第28話 銀行で拾えば俺の物――バンステドロップ決行
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「これを預ける」
カウンターの上に置かれたのは――装備品とアイテム。
「こんな町じゃ金にならねぇ。祭りだってのに、金持ってるやつがいない。ここなんか生臭くないか……」
(……来た)
僕はカウンターの下で、じっとしている。
逆さまポーション。
透明状態。
――動いたら終わり。
「装備品2点、消耗品3点。お預かりいたします」
(すごい……)
本当にやるんだ。
これが――
”バンステドロップ金策”。
最初に聞いたときは意味が分からなかった。
だって、やってることは――
(どう見ても、泥棒だろ……)
でも違う。
おっさんは言った。
「捕まらない」
理由は――銀行のルール。
ここは特殊だ。
ギルドとも、兵士とも違う。
独立した仕組みで動いている。
そして――
”カウンターに置かれた物が落ちた瞬間、ルート権が消える”。
つまり。
床に落ちた時点で、それは誰の物でもない。
拾ったやつの物になる。
(おかしいだろ……)
でも、それがルール。
そして今――
その“チャンス”が目の前にある。
祭り最終日。
商人たちが帰る前に、アイテムを預けに来る。
つまり――
高価な物が動く。
(でかいのが来る……)
緊張で喉が渇く。
でも動けない。
動いたら終わりだ。
待つ。
ただ、待つ。
――20分。
練習してきた通りに。
そして考える。
(なんでわざわざ見せるんだ……?)
答えは簡単だった。
――見せたいからだ。
金。
装備。
レアアイテム。
「俺はこれだけ持ってる」
そう言いたいんだ。
(……隙だらけだ)
だが――
この金策は一度きり。
この銀行では、もう二度と使えない。
だから。
”失敗は許されない。
足はしびれている。
でも関係ない。
(いける……)
あとは。
落ちる瞬間。
そして――
走るだけ。
(来い……!)
胸の奥が、熱くなる。
怖い。
でも、それ以上に――
(やってやる)
そう思えた。
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
671g(銀行預け金:11,250g(銀貨11枚、銅貨2枚、半銅貨5枚))
【所持アイテム】
・蛇肉(大量)
・???のスクロール 6枚
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・木剣2本
【装備品】
・骨護札の首かざり
・水トカゲの手袋(呪)




