第5話
僕とイーサンは街中を歩きながら帰路へと着いていた。
「しかしあの大石って先輩、頭良いな」
「うん、学年で1番の成績だよ」
「ほう、オカルト部の部長なのにねぇ」
馬鹿にしてるのか感心してるのかよく分からない表情をするイーサンだった。
「なんだよオカルト部いいじゃん…」
僕はそう呟く。
そんな会話をしている時だった。
「あっ!良いことを思い付いたよ」
「なんだ俊?」
僕は近くの露天に駆け寄る。
そこには様々なキーホルダーが売っていた。
「いらっしゃい」
「あのこれ下さい。3つはプレゼント用で!」
僕はそこに並んでいた金属製のトランプのマークのキーホルダーを掴むと店員のお兄さんに渡した。
「はい、4つで1200円ね。包装はサービスだよ。どうぞ」
「ありがとうございます」
料金を支払うと鞄に仕舞う。
「なるほどな、紙より丈夫だもんな」
「こっちなら普段から着けて目の届くところに置いておけるからね」
「はーん、俊くんもなかなかやるねー」
イーサンを無視して再び家路に着く。
「引ったくりだ!!」
後ろから大声で叫ぶのが聞こえる。
「なに?」
イーサンが呟くと同時に隣を男が駆け抜け、路地裏に入っていった。
「俊、捕まえるぞ!!」
「え?え?」
「言うとおりに走れ!!」
イーサンが空に飛ぶと上から指示を飛ばしてくる。
「くそっ!」
僕は言われるがままに路地裏に飛び込むと迷路のような路地を走る。
「次を左に曲がれ!……よし、そのまま真っ直ぐだ!」
「ハァ…ハァ、そんなに…走れない…よ」
「もう少しだ頑張れ!」
最後の力を振り絞り走っていく。
「そのまま行け!そのままのスピードで目の前の角を通るときにタックルしろ!!」
「うっ」
言われるがままにタックルの体勢を取り角に入る。
すると横から男が飛び出してきてぶつかる。
「がっ!!」「くっ!」
2人はもつれ込むように倒れる。
男は地面に倒れる際に頭を打って気絶した。
「はは、よくやった俊!!」
「ハァ…ハァ…ホントに?」
少しすると男を追いかけていた人達が集まってきた。
「良くやったな坊主」
「最近の子もやるもんだなぁ」
褒められたり頭を撫でられたりと忙しかった。
奥からお婆さんが来る。
「ありがとうねぇ。取られたのは私の荷物なの、坊やはヒーローね」
「いえそんな…」
「礼は受け取るもんだ」
イーサンがドヤ顔をしていた。
深呼吸をする。
「はい」
ただ、そう答えた。
周りの大人達が、後は任せろと言ってくれたので帰ることにする。
「どうだいい気分だろ?」
「ま、まあね」
照れながらもそう答える。
ふと見上げたイーサンの顔はどこか寂しげだった。
いろいろあった1日はそれで終わりだった。
家に帰り、母さんの作った夕食を食べ宿題をして寝るのだった。
次の日、放課後にクロエを誘ってオカルト部に行くとみんなにプレゼントとしてキーホルダーを渡した。
「これいいね、俊くん。僕のよりずっと良いよ」
「クローバー…」
「ありがと俊!」
クロエは微妙な顔をしていたがみんなに喜んで貰えた。
「そうだ、俊くん…というかイーサンさんはヘッドイーターを追うんですよね?」
「ああ」
俊はイーサンの言葉を伝える。
「なら僕も手伝いますよ。俊くん1人を危険にさらす訳には行かないし…」
「私もやるわ、お姉ちゃんに言ってみたけど信じて貰えなかったもの…」
「えー、みんなやるんですか?……じ、じゃあ私も怖いけどやります!」
「僕たちに出来ることは証拠を見つけることまで。それを見つけてクロエさんのお姉さんに渡して捕まえて貰う。それで良いかな?」
「「「はい」」」
「よし、まずは何から始める?」
大石部長のその言葉を皮切りに僕達の作戦がが始まるのだった。




