。。。」
俺達はアスラのところに戻ると、一緒にギルドを後にした。
ギルド近くの食堂に場所を移すと、今日の予定の話になった。
「今から村に帰ってもいいが、到着するのは夜になってしまう。だから今日はここで一泊して明日の朝帰ろうと思うがどうだ?」
「うん、賛成!」
「そうか、じゃあ町の近くでさっき受けた依頼の魔物討伐をやってみるか?」
「やったー!」
意外にもライカが喜んでいた。
好戦的な子じゃなかったはずだけど。まぁ俺達もスライム退治位なら余裕だろうし問題ない。
ちなみに、昼食はブレインポークと野菜ををビネガー系でサッと炒めたものにサラダとスープと黒パンだった。
この世界に食用油はあるのに揚げ物という概念がないからね。
この世界流の酢豚定食なんだろうね。
「そういえば父さま、冒険者は長期間町を離れる時食事はどうするんですか?」
「ん?そうだな。数日位なら干し肉と水を持って行くが、それ以上となると旅をしながら動物や魔物を狩ったり、野草を採取したりだな。
そういえば、お前たちは動物の解体はできたっけ?」
「解体しているところを見たことはありますがやったことはありません」
「ま、そうだろうな。俺も冒険者になりたての頃は出来なかったしな」
「どうやって覚えたんですか?」
「生きるために必要に迫られて覚えたんだよ。最初は解体なんて上等なモンじゃなかったけどな。まぁ冒険者なら通る道だからお前たちも早めに覚えるといいぞ」
パーティーメンバーに料理人とか欲しいな。せめて解体とか魔物じゃなくて動物でもできればやりたくないしな。
前世日本人の俺からすると、あまりグロいのはお断りしたい。
が、美味しいものは食べたい。一日の食事が干し肉だけなんて耐えれるのかな。。。
前世が豊な国だっただけに、そのあたりは適応するのに時間がかかりそうだ。
なんて考えていると食事は終わっていた。
俺達は町の西口に来ていた。
町の北は港、南はサイージョ村方向。
西にある平原から森に入ってあまり強くない魔物を討伐、その後東にある山岳地帯でもう少し強い魔物を討伐するってのが
このあたりの新人冒険者の通る道なんだそうだ。
「それじゃあ気を付けて行ってくるんだぞ。夜は想定外のことが起こりやすいから日暮れまでには戻ってきなさい」
今回アスラ町で待っていることになった。魔物狩りのいい練習だから自分たちだけでやれって言われた。
「はい、行ってきます」
アスラの見送りを受けて、俺達は出発した。
小一時間平原を歩き続けたが、魔物なんて全く見かけなかった。
そして森に行きついたので入ってみることにした。
森では、スライムやゴブリンなど見たことのある魔物の他、
一角兎という食材では見たことのあるやつ、
ポイズンスパイダーという体長1メートルサイズの毒蜘蛛、
あとはジャイアントボアという隊長2メートルサイズのイノシシみたいなやつがいた。
もうオッコトヌシ様かと思ったね。なにやら大群でいたし。
ちなみに俺達の戦い方は基本、遠距離から魔法攻撃。
火属性は使わず、今回は水属性だけで戦った。
あまり強い魔物はいないみたいだったので弱点属性とか考えず速度優先で
見つけたら撃つ!近づいて魔石拾って索敵。
という流れだった。
ちなみに【索敵】はベンさんから教わって習得済みです。
ということで魔物討伐の結果。
スライムの魔石×6
ゴブリンの魔石×5
一角兎の魔石×6
ポイズンスパイダーの魔石×3
ジャイアントボアの魔石×41
一角兎の肉×1
という感じに終わった。
一角兎の肉は解体練習用として拾った。
まず威力を抑えた【水球】で頭部だけぶっ飛ばして倒す。
そのあと逆さ吊りにして血抜きをして毛皮をむしり取る。
お腹を開いて内臓を取り出し、肉と骨だけになったところに氷を詰め込んで布で包み紐で縛っておいた。
とりあえず低温状態にしとけば腐ったりしないだろうと。
こんなことやったのは初めてでなかなかグロかった。
一角兎は中型犬サイズだから結構デカい。
持っていたカバンは魔石でいっぱいになったので、土魔法で作った棒の先に付けて肩に担いで移動した。
小型の魔物は魔法でバラバラになったが、ジャイアントボアだけは死体が残ったので
最後まとめて大きな穴を掘って火葬しておいた。
なんとなくだけど、ゾンビになって徘徊されても嫌だしね。
森を出るとすでに日暮れになっていた。
「少し急ごうか。ライカ、魔力は大丈夫?」
「【身体機能強化】ならもうしばらくいけるよ」
「じゃライカ先頭で、俺達はそれに合わせるよ」
というわけでライカのペースに合わせて町まで戻った。
ちなみにライカもこの5年で魔力は結構増えた。
俺達ほどじゃないにしても、たぶんこの世界ではかなり多い方だと思う。
町に戻るとギルドにやってきた。
受付に行くと依頼達成報告と証拠の魔石を出した。
また、素材の買い取りということで一角兎も出した。
スライムの魔石は銅貨1枚×6=銅貨6枚
ゴブリンの魔石も銅貨1枚×5=銅貨5枚
一角兎の魔石は銅貨2枚×6=銅貨12枚
ポイズンスパイダーの魔石も銅貨2枚×3=銅貨6枚
ジャイアントボアの魔石は銅貨8枚×41=銅貨328枚
一角兎の肉は銅貨3枚×1=銅貨3枚
以上合計で金貨3枚銀貨6枚という結果になった。
新人が初めての討伐でこんなに魔石を持って帰ることはまずないそうだ。
よく頑張って、俺達の戦果からジャイアントボアを引いた分くらいだそうで。
受付の人にはそんなことを言われたがだって仕方ないじゃない。
オッコトヌシ様は群れでいたし。聞く耳持たないんだもの。
ちなみにそのジャイアントボアは食材として、ポインズスパイダーは薬の材料として買い取り対象だったそうだ。
しかしあんなでかいの、1体運ぶだけで大変だ。
クエスト報酬を受け取るとアスラと合流し宿にて一泊した。




