第5話 旅立ちの時
一方こちらはと言うとサーシャ達三人は、これからどうやってネックレスを探すかという事と、荒らされた店をどうするかを話し合っていた。
メニ「ネックレスも探さないとだけど、この店も何とかしないとマズくない?この店もおばあちゃんから貰った物だしさ」
サーシャ「そうね、みんなも手伝って」
オリバー「うん、みんなで手分けして片付けようよ」
みんなで荒らされた店内の片付けが始まった。
始まってからしばらくするとサーシャはしゃがみ込んで目に涙を浮かばせて俯いてしまった。
それを見守るメニとオリバーも手の動きを止めた。
サーシャ「おばあちゃん…」
震えた声で、それ以上言葉が続かなかった。
その時、店の入り口に立って店の中を見ている背が高く少し体格の良い一人の女性が言った。
おばあちゃん「なんだい、メソメソして」
その声を聞いて三人は驚いて、入り口に立っているサーシャのおばあちゃんの方を見た。
サーシャ「おばあちゃん!」
凛として佇んでいるおばあちゃんの後ろには、大きな翼の生えた真っ白な白馬が三人の方を見ていた。
ブルル…。(白馬の鼻息)
メニ「はっ…羽の生えた、馬!?」
三人は翼のある白馬を目の当たりにして驚いていた。
オリバー「かっこいい」
サーシャ「ほんとに本物!?」
サーシャは感動して興奮気味に聞いた。
おばあちゃん「本当だよほら、この通りだよ」
メニ「本物のユニコーンだ!」
おばあちゃんは首を横に振って答えた。
おばあちゃん「残念、この馬はユニコーンじゃなくて、ペガサスだよ」
メニ「えっ、そうなの?えっ、ペガサスとユニコーンって違うの?」
おばあちゃん「サーシャ、その二つの違いが分かるかい?」
サーシャは頷いて、その問いに答えた。
サーシャ「ペガサスは翼が生えててユニコーンには頭に角が生えてるのよ」
おばあちゃんは当然という顔をしていた。
おばあちゃん「正解、ユニコーンは一角の聖獣で、ペガサスは翼を持つ神馬だよ」
オリバー「じゃあこの馬、神様の馬なの?」
おばあちゃん「そうだよ、元々はメデューサっていう…」
話の途中でサーシャが割って入った。
サーシャ「おばあちゃん、あのネックレスが盗まれたの!お店も留守にしてたら、こんなにされちゃうし、私どうしていいかわからなくて…」
また泣き出しそうなサーシャの頭を優しく撫でながらおばあちゃんはこう言った。
おばあちゃん「おやおや、心配しなくても私が来たからもう大丈夫だよ、安心おし」
サーシャ「おばあちゃん…」
サーシャは大好きなおばあちゃんの体にギュッとしがみついた。
サーシャの頭を撫でると、おばあちゃんはサーシャの両肩に手を当てるとサーシャは顔を上げて、おばあちゃんの顔を見上げた。
おばあちゃん「サーシャいいかい?今はまだ全部は話せないけどね、あのネックレスには悪魔が封印してあるんだよ」
サーシャ「悪魔!?」
サーシャは驚いて目を丸くしたが、おばあちゃんは頷いて話を続けた。
おばあちゃん「正確には悪魔の半分が入ってるんだけどね」
サーシャ「どうしてそんな物を私にくれたの?」
おばあちゃん「あんたはね小さい頃に何者かに意識の半分を奪われたんだよ、でもね悪い事ばかりじゃなくてね、善良な心だけが残ったんだよ、だからあんたがネックレスを持ってると悪魔が静かにしていられるんだよ」
メニ「つまりサーシャには悪魔を押さえ込む力があったんだ」
おばあちゃん「でも一つだけ問題があってね」
サーシャ「なあに問題って?」
おばあちゃん「そのネックレスの悪魔を復活させようと企んでる奴がいるんだよ、それを止めなくちゃいけないんだよ」
サーシャ「じゃああのネックレスを盗んだのって!」
おばあちゃんは店の入り口の方を指差した。
おばあちゃん「店を荒らしたのもそいつだよ」
それを聞いたサーシャ達は沸々と込み上げるものがあった。
サーシャ「その人…ただじゃ済まないわよ」
オリバー「僕もやっつけてやる!」
メニ「そうだ、みんなでボッコボコにしてやろう!」
そんな皆におばあちゃんは一つ提案した。
おばあちゃん「ただね、相手は悪魔の力を利用してくるから生身の体だけじゃ戦えないよ」
サーシャ「じゃあどうやって戦うの?」
その問いにおばあちゃんは真剣な眼差しで言った。
おばあちゃん「私にいい考えがあるんだよ」
天翔るペガサスの馬車に乗り、サーシャ達は旅に出たのであった。
オリバー「すごーい!」
メニ「と、飛んでるよ私たち、空飛んでる!」
サーシャ「うわぁ、お店があんなに小さいわ」
馬車で大空を駆け巡って一行は興奮しながら大はしゃぎしている。
おばあちゃん「みんな良くお聞き、今から古代図書館へ行ってお勉強だよ」
三人とも声を合わせて同じ事を言う。
「古代図書館!?」
おばあちゃん「そうだよ、遊びに行くんじゃないんだからね」




