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湯気の中の本音と、天使のヤキモチ 2

いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は、お風呂のあと――

同じで違うミニエルとエル、なおきの少しだけ真面目で優しいお話です。


お楽しみに!!


ーーーー


先にお風呂を上がったエル。


寝室のドアを開けたなおきは、思わず固まった。


ベッドの上で、小さな体がばたばたと転がっている。


「……え?」


ぴたりと動きが止まり、むくりと起き上がる小さな少女。


いつものミニエルだった。


「あれ? 可愛いミニエルに戻ってる?」


「なんでエルとお風呂入ったのよー!」


開口一番、それだった。


「ミニエルがエルになったんだろ!?」


「むぅ……そうだけど……」


不満げに頬を膨らませながらも、ぽすんとベッドに座る。


そして上目遣い。


「……大きいわたしと、何してたの?」


「その聞き方やめてー」


「教えてくれないとヤキモチ妬いちゃう! あの大きいわたし、なんか色っぽかったし!」


「ってか、記憶ないの?」


その問いに、ミニエルは一瞬だけ真顔になる。


「……ぼんやり、ある。でもはっきりじゃないの」


なおきは少し迷ってから言った。


「ミニエル。大きいエルに変われる?」


「どうして? やっぱり大きいほうがいいの?」


不安が混じる。


「違うよ。……少し話したくて」


その一言で、ミニエルは静かに頷いた。


光がふわりと溢れる。


現れたのは、大人のエル。


今度は落ち着いたワンピース姿だった。


「これでいい?」


なおきは息を整えてから聞く。


「エルとミニエルって、意思は共有してるの?」


エルは少し考え、静かに答える。


「完全じゃない。でも、繋がってはいるわ。霧越しに見るみたいに」


「じゃあ……」


なおきは拳を握った。


「僕は‥エルの優しさに甘えているだけじゃないかって、」


空気が止まる。


「現実逃避みたいに、寂しさをぶつけてるだけと思われたら……ミニエルにもエルにも、申し訳ない」


エルは黙って聞いていた。


やがて、そっとなおきの手を包む。


「優しいね、なおきは、」


静かな声。


「確かに最初は、不安だった。繋がりを確かめたかった、私も‥でもね……」


指が少しだけ強くなる。


「なおきとだからだよ」


「私はあなたを愛してるから」


なおきの目が揺れる。


「でも、僕の気持ちがちゃんと伝わってるのか不安で……」

「伝わってるよ」


即答だった。


「ミニエルも私も、なおきに大切に愛されてるって知ってるから」


一歩、距離を詰める。


「私たちは分かれてるようで、同じなの。なおきが好きなのは、“私たち”でしょう?」


その言葉で、なおきの迷いがほどけた。


「……うん。ミニエルも、エルも、大好き」


エルは微笑む。


「なら、それで十分よ」


しばらく静かな時間が流れた。


けれど。


なおきは思い出す。


「でもさ……なんで風呂で勝手に変わったの?」


「……っ」


露骨に目を逸らす。


「それは……その……あはは」


天使の輪が点滅してぴくぴくする。


「欲求が溜まると、出てくるとか?」


沈黙。


‥露骨!


「……なおき?!」


「はい」


「あなたねぇ……!」


怒るかと思った次の瞬間。


なおきはそっと抱きしめた。


「大好きだよ。ありがとね」


力が抜ける。


エルは小さくため息をつき、胸に顔を埋める。


「……ほんと、ずるい」


少しだけ照れながら。


「私も、愛してる。なおき」


しばらくそうして互いの存在を確かめ合っていたが、やがてエルが名残惜しそうに体を離した。


「さあ、そろそろミニエルを起こしてあげないと。あの子、きっと心配してる」


そう言うと、彼女は人差し指でとん、と自分のこめかみを軽く叩いた。すると、まるで霧が晴れていくように、彼女の輪郭が淡い光に包まれ始め、元のミニチュアサイズの姿へと戻っていく。


光が収まると、そこにはソファの上で心配そうな顔をしていた時と同じ、小さいエルがちょこんと座っていた。


「おかえりミニエル!」



「さあ、歯磨きしよっ!なおきと一緒に寝る!」


ミニエルが元気よく手を挙げ、洗面所の方を指差す。


とパタパタと走った


「こら、危ないでしょう。まったく、あなたは騒がしいんだから。」

エルもやれやれといった様子で肩をすくめ、二人を追いかけるように歩き出した。


なおきは二度見した!


「それはそうと‥‥なんでエルが居るの?」


「戻れなくなっちゃったー」


「あはは!!あはは!!!」

今回も読んでいただきありがとうございました。

ミニエルとエルは別々で、でもどこか繋がっている存在。

なおきの想いが“どちらか”ではなく“ふたり”に向いている…

この日から3人の生活が始まります!そして3人の輪郭、関係性の説明もそろそろ終了します!!

それを機に少し早めのテンポで日常生活に変わってきます

お楽しみに!!


次回も連投になりますのでお楽しみに。


もしよろしければ、感想やブックマークで応援していただけると嬉しいです。


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