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ダークマター

時任教授と高嶋教授の密談、素粒子物理学と遺伝子工学に何か関わりがあるのか、また二人の関係に進展があるのか、、、。

 時任教授が乗り出すように少し椅子を高嶋教授よりに動かし、机の上に前のめりなる様に高嶋教授との間を詰めて仮説について語り始めた。

『一つの仮説としてですが、何かを感知していると言っている物は何かダークマターに関わるものではないかと思っているのです。どちらかというとダークマターであって欲しいって希望的観測が大きいかもしれませんが、、、。』と言いながら前のめりだった体をお越しシュバルツビールを飲み干しマスターにおかわりを注文した。『先日焼肉屋でたまたま出会った生明大学の学生さんと話す機会があったのですが、その時に彼が突然タイムマシーンの話をし出して、「質量が無ければ時間を飛び越えることが出来るのでは?」と話していたのを聞いて、ふと思いついた事があったのですよ。』と時任教授の話が弾み出し時にマスターが『シュバルツビールのお代わりです。それと明太子のスパゲティーです。』とテーブルの上に手際よく置き空いたグラスを片付けてカウンターに戻った。『それで、どんな事を思い付かれたのですか?』と高嶋教授は興味深そうに時任教授の話に意識を戻した。『質量が0(ゼロ)だった場合、物質はどの様な状態に有るのだろうと。質量が無いのでニュートン力学の方程式は通用しないわけですよね。つまり一瞬で何処にでも存在できてしまう事になるのですよ。その場合、我々が常識と思っている物質の形さえも留まらなくなるのではと考えたときに、ふとそれがダークマターなのではと思ったのですよね。』すると高嶋教授が時任教授の話を遮るように質問をした。『すみません時任教授、ダークマターという言葉は聞いたことがあるのですがそれが何なのかが良く分かっていないのですが、簡単に説明して頂いても良いですか?』といいながらモスコミュールの入ったグラスを口へ運ぶ。『ああ、そうですよね申し訳ありません。簡単に言うと何も存在しないと考えられていた真空の宇宙空間にも実は何かしらの物質、いや物質という言葉が適切かどうかはわからないですが、あえてここでは物質と言わせていただきますね。その何かしらの物質が存在していてその物質のことをダークマターと呼んでいるのです。実際のところまだ仮定上の物質なので本当に存在するかさえもまだ証明はされていないのですが、そういう物質が存在する可能性は高いと言われているのですよ。』高嶋教授は興味深そうに時任教授の話を聴きながらモスコミュールのグラスを傾けた。『そうなんですね、何故かわからないですが何処かワクワクしてきますねその話。』と高嶋教授が言った事がさらに時任教授の話を熱くさせた。『そうなんですよ、ワクワクしてきますよね。一般的にはダークマターにも質量が存在すると言われていますが、質量が0と想像した場合、物質とダークマターには相対速度は存在しなくなり、物質がどんな運動状態にあっても常に物質とダークマターの関係はイコールなるのではと、それで、、、』と続けようとする時任教授を遮るように高嶋教授が『時任教授、すみませんちょっと話について行けなくなってるのですが、、、。物質とダークマターの相対速度が存在しなくなるってどう言うことですか』と疑問点にすかさず高嶋教授が尋ねる。『そうですよね、すみませんつい熱くなってしまって。わかりやくす言うと水中のボールを想像してみてください。水の中のボールが動くことで水に圧力差が生じてそれが流れを発生させるのですが、相対速度という観点がなくなると言う状況とはボールが動いても水との関係が全く変わらない状況だと言うことですね。但し、水と言うのはH2O分子の集合体なので質量が存在し実際にはちょっと違うと思うのですが。』と言うと時任教授は腕を組んでしばらく考え込んでしまった。高嶋教授はテーブルの明太子スパゲッティーを2つの皿に取り分け、一つは時任教授の前へ、もう一つは自分の目の前に置きその自分用のパスタをフォークで絡めて食べ始めた。『電磁波の伝わりがこの質量が0と仮定するダークマターの波だとすると約30万km/sと言う光の速さでの伝わり方の説明が上手く出来ないのですよね。なので私のこの仮説もまだ完璧ではないということですね。』と言って時任教授は頭を掻き、眼鏡を外してテーブルのお手拭きで目を拭った。