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第108話 紹介料の落とし穴

翌朝。


「旦那ぁ!」


まだ日も昇りきらないうちに、マクダフが飛び起きた。


「今日は稼ぎ時ですぜ!」


「朝から元気だね。」


僕はパンをかじりながら笑う。


「紹介料が入るんですよ!」


「そんなに嬉しいの?」


「一%ですぜ!」


「百人紹介すれば百人分!」


「千人紹介すれば千人分!」


夢が広がっていた。


おっさんはパンをちぎりながら一言。


「算数だけはできるな。」


「でしょ!」


そこだけは自慢げだった。


午前。


マクダフは広場へ立った。


首から板をぶら下げる。


M資金のご案内!


初心者歓迎!


紹介します!


「そこの旦那!」


「一口どうです!」


「採掘ですよ!」


意外にも人が集まる。


「どこで買うんだ?」


「商人ギルドです!」


「銀行にも預けられます!」


「なるほど。」


「紹介ありがとう。」


その日の夕方。


マクダフは紹介料を受け取った。


「銀貨三枚!」


「やったぁ!」


飛び跳ねる。


「旦那ぁ!」


「稼ぎましたぜ!」


僕も嬉しくなる。


「すごい!」


「頑張ったね!」


ところが。


裏社会の親分が帳簿を持ってきた。


「じゃあ精算だ。」


「はい?」


親分は指を折りながら読み上げる。


「紹介人登録料。」


「え?」


「営業用の腕章代。」


「え?」


「帳簿管理費。」


「え?」


「組合協力金。」


「え?」


「親分への相談料。」


「えぇ?」


最後に部下が袋を渡した。


「残りだ。」


中には銅貨が数枚。


「……これだけ?」


「利益だ。」


親分はにっこり笑う。


「手数料って、そういうもんだ。」


マクダフは固まった。


「俺の銀貨ぁぁぁ!」


部屋中に笑い声が響く。


部下たちは腹を抱えて転げ回る。


親分まで涙を流して笑っていた。


その頃。


僕は広場で券を書いていた。


「今日もたくさん集まったね。」


商人ギルドの受付係が帳簿を閉じる。


「ええ。」


「紹介で来た人も多いですよ。」


「紹介?」


「マクダフさんです。」


「へぇ。」


頑張ってるんだ。


僕は素直に嬉しかった。


「あとで褒めよう。」


おっさんは苦笑した。


「……褒めると調子に乗るぞ。」


「でも働いたんでしょ?」


「まあな。」


「だったらいいじゃない。」


その言葉に、おっさんは何も返さなかった。


夜。


宿へ戻る。


マクダフは机に突っ伏していた。


「旦那ぁ……。」


「どうしたの?」


「手数料って怖ぇ……。」


僕は首をかしげる。


「便利な仕組みじゃないの?」


マクダフは涙目でうなずく。


「便利なのは親分だけでした……。」


おっさんが吹き出す。


「ようやく分かったか。」


「世の中はな。」


「儲け話より、手数料の方が先に待ってる。」


マクダフは力なく答えた。


「身に染みました……。」


そのやり取りを聞きながら、キュ太郎が「きゅっ」と小さく鳴いた。


誰も気付かなかった。


その鳴き声に反応するように、懐の奥で「???のスクロール」が一瞬だけ淡く光ったことを。


ジョンはパンを食べながら笑っていた。


「明日も頑張ろう!」


騒動は、まだ始まったばかりだった。

【あとがき:現在のステータス】


【スキル】

■武器系

刀剣スキル 20

盾スキル 3

戦闘技術スキル 13


■生産系

料理スキル 13


■その他

鑑定スキル 0.3


【所持金】

171G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))


ジョン

「今日も変わらず!」

おっさん

「財布は平和だな。」


【所持アイテム】

???のスクロール 6枚(※一枚が一瞬だけ光った)

奴隷のマクダフの野郎(紹介料より手数料を学習)

武器破損した剣

???の指輪(バンステ金策で入手)

ゴブリン(テイム)

ケムトレイル群(保護対象)

キュ太郎

(今日はスクロールをじっと見つめていた。)


【投資・契約】

・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)

元本:金貨10枚

状態:運用中

想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)


ジョン

「手数料って、便利だけど奥が深いね。」

銀行

「理解が早くなりましたね。」

おっさん

「体験したのはマクダフだがな。」


【M資金の現在】

目的

鉱山採掘資金

利用地域

ポーシャ町

隣町へ流通中


新しい動き


紹介業が始まる

紹介手数料ビジネスが成立

現在の用途


ジョン「採掘!」

商人「決済!」

銀行「保管!」

両替屋「手数料!」

旅商人「運搬!」

マクダフ「紹介……は儲からなかった。」

おっさん「手数料を取る側になるのは難しいんだ。」


※ジョン個人の所持金に変動はありません。


ジョンの一言

ジョン

「頑張ったら、ちゃんと勉強になるんだね!」

マクダフ

「勉強代、高すぎですぜぇ!」

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