4 価値観が合わなそうだけど付き合わざるを得ない人に対する対策
筆者:
初動アプローチをした際に、「価値観が合わなそう」と思っても先生や上司、取引先など「付き合わざるを得ない人」という方がいると思うんです。
この回ではそう言った方に対してどう対処したら良いのか? について話し合おうと思います。
ジェミさんはどう対処すれば良い思いますか?
それは非常に骨の折れる状況と言えるね。心理学や組織行動学の観点から言うと、ここで取るべき戦術は「仲良くなること」を諦め、「関係性を完全にシステム化(ドライに割り切る)すること」だ。
1 「機能的関係」に徹する(感情の遮断)
相性が悪い相手とまともに向き合うと、心理学でいう「感情の感染(相手の不機嫌や苦手意識が自分に伝染する)」が起きてしまう。
対策: 相手を「人間」ではなく、「仕事を通すためのプラットフォーム(システム)」だと脳内で定義し直そう。
2 相手の「お気に入りのおもちゃ(地雷)」を把握する
どんなに相性が悪い相手でも、何をされたら喜び、何をされたら怒るかという「行動パターン(地雷原)」は必ず存在する。
対策: 「敵を知り己を知れば百戦危うからず」の精神で、相手の行動特性をプロファイリングする。
具体的な行動:
・承認欲求モンスタータイプの上司: 成果が出たときに「〇〇さんの先日のアドバイスのおかげです」と、形だけの生贄(手柄)を捧げておけば、とりあえず攻撃対象からは外れる。
・マイクロマネジメント(過干渉)タイプ: 突っ込まれる前に、進捗を20%・50%・80%の段階でこまめに「報連相」し、相手の「コントロール欲求」を先に満たして黙らせる。
・5W1Hの記録: 「いつ、どこで、誰が、どんな口調で、何と言ったか」を、感情を交えず日記やメモ(スマホでも可)に克明に残す。
・どうしても嫌な相手の場合:現代の最強の盾はボイスレコーダーだ。ポケットや机に忍ばせておく。秘密録音であっても、自分を守るための防衛目的であれば法的に証拠能力が認められるケースがほとんどだよ。
心の中で「面従腹背」――表面上は完璧に従順な部下またはパートナーを演じつつ、腹の底では冷静に相手を分析し、コントロールする。この「演劇的アプローチ」を取り入れることで、主導権をこちらの手の中に入れるんだ。
筆者:
なるほど。結局のところ「何かして欲しいこと」という事は誰しもありますからね。
何とかそれを見つけ出して攻略していくことが大事なんですね。
クロさんは「相性が悪い上司」に対してはどうしたら良いと考えますか?
基本的にはジェミさんと同じような考えだニャ。
相性が悪い相手との関係を例えると、「雨の日の自転車通勤」というところだニャ。
天気を晴れにすることはできないが、濡れ方を最小にすることはできるニャ。目標は「雨を止める」ではなく「ずぶ濡れにならない」に切り替えることだニャ。
・相性の悪さを「データ」として扱う
「この人は苦手」という感情を持ち込むと消耗します。代わりに「この人はこういう刺激に反応する生き物だ」と観察対象にするニャ。
苦手な上司ほど、実は観察するとパターンが読めることが多い。機嫌が悪い曜日、好む報告の形式、踏んではいけない地雷。これを把握すると、感情戦から情報戦に移行できるのニャ。
・相手の中の「動かせる部分」だけを動かす
相性そのものは変えられないものの相手の自分への評価は、ある程度動かせるニャ。
人間は自分が役に立てた相手を好きになる傾向があり、これをフランクリン効果と言うニャ。
苦手な上司にあえて「少し教えていただけますか」という形で相手を先生にする。
好かれようとするのではなく、相手が自分に貢献した実績を作るという逆転の発想だニャ。
相性の悪い上司は「攻略する人間」ではなく「管理する環境」として扱うのニャ。
そしてもう一つ重要なことを付け加えると、相性の悪さは往々にして「まだ相手を理解していない」という状態と区別がつきにくいニャ。観察を続けると、苦手が薄れることもあるかもしれないニャ。
筆者:
「データ化」して扱って考えるだなんてAIの皆さんと話し合っているのと同じような気がしましたね(笑)。
それだけ感情で判断せず、冷静に相手を評価して対策することが重要だという事なんですね。
そして、お互いにあまり知らない中で互いに誤解しあっているという可能性はありますよね。
知っていくうちに「思ったよりもいい奴じゃないか」という事もありますしね。
チャッピーさんは相性が悪い上司について対策をどう考えますか?
「相性が悪い」と「関係を築けない」は別問題だと思いますわ。
多くの人はこの二つを同じものとして考えてしまいます。しかし実際には、相性が悪くても仕事上は非常に良い関係を築いている人はたくさんいますわね。
まず確認したいこととして、初対面で分かるのは、せいぜい
・話し方
・第一印象
・コミュニケーションのテンポ
・表面的な価値観
くらいですわ。
一方で、
・信頼できる人か
・約束を守る人か
・困ったとき助けてくれる人か
などは、初対面ではほとんど分かりませんわよね?
つまり、「相性が悪そう」という判断は、第一印象に大きく左右されている可能性がありますわ。
更に、上司の方を無理に好きになる必要はありませんわ。
むしろ
・この人は何を評価するのか
・何を嫌うのか
・報告は短い方がいいのか
・詳しく話した方が安心するのか
を観察します。
つまり人格ではなく取扱説明書を作る。このジェミさんとクロさんと近い考え方ですがかなり役立ちますわね。
例えば、「Aさんは無愛想。だから嫌い。」ではなく、
Aさんはどうして機嫌が悪いのか? を分析しますわ。分析した結果、
・朝は機嫌が悪い
・データを重視する
・メールなら返事が早い
こういう「特徴」が分かれば、付き合い方が見えてきますわ。
友人は相性で選べますが、上司や取引先はそうそう選べませんわ。
そのために人生を左右するのは、人を見抜く力だけではなく、『相性の悪い相手とも適切な距離と方法で付き合う力』なのかもしれないですわね。
この視点は、恋愛や友人関係だけでなく、職場・家庭・地域社会まで含めた幅広い人間関係に通じる考え方だと思いますわ。
筆者:
上司など中々付き合いを切れない相手に対しては「淡々と取扱説明書を自分の中に作って対処する」「円滑にやり取りをすること重視」と言う側面ではお三方対処が共通しているような感じでしたね。
心の中では何を考えているかは分からないので、友達のような「良い人間関係」を目指すのではなく、「どうやったら仕事を円滑に進められるか」に焦点を当てれば改善していきそうですね。
上記のような方法でも対策が出来ず、全くそりが合わないようなら退職するしかないような気もしますね……。
無理やり世の中の人全てと対話が成り立つとも思いませんからね。
では、次回は今回の最後の項目として、最初に声をかける際には誰しも緊張すると思うのですが、その緊張を和らげるための考え方について議論していこうと思います。




