平凡なる太陽
わたしの個性よ
ドブにでも流れてしまえ
ああ没個性という何と魅力的な響き
平凡と言う非凡よ
お前は太陽を見たことがあるか
あれこそが平凡の象徴だ
人生が三度あれば
わたしは太陽をこそ目指すだろう
あの暴力的な意思に従う地上の人々よ
わたしもまたその一人であるしかなく
絶対的平凡より逃れ得ないのだ
彼のルールに全ては従うのだ
遺伝子すら従っている
それが平凡でなくて何であるか!
ありふれた海で溺れる者よ
行き交う人の流れに抗う者よ
夜を待て
晴れた空を見上げよ
そこにあるのは
恒星たちの支配する本物の宇宙である
燃え盛る膨大な熱量の冷たさである
これこそが偉大なる永遠の景色だ
これこそが我々を常に呑み込もうとする者たちだ
しかし
それであっても
どうだというのだ
わたしの宇宙は地球に従い太陽に従うが
決して見つめるだけの星々に隷属はしない
これが我儘だ
銀河に対する存在のわたしであるのだ
これこそがわたしをして
生きにくくする我儘の正体なのだ
生きやすさという幻影より溢れ出す者たちよ
ありもしない大多数より弾き出された者たちよ
ここが原点であることを
全ては瞬間より始まり続けることを
今 その不定形な不安を
真っすぐに射貫く嚆矢とせよ
全ての星が見つめている
お前が星空を見るように
対峙する者としての自覚を新たにせよ
常に刷新され続けるのは
未来などという曖昧ではなく
常にその波濤に立ち
燃える目を見開き続ける平凡さである!
写真は空乃 千尋さんより頂いたものです。