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ヤンデレ狼の英雄様に、無理矢理番にされました〜それでは、デスゲームを始めましょうか〜  作者: 井藤 美樹


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義両親と作戦会議


 セリーシアお母様と仲良くお風呂から出た後、皆(そろ)って作戦会議を始めます。


 参加者は、私と義両親。そして、執事長の四人、カイナル様はいません。当然、その部下もね。


「話はセリーシアから聞いたが、具体的にどうするつもりだ?」


 そう切り出したのはカイザルお父様。


「何もしません。ただ、いつも通りに学園に通うだけです」


「なるほど、通学途中を襲わせる気か?」


(さすが、カイザルお父様)


 少ない言葉で、正確に私の意図を読んでくれる。


「はい」


「だが、希望通りに動いてくれるか?」


(普通の神経なら、行動を起こすような馬鹿はしない)


 でも、ラメール侯爵夫人と娘は普通じゃない。頭の中がお花畑で埋めつくされている。自分の都合が良いように記憶を変換する人種。なら、馬鹿な行動を起こすと思うの。勝算は十分あるわ。


「それは、分かりません。でも……あの様子なら、高い確率で何かしら動くと思います。現に、カイナル様は学園を休ませようとしていましたし……ただ、確率を上げることが出来ればと考えています」


「そうか……確かに、少し弱いな」


(問題はここから)


 確率を上げる起爆剤を用意するとして、何がいいのか分からない。何か一押しがあれば動くと思うんだけど……


「……なければ、作ればいいのよ」


 セリーシアお母様がそう提案してくれた。


(なんか、楽しそう。でも、何を?)


 たぶん、これはセリーシアお母様なりのヒント。私は頭をフル回転させて考える。


「作る、作る……あっ、そうか、噂を流せばいいのでは?」


「例えば、どのような噂を?」


 笑顔のセリーシアお母様に突っ込まれた。


「そうですね……番を解消できるおまじないがあるとか……それでは、まだ弱いですね。だったら、番を解消し、新たに結び付けることが出来る、おまじないはどうですか?」


 確か……昔読んだ、お姉ちゃんの恋愛小説に、そんなおまじないの話が載っていた気がする。それに、お花畑たちは恋愛小説好きそうだし、私より知ってそう。


「番を解消し、新たに結び付けるね……その(たぐ)いのまじないの話なら、前からあったわね。なら、その話に少し信憑性を足しましょうか。まじないではなく、黒魔法にしましょう」


 闇魔法ではなく黒魔法。黒魔法は別名禁断魔法って言われている魔法で、主に魔族が使用する魔法だ。


(なるほど、黒魔法か……お花畑たちが好きそうね。それにしても、すっごく楽しそうねセリーシアお母様。よっぽど迷惑したのね、分かるわ〜)


「でも、どうやって噂を流しますか? 時間もありませんし」


 猶予は三日。


「それなら、明日、私がそれとなくお茶会で流すわ。半日も掛からずに、お花畑たちの耳に届くわよ」


(ヒエッ!? マジですか!? おばちゃんたちの井戸端会議並みに早いよ)


「しかし、ユリシアを誘拐するのは物理的に難しいだろ?」


 黙って話を聞いていたカイザルお父様が指摘する。


「そうですね。今の状態なら無理ですね。この状態を維持しつつ、相手側に隙を見せる方法…………例えばですけど、侍女を一人同行させるのはどうでしょうか?」


「侍女を?」


 カイザルお父様の問いに軽く頷いてから答えた。


「それなら、警備を強化するように見せ掛けれますし、ラメール侯爵夫人たちから見たら、侍女を人質に取る事で私を誘拐出来る可能性が出てきます。その人質は、訓練を受けた女騎士が望ましいですが……お借りできませんか?」


 カイナル様の部下にも女騎士はいるけど、喧嘩中の今は借りれない。となれば、カイザルお父様しか頼めない。


(いけると思うんだけど、まだ甘いかな……)


「……いけそうだな」


 感心したように、カイザルお父様が言った。傍に控えていた執事長も、「大丈夫でしょう」とお墨付きを貰った。


「そうね、私もいけると思うわ。ユリシアちゃんって、楽しくて良い子ね。カイナルの番でなくても、我が家に迎え入れたい程可愛くて最高よ」


 セリーシアお母様はそう言うと、私をギュッと抱き締め膝の上に乗せた。


 カイナル様ならまだ分かるけど、私、もう膝の上に乗るような年齢じゃないんだけど……でも、カイザルお父様もセリーシアお母様も嬉しそうだからいいかな。それに、番抜きで迎え入れたいって言ってくれて、お世辞でも嬉しかった。


(それにしても、サクサク決まったね)


 形になるのに、一時間も掛からなかったよ。これがカイナル様だったら、有に一日以上掛かっても駄目な気がする。気力だけはぎ落とされて、瀕死な状態になるわね。


(今頃、カイナル様、どうしてるのかな……)


「カイナルが気になるの?」


「気になりません!!」


(吃驚した〜ちょうど、カイナル様のことを考えていたから、咄嗟(とっさ)に否定しちゃったよ)


「そう?」


「私にも地雷がある事を、カイナル様は知るべきです」


 私がそう答えると、セリーシアお母様はまたギュッと抱き締めてきた。


「初々しいわ〜私たちも、昔はそうだったわね、カイザル」


 セリーシアお母様がカイザルお父様に話を振ると、カイザルお父様はやけにソワソワしだした。視線も微妙に反らしている。


「……あったな、私たちにも」


 カイザルお父様は、消えそうな程小さな声で呟いた。


(何があったの? 私とカイナル様以上の喧嘩でもしたのかな?)



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