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新たな旅立ち、そして未来へ。

卒園式から数日後の朝、エメラルドグリーンの草原に朝霧が漂う中、異世界保育園どらごん組の園庭は静かに佇んでいた。

幼竜たちは巣立ち、新しい生活へと旅立っていった。



園舎の中には、かつての喧騒が嘘のように静寂が広がり、ギータは一人、片付けをしながら過去の日々を振り返っていた。


「リオも、ギータも、みんな立派に育ったな……」


彼の手には、リオがくれた木の竜の像と、ギャンギャンがくれた水晶のような石が握られていた。


それぞれが幼竜たちの想いと努力の結晶であり、ギータにとって宝物だった。


その時、園舎の扉が静かに開き、ルーナとドラコが入ってきた。


「ギータ先生、片付けを手伝えってドラコがうるさいから、来てあげたわ」


ルーナはいつもの優雅な笑みを浮かべながら、軽やかに言った。

ドラコは腕を組んで、ぶっきらぼうに付け加えた。


「お前一人でやってると、いつまで経っても終わらねえだろ。さっさと終わらせて、次に備えろ」


「新年度もありますもんね」


ギータが頷くと、ルーナが一枚の手紙を取り出した。封蝋には竜人王の紋章が刻まれている。


「実は、竜人王の側近のヴァルガス様から連絡があってね。ギータ先生の保育が竜人族全体に良い影響を与えたって、竜人王がとても喜んでらっしゃるらしいの。それで、新しい提案があったわ」


ギータは目を丸くして手紙を受け取った。そこには、こう書かれていた。



「異世界人ギータへ。貴殿の保育は、幼竜たちに力だけでなく絆と優しさを授けた。これを竜人族全体に広めるため、新たな保育園の設立を命じる。場所は王都近郊、名は『ギータ組』とする。引き続き、幼き竜人族を導いてほしい。――竜人王」


「ええっ!? 新しい保育園!? しかも『ギータ組』って!?」

ギータは驚きのあまり声を上げ、手紙を何度も読み返した。ドラコがニヤリと笑う。

「王直々の命令だぞ、新入り。お前、昇格ってやつだな」



「昇格って……でも、俺、一人でそんな大それたことできるのかな……」

ギータの声には不安が滲んでいたが、ルーナが優しく肩に手を置いた。

「ふふ、心配しないで。私とドラコも、もちろん協力するわ。新しい幼竜たちを迎える準備だって、私たちみんなでやれば大丈夫よ」

「そうだ。お前がここでやってきたことを、王都でもう一度やればいい。俺だって、手伝ってやるよ」



ドラコの言葉に、ギータの胸に温かいものが広がった。彼は改めて、自分が一人ではないことを実感した。

「……ありがとう、ルーナ先生、ドラコ先生。俺、やります。王都で、新しい『ギータ組』を始めるよ!」

ギータの決意に、二人は満足そうに頷いた。




数週間後、王都近郊に新設された『ギータ組』の園舎が完成した。

石造りの頑丈な建物に、ギータが前世の知識を活かして作った遊具や飾りが加わり、温かみのある雰囲気を作り出していた。




初日を迎え、新しい幼竜たちが次々とやってきた。

「ねえ、先生! 俺、火を噴けるんだぜ!」

「僕、空飛べるよ! 見てて!」

新しい幼竜たちは、目を輝かせてギータに駆け寄ってくる。

その姿は、かつてのどらごん組の子どもたちを彷彿とさせ、ギータの心に懐かしさと新たな決意が湧き上がった。



「よし、みんな! まずは自己紹介から始めよう。先生はギータだよ。これから一緒に、楽しく、強く、優しくなっていこうな!」



幼竜たちの歓声が園庭に響き渡り、新しい日々が始まった。その様子を、遠くから見守るルーナとドラコがいた。

「ふふ、ギータ先生なら大丈夫そうね」

「ああ。あいつなら、どんな幼竜だろうと、ちゃんと導いてくれるさ」


二人は笑い合いながら、新たな旅立ちを見届けた。


夕暮れ時、ギータは『ギータ組』の園庭に立ち、空を見上げた。

茜色に染まる空には、幼竜たちが練習で打ち上げた小さな花火がポツポツと輝いていた。



「俺、この世界で生きていく意味を見つけられた気がする」


前世の過酷な日々を乗り越え、異世界で保育士として新たな道を切り開いたギータ。

彼は幼竜たちの笑顔と共に、この世界に根を張り、未来へと歩み続ける。



そして、どこか遠くで、古竜の声が風に乗って聞こえた気がした。

「よくやった、生まれ変わりの子よ。未来を、頼んだぞ」

ギータは微笑み、頷いた。



「うん、任せてください。俺、ずっとここで、子どもたちと一緒に生きていくよ」

こうして、異世界保育園ドラゴン組の物語は幕を閉じ、ギータの新たな冒険が始まったのだった。



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