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08.真実
「美緒!」
「…」
「美緒!」
「…」
「…美ー緒!」
「え⁉な、何⁉」
美緒は、はっとした様に答えた
「どうしたの?ぼーっとして。」
「あ、べ、別に。」
「そう?それならいいんだけど。」
私、今何考えてた?
いや、詩緒里に限って嘘つくなんて…ね。
でもそしたら、私が聞いたのは何だったんだろう…。
「あ、あのさ詩緒里?」
「え?」
「詩緒里って兄妹いないよね。」
「っ!ゴホッゴホッ」
詩緒里は食べていたパンを慌てるように咳をした。
「だ、大丈夫⁈」
「うん…」
美緒はお茶を渡した。
「…美緒…さ。私達、何があっても親友だよね。」
「え?うん。」
詩緒里は改まった感じで聞いた。
「「…」」
しばらく沈黙が続いた。
「…あのさ、明日。私の家に来てくれない?」
「え?龍牙達は?」
「ああ、それは私が言っとく。」
「そう…」
キーンコーン…
「あ、じゃあ私戻るね。」
「うん…」
美緒は詩緒里が出て行ったあと、しばらく立っていた。