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訪問者ーー天界の監視対象

二章、1話始まりました!


平穏だった三人の暮らしに、天界からの《来訪者》が現れます。


しかもその目的は――なおきの「視察」。


守る者と、見に来た者。


静かな朝に、少しだけ重たい空気が落ちてきます。


また皆さんにこの3人の生活を見ていただけるのがすごく嬉しいです!!


楽しんで読んでいただけると嬉しいです。


朝。


いつも通りの、静かな部屋。


……のはずだった。


《ズズズ》


「……重い」


ペンを持つ手が、やけに重い。


足元も、空気も、

まるで見えない重しをかけられたみたいに沈んでいる。


「なおき!」


エルの声が、低い。


振り向くと――

エルの金色の髪が、ふわりとも揺れていなかった。


空気が、止まっている。


ミニエルも、ぎゅっと僕の服を掴む。


「これ、やだな……」


次の瞬間。


《ズゥン!!》


床が小さく軋んだ。


重力が、さらに一段階落ちる。


「来るわね」


エルの瞳が、すっと細くなる。


光が、にじむ。


「ミニエル、なおきの前に来て!」


「うん!」


ミニエルが前に出る。

小さな体なのに、完全に守る姿勢。


部屋の中央。


何もない空間が、ゆっくりと歪んだ。



白い光が、静かに形を成していく。


そして――


一人の天使が、音もなく降り立った。


銀色の羽。


凛と張り詰めた空気。


息を呑むほど整った顔立ち。


立っているだけで、世界そのものが重くなったようだった。




「……」


エルの周囲で、淡い光と深い闇が、静かに解き放たれた…


エルの背中を、一筋の汗が伝う。


「ミニエル!!」


「うん!風のシールド、光の浄化攻撃ならいつでもいける」


「なおきは守るから」


短い一言。


でも、その声は完全に《戦闘前》だった。


空気が張り詰める。


一触即発…



エルが手のひらを前へ翳す!!


光が、一気に膨れ上がる。


――放つ!!


……その寸前。



「待った待った待った!!」


場違いなほど軽い声が響いた。



「戦うわけないでしょ!!」


……え?


天使は両手をぶんぶん振っていた。


さっきまでの重圧はそのままなのに、

言動だけが軽い。


「ちょ、ちょっと待ってよ?!


「いやいやいや!

エルの精霊術と大きなエルまでいたら私でも分が悪いって!」


沈黙。


エル、じと目。


「……よく言うわよ」

ミニエル、小声。


「自分だって強いくせに……」


天使は胸を張る。


「私はミカエル!七大天使の一人!」


「戦闘は得意だけど、今回は戦いに来たんじゃないの!」


その瞬間。


エルの光が、わずかに弱まる。


「……目的は?」


ぴしっとした緊張の中で、

ミカエルはにっこり笑った。


そして、なおきを指さす。


「視察よ」


重力が、さらに一瞬だけ重くなった。


「その子――

天界では《要観測対象》に指定されてるから」


「……は?」


誰も、すぐには言葉を返せなかった。



部屋の空気が、静かに凍りついた。


第二章が始まりました。


ついに天界からの正式な来訪者、ミカエル登場です。


ただし本人はわりと軽いです。


なおきが「要観測対象」になっている理由とは何なのか。三人の日常はどうなるのか。


ここから少しずつ物語が広がっていきます。


よければブックマークや感想で応援してもらえると嬉しいです。

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