その62 「何してたんかな?」
この話は、次とセットです。
だからこの話だけだと何にもわかりません…
すみません…
「あれ、ひなちゃん?」
「あ、おはようです」
「どうしたの?」
「クラブ入ってなかったよね?」
「ちょっと先生に呼ばれてて」
「そうなんだ、大変だね。
それじゃ私たちクラブ始まるから、またね」
「うん、がんばってね」
同じクラスでテニス部の子たちがラケットを持って走っていくのに手を振った。
不思議そうな顔をしたのは当然やわ。夏休みに学校に来るのは、クラブがある人か補習の人か、寮にいて実家に帰ってない人くらいやと、昨日までウチも思ってたし。
そう、昨日の晩までは。
◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇
「ひなちゃん、お電話よ」
「はーい?すぐ行くね」
誰からやろ?携帯電話を使うようになってから、家の電話に掛かってくることなんてなかったんやけど。電話のとこにいくと、お母さんが受話器を持ったままで待っててくれた。
「誰?」
「家に煌陵学園の説明に来てくださったフォルさんみたいよ」
「ん、わかった」
お母さんから受話器を受け取ると、お母さんが保留を解除してくれた。
「もしもし、日生です」
『あ、天宮さん、お久しぶりですね』
「はい、お久しぶりです。
急にどうなさったんですか?」
『実は明日お時間があれば、少し手を貸していただきたいのです』
「ウチにですか?」
『正確にはルシフェル様に、ですが天宮さんに来ていただくのが前提になるので』
なるほど、ルーちゃんに用事なんやね。別に明日は予定もないし、大丈夫かな?
「わかりました、学校に行けばいいですか?」
『ありがとうございます!
前にお会いした部屋に直接来ていただければ』
「何時くらいに行けばいいですか?」
『そうですね、もしよければ10時くらいに』
「大丈夫です。
それじゃ、明日お伺いします」
『あ、それと、よかったら携帯電話の番号を教えておいてもらえると……』
うん、すっかり忘れてたね……
◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇
考え事しながら歩いてても、ちゃんと着くくらいには、ウチも学校に慣れたってことかな。
扉をノックすると、入ってくださいと返事があった。そのまま扉を開けて、「失礼します」と声を掛けて入ると、奥の机のところにフォルさんが立ってた。
「すみません、お休みなのに」
「いえ、大丈夫です」
「そこにお掛けください……
それではいきなりで申し訳ありませんが、ルシフェル様に……」
ソファーに腰を下ろしたところで、ほんとにいきなり言われてしまったけど、頷いて意識を集中する。
(ルーちゃん)
(あ、ひなちゃん。
もう着いたの?)
(うん、今着いたとこだよ)
(じゃ、ちょっと借りるね)
その一言を最後に、ウチの意識は薄れていった……
◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇
「ひなちゃん!」
「ひえっ?!」
「起きた?」
「あ、ルーちゃん……が見えるってことは、これ夢の中?」
「まあそんな感じだよ。
用事が終わったんだけど、ちょっと時間が掛かっちゃって、もう夕方なんだ。
ごめんね、ずっと借りちゃってて」
「ううん、昨日も時間掛かるかもって言ってたし、お母さんにもそう言ってあるから大丈夫よ」
「そっか、ありがと。
それじゃあたしは休むね」
手を振るルーちゃんの姿がぼやっとしていって、完全に見えなくなってしまう。
「天宮さん、天宮さん」
「ふ……あ、フォルさん、おはようございます」
「すみません、結構時間が掛かってしまって」
「あ、大丈夫ですから」
「お飲み物を用意しますので、しばらく休んでいてくださいね」
飲み物が運ばれてくるまで、ソファーでゆっくりさせてもらう。っていうか、ちょっと疲れた感じがするんよね。
ルーちゃん、いったい何をしてたんやろ?ちっとも想像できへんわ。
しばらく待ってると、飲み物が運ばれてきた。氷が涼しげなアイスコーヒー。飲み物を目の前にすると、のどが渇いてることに気が付いて、半分くらい一気に飲み干してしまう。
「あぅ……」
「どうなさいました?」
「あたま……痛いです……」
「あ……
ゆっくりで構いませんから。
後でお宅までお送りしますね」
「ありがとうございます」
ちょっと疲れてたから、送ってもらえるのは助かるし、お言葉に甘えさせてもらっちゃおう。
でもほんまに何やったんやろ……今晩、ルーちゃんに聞いてみようかな?
PVが20000を超えてました。ありがとうございます!
とにかく次話へ続く…




