表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薔薇と首  作者: 裃白沙
四 歌姫の棺
17/18

第四章 歌姫の棺(4)


「じゃあどうして手間を惜しまず首を切ったか。それは、あの現場に大量の血を流す必要があったんです。血で血を隠す必要があったんです」

 津野佑香は紗綾と目を合わせ、その視線を跳ね返そうとしていた。それが無意味な反抗だと知っていても、そうしていないと、今にも眼から涙がこぼれ落ちそうになっていた。

 そんな津野佑香の心中を知ってか否か、紗綾は寂しそうに言った。

「どうして犯人は、花に囲まれた現場を作ったのか。それは、あなたがガラスの花瓶を凶器に使ったからじゃないですか? あの現場には、花屋でもらってきた花を一時的に入れておけるバケツはあるのに、花瓶が一つも無いんですよ。これは変だと思いませんか?」

 一歩、紗綾は津野佑香に近寄ると、彼女の前にしゃがみこんだ。

「あなたは花瓶で昭代さんを殴った。その拍子にガラスの花瓶は割れてしまった。加えてあなたは一つ重大なミスを犯した。その花瓶の破片で怪我をしたんです。現場に自分の血を流してしまった。これが採取されると自分が犯人だと分かってしまう。それを隠すには自分以外の血を、大量の血を現場に流すしかない。死体の腕を切るだけでもいいけど、殴ったのは頭です。死体の頭を分析すれば、おおよそ何で殴ったかは想像できます。そうすると、あの部屋にない、花瓶を凶器に使ったことが推測できてしまう。凶器がなくなっていて、しかも大量に被害者の血が流れていたら、犯人が自分の血を隠すためのカモフラージュとしてあの現場を作ったとすぐにわかってしまう。だから、あなたは、あの人の首を切ったんですね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