すると高嶋教授が食べていたスパゲッティーのフォークとスプーンをテーブルにおいて時任教授に尋ねた。『ところで、遺伝子工学と素粒子の関係についてはまだ伺っていないですが、その点にも何か仮定の様なものが有るのですか?』すると時任教授はテーブルに置いた眼鏡をかけ直して答えた。『そこについてはちょっと飛躍しすぎているかもしれませんが、遺伝子の螺旋構造が実はそのダークマターのゆらぎのような物のアンテナの役目をしているのではと考えています。』すると高嶋教授は『それで先程の写真の様な実験装置を作成されたのですか?』とフォークにスパゲッティーをからめながら尋ねた。『いや、あれは本当に偶然作られた物だったのですよ、悪く言うとフォトエッジングの工程での不良品だったICチップだったのです。それに気付かずに実験に使用したら設計通りの結果が出ずに色々調べていて発見したのです。』すると高嶋教授は動かした手を止め『まさに失敗は成功のもと、ですね。』と呟くと時任教授は笑いながら『ははは、それは本来の意味からはちょっと違いますが、でももしこれが何かの発見に繋がれば文字通りそうなりますね。』と言って時任教授は残っていたビールを飲み干した。『でも、実際のところ高嶋教授はどう思われますか?高嶋教授のお考えを拝聴できればと思うのですが。』と急に尋ねられた高嶋教授はちょっと目を見開いたあと考えを整理するように視線をテーブルに落として喋り出した。『そうですね、今までそんなこと一度も考えたことなかったのでちょっとなんとも言えないのですが、ただ遺伝子工学の中でもうまく説明ができない部分があるので、そのダークマターとの関わりでもしかしたら説明できるのかもしれないとも思いましたね。ただ、私自身そのダークマターというものがよく理解できていないので良くわからないと言うのが正直な感想ですね。』と言ってモスコミュールのグラスを空けた。すると時任教授が『例えばですよ、遺伝子の組み合わせは一人一人違うわけですよね、その遺伝子がダークマターとつながる鍵となって同じ遺伝子同士で過去と未来がつながり記憶として残るのではと考えたら面白いのではと思ったのですよ。』と時任教授の話を興味深そうに聞いた後に言った。『確かに飛躍し過ぎてますね、ちょっとSF漫画の世界の様な感覚がありましたよ。でも、もしそうだったら確かに面白いですよね。』と空いたグラスを口に運び傾けた後、マスターに向かって空いたグラスを降っておかわりを注文した。『もし良かったらで良いのですが、私の考えをプレゼン形式にまとめたファイルがパワーポイントで作ってあるの見て感想を聞かせて欲しいのですが、、、。』と言って時任教授が鞄からUSBメモリーを取り出してテーブルの上に置いた。するとほぼそれと同時にマスターがモスコミュールのお代わりとシュバルツビールを置いた『時任教授もグラスが空いていた様でしたのでお持ちしたのですが。』と言うと時任教授が少し驚いた様に『あっ、ありがとう。では飲ませていただきますよ。』といって一口飲んだ。すると高嶋教授が『見させていただくのは全然問題ないですが、でも私が読んでも参考に出来る感想が言えるかどうかは自信がありませんよ。』とそのUSBメモリを手に取り無意識のまま眺めながら答えた。『それについては全く気にする必要はありません、、、、』と言い終わる直前に時任教授は急にガクッと頭を落とし、気絶するかのようにテーブルの上に覆い被さるように眠ってしまった。それを見て驚いた高島教授が『時任教授、大丈夫ですか!救急車呼びますか?』と大きな声で時任教授に話しかけると時任教授は『大丈夫ですが、なんだか急に眠くなってしまって、、救急車は、、、必要ないですが、どこかでちょっと休ませていただければ。』とテーブルに覆い被さったまま言った。『マスターこの辺りでホテルの様なところってありますか?』と高島教授は心配そうに時任教授の様子を伺いながら尋ねると『ホテルですか?』と少し考え込んだ後『普通のホテルはないのですが、いわゆるラブホテルと言われるホテルはこのお店を出て左に行ったところにありますよ。』と高島教授に答えた。

時任教授の不自然で急な体調変化、果たして何が怒っているのか。また、素粒子物理学と遺伝子工学には本当に関わりがあるのか?後の展開にご期待ください。

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