43. 招かざる客の登場
少し短いですが、区切りが良いので
これでご勘弁を。
カーンの名前と過去が少し判りました。
そして、オーキッドとルイはどんな登場を
するのでしょうか?(するかな?)
「来たわよ。招かざる客が」
王妃様が私とシリウス様だけに聞こえる声でおっしゃいました。
「レブランド。お客様は、どちらにいらっしゃるのかしら?」
王妃様はレブランド様に紙を折り直して手渡すと、お母様やレチル様にも聞こえる声で尋ねられました。事情を知っている私達に緊張感が走ります。シリウス様は私の後ろに、レチル様も席から立ち上がると、王妃様の後ろにスッと移動しました。
「お止めしたのですが、もうすぐにいらっしゃいます」
「そうでしょうね。オーキッドですもの。判りました。気を付けます」
正門からこの中庭までには、少し距離がありますが、それでも数分で来られます。シリウス様が私の肩に手を置いて、キュッと力を込められました。
「大丈夫ですよ。リリは、あくまでも初めて会うのです。それは忘れないようにして下さい」
「は、はい。ガンバリマス」
肩に置かれた大きな手に、自分の手を重ねて頷きました。落ち着いて。落ち着いて、私!
中庭への入り口から、レブランド様が案内をしていらっしゃるようです。一応、王妃様を含めて貴族の女性たちのお茶会なので、宮廷近衛騎士団、つまりシリウス様の部下様達が警備して下さっていて、殿方は自由に出入りが出来無いようになっています。
「ステーシア王妃様。お初にお目に掛かります。お茶会のお邪魔することをお許し頂き、ありがとうございます」
「・・・貴方は?」
「失礼致しました。私は、リリ・アンナ・グランデルク伯爵令嬢にお祝いを申し付かりました者でございます」
この方、誰ですか?初めて見る顔です。
濃茶の長い髪に、濃茶の瞳の華やかな美しい男性です。右目の下にある黒子が、何とも言い難い色気を感じさせます。それに、背が高くて手足が長いせいでしょうか?なんだか、所作がお芝居掛かっているというか、舞台のような派手な感じですけど・・・?。
「貴方のお名前は?どなたのお連れ様なのかしら?」
王妃様が、目を細めて扇越しにお尋ねになります。これは警戒されていますわね。当然ですけど。
「ああ!大変失礼致しました。私はパルマン辺境伯の従者であります、カルバーン・ハイドと申します。以後、お見知りおきを」
カルバーンと名乗ったその男性は、王妃様の御前で派手な身振りで再び頭を垂れました。その様子を見守っていたご婦人やお嬢様方が顔を見合わせてざわつきました。
?何でしょう?
「貴方!もしかして、舞台俳優のカルバーン様ではありませんの!?数年前にイキナリ引退してしまった!あの、カルバーン様でございましょう!?」
えっ!?俳優?この方が?皆さんはこのカルバーン様をご存じなのですか?ミラノ侯爵夫人を見れば、うっとりした目で見つめていらっしゃいます。列席している皆さんがザワザワしながら(本物よ)とか、(やっぱりステキ!)とか、ひそひそと話をしています。
(リリ、彼に見覚えは?)
後ろから、こそっとシリウス様に耳打ちされました。顔は見たことありませんが、この髪、この所作というか振る舞い?には覚えがあります。
(カーン・・・様でしょうか?この方、私の前ではずっと仮面を被っていましたから、顔を見るの初めてですけど。この声と身振りには覚えがありますわ)
そう言うと、シリウス様は薄く微笑んで、カルバーン様の方に向き直りました。
あら?すっごい無表情で、冷たい冷気が背後から漂って来ています。シリウス様?表情変わり過ぎですわ。
「そう。それで、パルマン伯はどうされたのかしら?」
王妃様が、扇をパチンと鳴らしました。少し、イラついていらっしゃるような気配ですが・・・
「ああそうですね。殿下の所にご挨拶に伺っていらっしゃいますので、そろそろこちらに・・・ああ、いらっしゃいました」
中庭の入り口の方を向くとアレッド王太子がこちらに向かって来られました。が、アレッド王太子様のお顔が、お顔が・・・死ンデイマスワヨ?
「麗しいステーシア様!お久しぶりですね?お元気でしたか?」
目の前には、オーキッド・フォン・パルマン辺境伯。
(ええっ!?)
その姿は、黒地に金色の刺繍が鮮やかな辺境騎士団の式服姿でした。
この方、ドレスで来るのではなかったですか!?そう伺っていましたけど!?
すみません。ルイ君は次話になります。
誤字脱字は気づき次第修正します。
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