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怪物達の住む町で~ウザイおっさん幽霊捜査官との事件解決記~  作者: お米リッチ


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第1話

 この世界には怪物がいる。文字通りの意味だ。いつ、どこで生まれどこから来ているのかは分からない、彼ら自身にも。

 彼らは、数世代に渡り段々と人間達と馴染み始めた。今となっては、身近な存在ともいえる。

 僕の名前は、伊藤俊(いとうしゅん)普通の高校2年生だ。ただ普通じゃないのは幽霊が見えること。

問題は幽霊と生きてる人の区別がつかない事。

 だから普通に挨拶しただけなのにこんな事になるとは…。



「なあ少年!なあなあなあ」

「うるさいなあ…もう」

 学校に登校中に声を掛けて来るのは、自称イーサンという二十歳過ぎの幽霊おじさんだ。

 昨日の夕方、スーパーで生きてると間違えて声を掛けたのが原因で付きまとわれてる。

「頼むよ~、大事な事なんだ」

「大事とか言われても……はぁ、何?遺言?金庫の暗証番号とか?」

「そうそう…アレって大体伝えるの忘れてるんだよね……って違うわ!!」

「もう、じゃあなんなの?」

「……警察に行って欲しいんだよ。俺は殺されたんだ…」

「…重いよ、やだよ…巻き込まれたくないし」

「何言ってんだお前!この街で殺人が起きてるんだぞ!それもかなりの数!」

「嘘だね、もし本当なら大きなニュースになってるはずだし」

「だからそれは…」

「ごめん、もう学校に着いたから静かにしてよね」

 僕はそう言って校舎に入っていくのだった。




「なあ、知ってたか?このクラスのクロエってお姉さんが怪物警察に居るらしいぞ」

 教室に入るなり話しかけて来たのは中村。

 少しぽっちゃりした奴で、僕の数少ない友達の1人だ。こうやっていつもゴシップを持ってくる。ただ、ホントなのかは怪しいゴシップも多い。

 この前は隣のクラスの奴のお姉さんがグラビアアイドルだって言ってたけど、たまたま同姓同名だっただけだった。1年の担任の町田先生と用務員のオバサンが付き合ってるっていうのはホントだったけど。

「クロエって、あのクロエ・ウォーカーの事か……まあ、彼女は優秀だしあり得なくは無いかもね」

「だろだろ!それで、何人かミーハーな奴らがお姉さんの事を聞きに行って撃沈したんだってさ。それで俺も知ったんだよね」

 今回のゴシップは、結構ホントっぽい。

 いつも通りの日常だった。中村は、この後もいくつかゴシップを言ったところで、担任が来てホームルームが始まった。

「ウォーカーって…」

 後ろでイーサンが何やら呟くのが聞こえたのだった。





「おい少年!あのクロエって子に話しかけてくれ!」

 ホームルーム中にイーサンが話し掛けてくる。

「頼むよ!あっそうだ俺、実は怪物警察だったんだよ。あの子のお姉ちゃんに用があるんだよ」

 無視する。

「頼むよ~、もしやってくれたら好きな子のパンツの色とか見てきてやるから~あの子は?クロエちゃんのとか知りたい?」

 ブッ。

 思わず吹き出した。

「どうしたの俊くん?」

「あ、すいません先生。何でもないです…」

 この幽霊を必ず殺す。

 死んでても殺す、そう思った。

「なあなあなあ良いだろ?取引成立か?見てこようか?」

 僕はため息をつくと、小声で話す。

「分かったから、声かけるから。止めろよな」

 最後の言葉にドスを効かせる。

「おお!サンキュー俊くん」

 ちっ先生のせいで名前がバレた。

 馴れ馴れしい幽霊だ。

 その後、一応ホームルームが終わるまでは静かにしてくれた。



 ホームルームが終わると席を立つ。

 意を決してクロエの席に向かっていく。

 クロエのせきの横に立つと教室がざわついた。

「おほん、あ、あのさクロエってお姉さんが怪物警察にいるんだって?」

「…なに?お姉ちゃんに何か用なの?」

「あはは、実はそうなんだよね~。会わせてくれたりなんかしないかな~…なんて…」

「しない」

 そう言うと席を立って教室を出てしまった。

 教室か静まり返り、皆の視線が何故だか冷たい。

「アチャー」

 イーサンが何か言ってる。

 何がアチャーだ、こっちがアチャーだよ。

「ドンマイ俊…」

 いつの間にか横に来ていた中村が僕の肩にポンッと手を置いた。

「でも、お姉さん口説く為に妹に声を掛けるのはどうかと思うぜ?」

 その瞬間皆の視線の意味が分かった。

「ち、違うから~!!!」

 そう叫ぶのだった。


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