42. 王妃のお茶会は始まった
ちょっと、艶シーンを加筆しました。
だって、タガの外れかかったいい年のオトコですしね。
ここまでの表現ならギリ大丈夫でしょうか。
すみません。話が伸びてしまい
次話でご対面となります。
王宮までの馬車の中で、シリウス様を改めて良く見ました。
今日は、宮廷近衛騎士の式服でしょうか?白地に襟と袖の折り返し部分が金色の華やかな制服です。腰に巻かれたサッシュは、国花である矢車菊の鮮やかな青色です。そして房飾りには金糸がたっぷり付いています。手が込んでいますわ。今日は、黄金色の緩やかに波打つ長い髪も結わえずに降ろされています。なんだか目もくらむような艶やかな出立に畏れ多さまで感じてきます。このヒトの溢れるオーラは危険ですよ!!
「リリ、どうかしましたか?」
考え事をしていたシリウス様ですが、流石にじっくりと、舐めまわすように見ていたのに気づかれましたわね?
「いいえ。あの、今日もとっても素敵だな。と思っていたのです。金色のオーラが眩しいくらいです」
「そうですか?ありがとうございます。今日は貴方の夫としての初めての仕事ですから。それに、招かざる客も来そうですからね。威嚇の意味もあります」
「はあ。ソウデスカ。でも、それって女性達には別の影響がありそうですわ」
「そんな顔をしないで下さい。最も、威嚇は別の方法も取っておかないと、とは思っていますが」
「なんですか?」
そう聞き返すと、シリウス様が私の手を引き寄せます。引っ張られた私は向かいに座っているシリウス様の胸に衝突しそうになりますが、くるりと回転させられると、またまた膝の上に横抱きにされました。
「!!!!」
もう止めて下さい!!突然やらかすこの方の甘々行動!
「シリウス様!もうお止めになって下さい!びっくりしますわ!」
この際ですから、思いきり抗議します。心臓が持ちませんよ。なのに、シリウス様はくすくすと笑いながら、目を細めて私を見ています。この方は二人きりになると、こうして私に触れてきます。まるで2年分を取り返すくらいの濃密さです。もう、ドキドキですわ。
私が諦めて、シリウス様の瞳を見返すと妖艶な瞳の色に気づきました。
「シリウス様?」
「結婚式を挙げるまでは我慢しようと思っていましたが、貴方が可愛らし過ぎて無理なようです」
「えっ?」
「目を閉じて?」
そう囁かれて言われるままに眼を閉じた私の顎に、シリウス様の長い指添えられました。そして、首の角度を少しだけ変えられると、唇に柔らかく温かい感触が重なりました。シリウス様のグリーンシトラスの香りが一層強く感じられます!
口付けされてる!そうです。シリウス様と初めての口付けです。
ポーっとして体温が上がってきました。シリウス様はゆっくりと私を放して下さると、頬を撫でながらにっこりと微笑まれました。
「でも、これだけでは足りません」
身体の力が入らない私の体を支えると、長く垂らした髪を掻き分けて、首筋をゆっくりと撫でました。そして、耳の輪郭をなぞる様に温かく湿った感触が・・・。も、もしかして、耳にも、口づけされていますか?首筋をなぞる少し冷たい指先と、熱くなった耳たぶの感触に背筋がザワリと波打って、力が抜けてしまいます。
何でしょうか?この感覚は。
「あの、シリウス様・・・?」
私が首を動かそうとすると、少し力を込めて抱きこまれました。
そして、シリウス様が私の首筋に顔を埋めました。
「つっ!?」
耳の後ろというか、下というかそんなところがツキンと少し痛いような気がしました。何?何をされたのでしょうか?
「ああ、貴方の肌は白いので目立ってしまいますね。今日はこちらの髪を上げてはいけませんよ?」
「あの、シリウス様?何をされたのですか?」
「・・・・貴方が私のものだという印を付けました」
印って!?自分で見ることが叶わない場所ですよ?どうなっているのか判りませんが、とにかく気を付けましょう。もう、王宮はもうすぐなのに、こんなことを仕掛けられたら心臓が幾つあっても持ちません!ドキドキのフラフラですわ。
力の入らなくなった私は、シリウス様の胸に寄り掛かってしばらく動けませんでした。
王宮に着くと、シリウス様にエスコートされてお茶会の会場に向かいます。今日は、王宮の中庭に大きなテントを張って行うガーデンパーティーにしてあります。
せっかく花々の美しい季節ですから、見た目も香りも楽しもうと王妃様が趣向を凝らして下さっています。何より、今日は私の誕生日でもありますので、白百合を飾り付けたオブジエが幾つも飾られています。
本当にありがたいことですわ。
シリウス様と私は、まずは王妃様のお部屋にご挨拶に伺います。お茶会が始まるには、まだ少し時間がありますから、お礼もきちんと申し上げましょう。
「王妃様、本日はお招き頂きまして、ありがとうございます」
王妃様の前で、二人でご挨拶をします。王妃様はにっこり微笑み、優しく言葉を掛けて下さいました。
「二人とも良くいらっしゃいました。今日は楽しんで頂戴。と、言いたいところですが、もしかしたら面倒なことが起きるかもしれないのよね?シリウス、リリちゃんをしっかりお守りなさい」
「承知しております」
シリウス様は騎士の礼をとったまま、王妃様に向かってしっかりと頷かれました。安心できますわ。
「リリちゃん。シリウスが傍にいるから大丈夫と思うけど、油断は禁物よ。でも、お誕生日と結婚のお祝いですもの、楽しんで欲しいわ」
