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第62話 西門防衛戦

「来るぞぉ!!」


兵士の叫び声。


その直後だった。


赤黒いゴブリンたちが、一斉に走り出した。


速い。


普通のゴブリンじゃない。


地面を蹴る音が重い。


数も多い。


「閉めろ!!」


兵士たちが門を引く。


巨大な門がゆっくり動く。


だが。


遅い。


先頭の赤黒いゴブリンが飛んだ。


「なっ――」


兵士の声。


次の瞬間。


ゴブリンが門に着地する。


ドゴン!!


凄まじい音。


門が揺れた。


「うわぁぁぁ!?」


上にいた兵士が落ちる。


そこへ。


別のゴブリンが突っ込んだ。


グシャ。


嫌な音。


血が飛ぶ。


「もう突破されたぞ!!」


「早すぎる!!」


「隊列組め!!」


現場は完全に混乱していた。


ジョンも顔が青くなる。


「お、おっさん!」


「走るぞ!」


おっさんは即決だった。


戦わない。


逃げる。


それが一番早い判断だった。


二人は人混みをかき分けて走る。


後ろでは悲鳴が響いている。


武器の音。


怒鳴り声。


そして。


ゴブリンの笑い声。


「ギィィ!!」


「グァ!!」


まるで遊んでいるみたいだった。


「なんなんですかあいつら!?」


ジョンが叫ぶ。


「進化しすぎてやがる!」


おっさんも走りながら怒鳴る。


「普通の群れじゃねぇ!」


その時。


横の建物が吹き飛んだ。


ドガァン!!


木片が飛ぶ。


煙。


悲鳴。


赤黒いゴブリンだ。


壁を殴って壊した。


素手で。


「うそだろ……」


ジョンの顔が引きつる。


コロシアムの魔物なんか比べ物にならない。


本物の化け物だ。


「前見ろ!!」


おっさんがジョンを引っ張る。


直後。


後ろを巨大な腕が通り過ぎた。


風圧だけで転びそうになる。


「っ!?」


振り向く。


赤黒いゴブリン。


近い。


近すぎる。


ゴブリンが笑った。


ニタァ。


真っ赤な目。


完全に、ジョンを狙っている。


「なんで僕なんですかぁ!?」


「指輪だろうな!」


おっさんが即答する。


「やっぱ呪われてんじゃねぇか!」


最悪だった。


その時。


胸元の指輪が、強く光った。


赤い。


今までで一番。


すると。


赤黒いゴブリンの動きが止まった。


「……え?」


ジョンも止まる。


ゴブリンは、ジョンを見ている。


そして。


ゆっくり。


片膝をついた。


周囲が静まる。


兵士も。


冒険者も。


逃げていた人間まで。


全員が、その光景を見ていた。


赤黒いゴブリンが。


頭を下げる。


まるで。


王に跪くみたいに。


「……は?」


ジョンの声が漏れる。


意味が分からない。


だが。


森の奥。


あの巨大ゴブリンだけは。


怒っていた。


ゴァアアアアアアアアアアア!!!


大気が震えるほどの咆哮。


その瞬間。


跪いた赤黒いゴブリンの首が。


ボンッ!!


内側から破裂した。


血が飛ぶ。


肉片が散る。


ジョンの顔にまでかかった。


「……え」


誰も動けなかった。


巨大ゴブリンは、真っ赤な目でジョンを睨んでいた。

【あとがき:現在のステータス】


【スキル】

■武器系

刀剣スキル 20

盾スキル 3

戦闘技術スキル 13


■生産系

料理スキル 13


■その他

鑑定スキル 0.3


【所持金】

2,171g(銀行預け金:11,250g(銀貨11枚、銅貨2枚、半銅貨5枚))


【所持アイテム】

・???のスクロール 6枚

・奴隷のマクダフの野郎

・武器破損した剣

・???の指輪(バンステ金策で入手)

・ゴブリン(テイム)


【投資・契約】

・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)

 元本:金貨10枚

 状態:運用中

 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)

 詳細:非公開/高リスク


【装備品】

・骨護札の首かざり

・水トカゲの手袋(呪)

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