王妃様のお心遣いを嬉しく思いながら、私達は、美しく飾られた会場に向かって歩いて行きました。
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「本当に、それでいくつもりですか?」
「そうだよ?似合わない?」
「似合うか、似合わないかで言えば、似合います。でも」
「じゃあ、良いじゃない。君も似合っているよ。まるで王子様のようだよ?」
オーキッドは、数歩下がってルイの姿を見直した。今日のルイは、繊細なレースのシャツに臙脂に銀色の縫い取りがある上着を着ている。細身の上着は最新のデザインで、銀色のモール飾りが肩に揺れている。
「こんなに飾られるのは本意ではありませんが」
「そう?お姫様に会いに行くんだから、おめかししなくちゃね。さあ、もう行こうか?」
オーキッドはそう言って、軽い足取りで部屋を出て行き、溜息をついたルイがその後に続く。玄関前の馬車は辺境伯の紋章入りの馬車だ。御者席にはカーンが座っている。
「もう!遅いよ!待ちくたびれちゃったよ」
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「今日は、私のお茶会に皆様、ようこそおいで下さいました」
王妃様が上座からお声を発せられました。いよいよお茶会の始まりです。
「今日は、リリ・アンナ・グランデルク嬢の嬉しいお知らせが二つありますのよ」
王妃様が皆さんにお話しして下さいます。
「今日は、リリ嬢の17歳のお誕生日ですわ。おめでとうリリちゃん」
皆さんもお祝いの言葉を掛けて下さいます。少し恥ずかしいですが、皆さんにも小さくカーテーシーをしてお礼をします。
「それからね、もう一つ。ご結婚されましたのよ。お相手は、皆様が良くご存じの、さあ入っていらっしゃいな?」
王妃様が後ろのカーテンに向かって声をお掛けになりました。ふわりとカーテンが翻るとあの方が入っていらっしゃいました。ああぁ!オーラ全開ですわ。眼が潰れそうです!!
「本来ならば、王妃のお茶会には女性しかお招きしませんけど、今日は特別ですわ。リリちゃんとシリウス・スタンフォードが結婚しましたので、お祝い事ですからご報告させて頂きますわ」
王妃様は、これ以上無いくらいの笑みを浮かべて私達をご覧になっていますが、列席している貴婦人&お嬢様達は声にならない悲鳴を上げていたと思います。だって、涙ぐんでいるお嬢様や、がっくり肩を落としているご婦人がいますもの。これから、こんな風景を何回見ることになるのでしょうか?
「まあ!!おめでとう!!リリちゃんとシリウス様ね?これ以上無いくらいお似合いでなくって!?皆様そう思いませんこと?陛下も認めた ≪妖精姫≫ と宮廷近衛騎士の副団長ですもの」
アルテシア様が最初にお声を掛けて下さいました。軽くご婦人たちを牽制して下さいましたね?
それから、レチル様(今はタンザール侯爵夫人です)と一緒にお祝いの言葉を続けて下さいます。すると、ミラノ侯爵夫人も寄って来られて、
「本当に、お美しいお二人ですこと。並みの容姿ではお二人のどちらの隣にも立てませんわ。そこへいくとなんてお似合いでしょう!これ以上のカップリングは国中探してもありませんことよ!」
興奮気味に扇をパタパタしながら褒めちぎります。イヤイヤ、そこまでは・・・・。
「本来であれば、ここに入ることは出来ないところ、王妃様の寛大なお心遣いを頂きましたこと、感謝いたします。いつもリリがお世話になっている皆様に、直接ご報告が致したく参上いたしました。これからもリリをどうぞ宜しくお願いします」
と、美貌の騎士様オーラ全開にしてシリウス様がご挨拶して下さいました。その間、ずっと私の背を大きな手が支えてくれています。言い終わると、これまた眩しい笑顔で礼を執られました。あっ。後ろの方でどなたか倒れたのではないですか?
ご挨拶が一通り終わると、アレッド王太子様からのお祝いの差し入れとして、発砲する果実酒が配られました。金色に細かな泡が煌めく爽やかなお酒です。これなら私にも飲めますわ。
そして、ゆっくり軽食を頂くためテーブル席に移動します。私の周りには、王妃様、アルテシア様、レチル様、ミラノ侯爵夫人とカレン様、そしてお隣にシリウス様が座ります。私と王妃様の間には一席空けています。ここには、今は別のテーブルにいるお母様や、ヘレン・スタンフォード公爵夫人などの貴婦人がいらっしゃても良い自由席です。
実は、お席にも気を使って頂いています。誘拐事件の事をご存じの王妃様、レチル様、お母様、が私を囲むように着席してくれています。(お母様はお隣のテーブルですが、私の真後ろにいます)
お茶会は、賑やかにそして楽しく始まりました。
果実酒を堪能しつつ、王妃様お勧めのチーズケーキを頂いていた時でした。庭の向こうからレブランド様が小走りに駆けてきました。珍しいですわ。何時も落ち着いていらっしゃる方ですのに。王妃様の傍に来られると息を整えてから礼を執り、二つ折りにされた紙をお渡しになりました。
あの紙は、アレッド王太子様の専用紙ですわね。
王妃様は紙を一瞥すると私とシリウス様に向かって小さな声でおっしゃいました。
「来たわよ。招かざる客が」
誤字脱字は気づき次第修正します。
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